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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

30年目のモンゴル(6)(終)これで見納め?アルド・キノー・テアトル

 

 社会主義時代に建てられたウランバートル中心部の元映画館「アルド・キノー・テアトル」(人民映画館)、通称「アルド・キノー」。数年前から周囲を囲われた状態でしたが、いよいよ解体の日が迫っているかも知れません。

 

 

 ウランバートル中心部を引き続き歩きます。以前の話はこちらから。

 

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 今年も気になっていたのが、元映画館「アルド・キノー・テアトル」。当ブログでも時折とりあげた建物です。

 

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 社会主義時代に建てられ、映画館からの業態転換後も「アルド・キノー」(人民映画)という通称でランドマークとなってきた旧映画館。私自身は映画こそ観に行ったことはないものの、昔のウランバートルを思い出させる建物です。

 アルド・キノーは先述のエントリにもある通り、2022年に取り壊しが始まるもすぐさま差し止められます。その後は周囲をハシャー(フェンス)で囲われ、出入りができない状態で置かれていました。

 ただ、今年現地に行ってみると、大きな動きが起きていました。

 

 

 正面のフェンスに高層ビルのイラストが描かれた垂れ幕が掛かっています。

 

 

 周囲の建物や手前の緑地からして、ビルが描かれているのはちょうどアルド・キノーのあるところ。どうやら建て替えのイメージ図のようです。来るべき日が来る、ということでしょうか。

 

 

 現在のアルド・キノー。以前あったフィットネスの広告が外されています。

 

 

 かつての玄関。解体が始まったのか、と一瞬思いましたが、過去の写真を見てみると、3年前に取り壊しが差し止められたときからほとんど変わっていませんでした。

 

 

 ですが、アルド・キノーの北側に隣接する建物では工事が始まっているようです。先程のイラストでは、これと似たような低層ビルが描かれていますが、微妙に違う気もします。

 

 

 アルド・キノー側面。まだ窓ガラスが残っているところがあります。雨樋なのか排水管なのか、途切れていたり外れていたりしますが、これは以前からでしょう。

 

 

 そして、アルド・キノーのそばには建築資材が積まれています。こちらの工事が始まるのも、そう遠いことではないのでしょう。

 

 

 ビルのイラストに加えて、マナーや衛生向上を訴える首都政庁の広告も並んでいます。アルド・キノーについては解体差し止め以来まるで報道が見当たらないのですが、あるいはこのビル建設も首都政庁の肝煎りのプロジェクトなのかも知れません。

 ただそうなると、30年近く見続けたアルド・キノーは、これで見納めになる可能性が結構あります。次にウランバートルに来た時に、ここはどうなっているのか。流石にいきなりビルが建っていることはないでしょうし、しっちゃかめっちゃかがあった末に建設プロジェクトが飛んでしまい、結局は今のまんま、というストーリーも想像に難くはないのですが……