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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

9月のウランバートルから(2)ウランバートルで見つけたあんなものこんなもの

 

 シンポジウムも無事終わり、翌日からウランバートルを出歩きます。今回はそこで見つけたいろいろなものを。

 

 

 

1. はじめに

 1年ぶりのウランバートル。出歩いてみると気づいたこと、見つけたものがいろいろありました。今回と次回に分けて、それら諸々を見ていきます。

 なお、前回第1回のエントリは下記リンク先からどうぞ。

 

www.3710920.com

 

2. モンゴル軍博物館へ

 

 

 ハルハ河・ノモンハン戦争85周年ということで、モンゴル軍博物館を観に行きました。カーキ色の外観と頭上に輝く紋章が、かつての軍服を彷彿とさせます。

 

 

 博物館の前には、退役した大砲や戦車、軍用車両が並んでいます。

 

 

 ハルハ河・ノモンハン戦争85周年の掲示はありますが、主だった展示物はチンギス・ハーン博物館での展覧のために持ち出したとのこと。また館内の写真撮影は一部を除き有料なので控えましたが、古代から現代に至るまでの武具や防具、社会主義以降の郡の装備品、さらにはハルハ河のジオラマ、軍楽隊が使っていた楽譜等々、軍事の素人が見ても興味を惹くものが多かったです。

 さらに特徴的だったのが、国連平和維持活動に関する展示がいろいろあったこと。中にはPKF部隊員の顔出しパネルもありました。職員の方に促されて私も写真を撮りましたが、恥ずかしいのでアップはしません(笑)

 その他詳細につきましては、軍博物館のサイトにて。モンゴル語のみですがブラウザによっては機械翻訳が使えるはずです。

 

militarymuseum.mod.gov.mn

 

3. 市内交通の変化:新型バスと歩道信号灯が登場

 ウランバートルでは老朽化した市内バスの置き換えが2022年から進められていて、今年から中国製のバスが続々と導入されています。本来なら昨年に韓国・大宇製のバスが導入される予定だったのですが、到着した車両に欠陥が判明、さらに車両購入での腐敗も発覚し、首都知事と渋滞担当の閣僚のクビが飛ぶ事態になったのです。この辺のしっちゃかめっちゃか過程については拙稿でも触れたところです。

 

www.jstage.jst.go.jp

 

 今回ウランバートルを訪れたことで、報道写真に出ていたバスの現物を見ることができました。

 

 

 これが新型バスです。中国の有通客車が製造したもので、少なくともモンゴルに入国してからは、陸路を自走してウランバートルまでやって来ました。現地の人に聞いたら「うるさくなくていい」という話でした。

 ちなみに、バスの前面からピョンと伸びている棒ですが、用途は分かりません。アンテナにしては長すぎますし、車間距離でも取るためのものでしょうか。

 

 

 スフバータル広場に行くと、なぜかラッピング車両が停まっていました。

 

 

 日本でも売っている清涼飲料水の全面広告です。

 

 

 新車ともなれば乗ってみたいのはやまやまなのですが、ウランバートルの市内バスを利用するにはICカードが要るんですよね。どこでどう発行してもらえるのか、どうやってチャージするのかも知りませんし、そもそも作っても使う機会が限られるので、私が市内を単独行動する場合は基本歩きです。時間帯によっては歩いた方が断然早くなりますし。

 もっとも、この1カ月後にまたウランバートルに行った人間が「使う機会が限られる」といっても、あんま説得力ないですね(汗)。やっぱ、次に行く時は誰かに聞いてカードを作った方が良いかなぁ。

 

 

 一方、新型バスによって置き換えられるのが、このような従来のバスです。ヒュンダイや大宇製のバスなのですが、流石に年期も入って排気ガスも目立つようになっています。

 ちなみに、行先表示によればこのバスは「飛ぶ」そうです。といってもバスが空を飛ぶのではなくて、ウランバートルの旧空港(ボヤント=オハー空港)周辺に「ニセフ」(Нисэх)、そのまま訳すと「飛ぶ」という地名の区域があるので、行き先がそこだということです。

 

 

 バスについては予備知識があったのですが、現地に来てみて発見したのがこちらです。と言っただけでは何なのか分からないと思いますが、足元をご覧ください。

 

 

 横断歩道の手前が緑色に光っています。歩行者用信号のLEDが足元にも敷設されて、現示されるようになったのです。

 私が確認したのはモンゴル最大級の交差点、中央郵便局前と対外関係省前の2箇所です。これが他の交差点にも拡大するかは分かりません。というか、冬を乗り切れるかどうかが気になるところです。

 

4. スフバータル広場の4輪ペダル

 昨年はスフバータル広場で電動スクーターを見かけたのですが、今年はそれに加えて、4輪の自転車も見かけました。

 

 

 広場の南側に、カラフルな自転車が揃っています。どれも屋根付きで4輪ですが、乗れる人数は異なっているようです。

 

 

 乗っている人をちょうど見かけました。あくまで広場の中でのアトラクションのようですが(そもそも広場外でこの手の自転車に乗るのは危ないですし)、少人数で遊ぶ分には面白いかも知れませんね。

 ただ、モンゴル観光の常として、寒い時期まで適しているとはとても言えません。石畳や舗装の上の氷を割れば運転はできるようになるでしょうが、凍える思いをしてまで乗りたいと思う人がどれだけいるか。そう考えると、4輪ペダルはこれから冬眠するのでしょうが、問題は来春になって出てくるかどうか。流行り廃りの激しいウランバートルなので、その辺は微妙な気がします。

 

5. アルド・キノー・テアトル、相変わらず立入禁止状態

 今回も両替のためにアルド・キノー・テアトル(人民映画館)近くに行ってみました。昨年は周囲をフェンスで囲まれていて、出入りができなくなっていたのですが、はたして行ってみると、今年もフェンスはそのままでした。

 

 

 フェンスの一部が空いていて、工事の人や車は出入りできるようです。ただ、外観だけを見れば変化らしい変化はありません。前面の一部が崩されたのもそのまま、広告も撤去されないままです。

 

 

 ただ変化と言えば、去年あったモンゴル国勲功俳優ソソルバラム氏を批判する落書きはほとんどが消されています。といっても消した跡はくっきり見えますし、消していないのもありますし、やっつけ仕事感はあるのですが……

 なお、去年どうなっていたかは下記エントリ後半にて。

 

www.3710920.com

 

6. 次回予告(?)

 このエントリで取り上げたほかに、プーチン大統領が来訪したばかりのロシアを含め、外国関連の興味深いものもいくつか見かけました。

 ただ、既に長くなりましたので、それらについては次回のエントリにて。

 

www.3710920.com