2025年のJリーグ初シーズンに向けて期待が高まる高知ユナイテッドSC。ただ、残念なニュースがありました。
今年2024年にJ3入会を決め、2025年にJリーグクラブとして初のシーズンを迎える高知ユナイテッドSC。契約継続選手の発表に続いて日程も徐々に発表され、期待が高まる中で、衝撃的な発表が出てきました。
2015年に当時のアイゴッソ高知に入団、2016年シーズンからは高知UトラスターFCと統合して誕生した高知ユナイテッドSCの一員として、「高知にJリーグを」という夢の実現のために走り続けてきた横竹翔。
その後、毎年メンバーが大きく入れ替わる中で、気がつけば創立以来の唯一の選手になっています。JFL在籍時には公式戦100試合出場で表彰されるなど、まがうことなきクラブの功労者です。高知ユナイテッドSCとは横竹翔であり、横竹翔とは高知ユナイテッドSCである、といっても過言ではないでしょう。
さらに、高知で家庭も築き、今では試合前のメンバー紹介で称される通り「高知家の大黒柱」という存在になりました。
……と書きましたが、このブログでもときに出てくる「高知家」。当たり前のように書いていますが、県外だとイマイチよく分からない方も少なくないことでしょう。実際、私も香川県の人に尋ねられたことがあるのですが、どうにもふわっとした説明しかできませんでした。
それであらためて調べてみたのですが、元締めの高知県庁の説明からして、ふわっとしています。
辞書上の定義はあります。間違いでは「なかった」と思います。
ただ、後に「高知家」は単なるキャンペーンを越えだして、高知県内各地に染みわたっていきます。今いる県民や出身者のみならず、少しでも高知県に関わりを持った人を巻き込んでいこうという感覚が高知県民の意識に合ったのかも知れません。この辺は機会があればぜひ実証してみたいところですので研究費ください。
それはそれとして、何かの縁で高知県とつながればアナタも「高知家」の一員、というのはよくあるノリです。
高知サポ向け
— ぶちろぐ (@kenken114477) 2024年12月8日
昨日の入れ替え戦にパイナップルを持ってきてくれたこの方、今日の福岡戦でお会いできました。
こちらの方、川崎サポなのですが、昨年の天皇杯で高知と闘ったことから、昨日の入れ替え戦に加勢してくださったという流れです。
色々端折ってますが、要は高知家ってことです。… https://t.co/SZrcYUU8z6 pic.twitter.com/9n5CHn6Guk
「色々端折ってますが、要は高知家」という言葉が、が「高知家」の融通無碍さを象徴しています。こんな感じで、県庁以下何かにつけて使う言葉になったがゆえに、説明はふわっとしたものにしかならないのです。
話を戻して、これまでまさに「高知家の大黒柱」として貢献してきた横竹翔。今季は県内各地をめぐる広報活動でも登場しています。
そんな存在であるだけに、「翔を再びJリーガーに」はサポーターの願いでした。地域リーグからJFLを経るJリーグまでの険しい道のり、困難や問題もありながらクラブを応援してきたのは、翔をJリーグのピッチに再び立たせたいという願いがあったから、というサポーターも決して少なくないはずです。
加えて個人の話で恐縮ですが、私も2015年度前に高知に移り、同年度から高知で仕事を始めていて、かつユナイテッドも一応は最初のシーズンから見てきたわけで*1、いわば「同期」としての親しみもあります。
それだけに、引退の知らせは衝撃的でした。まだ受け止められているか、自信はないです。
ですが、本人に「やりきった」という思いがあるのなら、それは尊重されなければなりません。
クラブ公式発表では、2月23日(日)のホーム開幕戦、高知のJクラブとして高知で行う初めての試合の前に、記念セレモニーが行われるとのこと。奇しくも対戦相手は、翔が高知行きを決断したときの所属クラブたるガイナーレ鳥取です。詳細はおいおい分かると思いますが、両クラブサポーターで、できればスタンドがいっぱいになる中で、翔の新たな門出を祝って送り出したいです。
いや、「……って後で見たら引退撤回しちゅうやないか~い」でもかまんけんどよ。
*1:なので、私自身は「高知ユナイテッドSC創立以来のにわかサポ」をもって任じています。