高知ユナイテッドSC、夢にまで見たJリーグの舞台。それが夢から現実となった初めての試合、明治安田J3リーグ2025開幕戦は、カンセキスタジアムでの対栃木SC戦となりました。
昨季のJ3・JFL入れ替え戦でついにJ3入会を果たした高知ユナイテッドSC(スポーツクラブ)。Jリーグでの初試合は2025年2月16日(日)、J3リーグ開幕戦となる栃木SCとの対戦です。歴史を見届けるべく、栃木県宇都宮市はカンセキスタジアムまで出かけてきました。
※ 高知ユナイテッドSCのJ3入会に伴い、2025シーズンからの観戦記は「Jリーグ公式試合における写真・動画のインターネット上での使用ガイドライン」に従い、画像付きエントリとして作成、公開します。
羽田空港から急行と普通を乗り継いで、東武宇都宮線西川田駅へ。駅名板がこんなかわいいことになっていました。
ちなみに浅草から特急に乗るのも考えたのですが、リバティは乗ったことがありますし、スペーシアXに乗るならいっそ日光や鬼怒川温泉まで行ってしまいたいですし。
カンセキスタジアムへの最寄駅だけあって、栃木SCの幟が立っています。実際電車が西川田に近づくにつれ、栃木サポーターも三々五々乗り込んできました。一方で、高知サポっぽい人は見当たらず、ちょっと不安がよぎります。
西川田駅の東口からカンセキスタジアムへ。駅名板には2022年の国体のキャラクターが描かれていました。国体ではカンセキスタジアムが開会式・閉会式に使われていて、駅からの道路にも国体道路の名称が付けられています。
スタジアムへの途中にあった、年季の入っていそうな地図。陸上競技場やサッカー場は描いてありますが、カンセキスタジアムがありません。
記されていたのは、かつての競馬場。カンセキスタジアムは地方競馬冬の時代に姿を消した宇都宮競馬場の跡地に建てられたのでした。
もう少し歩いてみれば、かつての競馬場の痕跡は他にも見つかるかも知れませんが、今は観戦の方が先です。さらに進むと、左手に大きなスタジアムが見えてきました。
そして目に入ったのが、大きな猿の顔。栃木SCマスコット、トッキーのバルーンが、遊園地の前に置かれています。
そしてカンセキスタジアムに到着。まだ真新しく、J3に入ったばかりのクラブのサポーターにとってはかなりの威容です。
スタジアム外周を半周し、アウェーゴール裏に来ました。
バックスタンド遥か上には、ついにJリーグの公式戦で、高知ユナイテッドSCのフラッグがはためく日がやって来ました。
栃木SCサポは既に威勢を上げています。画像では遠くに見えますが、スタジアムの構造も相まって、これまで経験したことのないぐらいの声圧です。
しかし、言っちゃ悪いがこちとら満員の甲子園球場にビジターで参戦してきた人間、くぐった修羅場が違います。われわれ高知側のサポーターも数は増えていますし、有難いことに同期入会やレンタルの繋がり、さらには三ツ沢での入れ替え戦の縁で加勢してくれる他サポの方々もいる、気持ちで負けるわけがありません。
あ、あとカツオとたたきも結構増えました(笑)ヌオーも見かけましたし。
とはいえ、腹ごしらえをしないことにははじまりません。幸いスタグルがかなり充実しているので、調達に行ってきました。宇都宮と言えばギョウザがあまりに有名ですが、そちらは帰りのお楽しみにとっておいて、他の名物やB級グルメを探すことにします。
こちらは玉子焼きのキッチンカー。つまみにはちょうど良さそうですね。
というわけで、いくら玉子串と迷いましたが玉子焼きを買いました。だししょうゆ味を選んだところ、いりこが効いています。初めて食べる味ですが、これはこれでアリですね。
こちらはいもフライ。1本当たり310円と考えれば、スタグルではお値打ちな部類に入るのではないでしょうか。
試合開始が近づいてきました。カンセキスタジアムのスコアボードはアウェーゴール裏の真上にあって、確認するにはだいぶ前の方に行かないといけません。
そして選手が入場してきました。メンバーは昨季からかなり入れ替わっています。
高知ユナイテッドSCのJリーグ最初のイレブン、記念撮影です。
試合前、気合を入れてから散開するメンバー。いよいよキックオフです。
前半は栃木SCボールでスタート。劣勢覚悟で臨みましたが、始まってみればお互い譲らぬ展開。ただいつ攻め込まれるかとヒヤヒヤで、最初の10分は倍以上にも感じました。そこから次第に高知も徐々に攻め手をつかみますが、ゴールには至りません。
ゲームが動いたのは前半21分。栃木SCが一気に高知ゴールに迫ると、右からのクロスをMF10番五十嵐がエリア内で合わせて蹴り込み、先制点を奪います。
その後は攻め合いが続きますが、ゴールシーンは生まれず、前半は0-1で終了します。
ハーフタイム、栃木SCマスコットのトッキーがチアとともに登場します。
うちも早くマスコットを……とは思うのですが、これから審査だなんだが続くわけで、しばらくはカツオやたたきで凌ぐことになりそうです。
あ、ちなみに私が持っているカツオぬいぐるみはひろめ市場のカツオくじからスカウトしたものです。春野でのホーム開幕戦に備えて仲間を募集中です(?)
もうすぐ後半が始まります。選手がピッチに戻ってきました。交代はなさそうです。
後半は高知ボール。MF工藤のキックオフで始まります。
1点を追う高知は開始から果敢に攻め続けますが、栃木の堅い守りに跳ね返されます。
後半21分*1には選手を4人一気に交代。それだけ選手の消耗度が大きいということでしょうか。
さらに後半36分にはMF26番須藤に代えてMF17番伊藤が登場。新加入の選手たちが躍動します。
この後も高知は再三栃木のゴールを脅かします。後半39分にはMF16番上月がエリア内正面からシュートを放ちますが、ボールは勢いが乗りきらず、相手GK川田に捕らえられてしまいます。
結局後半はスコアがなく、そのままタイムアップ。
高知ユナイテッドSC、開幕戦は0-1での惜敗となりました。
試合後、ゴール裏に向かう選手、監督、スタッフ一同。スタンドからは歓声と応援が相次いで飛んでいました。
実際、結果はさておき内容は元J2相手に決してひけを取るものではなかったと思います。何より昨季までと違ったのが、ボールの出しどころに苦慮して最終ラインで回したり、圧力に押されて後ろに下げていくシーンが、私が見た限り皆無に等しかったこと、またボールが相手に渡ったらすぐさま2, 3人で襲い掛かり、奪い返して速攻につなげようとしていたことです。
開幕までの練習はかなりハードだったと聞いていますが、それが活きているのが見て取れました。これならJ3で戦える、手応えと自信は得ることができました。
ただ、それらを揺るぎない確信に変えるためには、チーム初ゴール、そして勝点3が必要です。春野での勝ちに飢えているファン・サポーターのためにも、次の試合では結果を期待したいところです。
さらに言えば、応援する側のJリーグ仕様へのバージョンアップも求められそうです。開幕戦を観た限りでは問題なかったのですが、JリーグともなればJFLよりも規則やマナーが細かくなるわけで、それらを知って適応しないといけません。また、この試合が良い例ですが、アウェー戦で受けるホームの応援からの重圧は、JFL時代とは段違いです。それを跳ね返すにはピッチで11人が12人にも13人にも見えるサッカーを目指すように、スタンドでも1人が2人、2人が3人の勢いを90分間続けることが求められるでしょう(今から体力をつけておかないと……)。
そして、これは私自身の話になるのですが、この日に関しては結果そっちのけでただ試合に酔っていたのが正直なところです。ついにJリーグに来ている、試合ができている、それだけでお腹いっぱいになっていたのは否めません。
ですが、クラブはJリーグで生き残るために、さらには勝ち進むために戦っていくわけです。次節にむけて気合を入れ直さないといけません。
夢の舞台にたどり着き、そこから第1歩を踏み出した高知ユナイテッドSC。クラブも、サポーターも、あえて言えば地盤となる高知県も一緒になって歩みを続け、成長していければ、そんな思いを強くした記念すべき日になりました。
おまけ。カンセキスタジアムで見つけた国体の炬火台。やっぱイチゴなんだ……