高知ユナイテッドSC、Jリーグ入りに向けた最後の難関。2024JリーグJ3・JFL入れ替え戦、Pikaraスタジアムでの第1戦は、クラブ初めてのJリーグ仕様のホームゲームとなりました。
第26回日本フットボールリーグを過去最高順位の2位で終え、Jリーグ入りに向けた入れ替え戦への出場権を得た高知ユナイテッドSC。J3で今季19位のY.S.C.C.横浜を相手に、J3の座が懸かるホーム&アウェーの2試合を戦います。
まずは、Jリーグ公式を見つつ、J3・JFL入れ替え戦の概要をおさらいしておきましょう。特にポイントとなるのは、アウェーゴールルールがないこと、J3クラブにアドバンテージがなく、2試合を終えて勝利数と得失点差が同じ場合には15分ハーフの延長戦、それでも決着がつかなければPK戦になることです。
そして第1戦は香川県丸亀市のPikaraスタジアムで開催。本来ならいつもの春野陸上競技場で行われるべきところ、この日は昼間にリレーマラソン大会が予定されていて使用できず、ナイターだと照明がJリーグ基準の照度に満たないそうで、近県でJ3の試合が開催できるスタジアムを間借りすることになりました。
第1戦は高知のホームゲームなのですが、掲揚台の中央にはためくのはJリーグのフラッグ。この日はJリーグの公式戦に準ずる仕様になっているのです。報道陣もJリーグのビブスを着ています。
久々に登場した気がするボールスタンド。試合の重要度を物語っています。
この日は普段の春野とはホームとアウェーが逆で、正面左側(バックスタンド右側)がアウェー席になっていて、横浜から駆け付けたサポーターが気勢を上げています。
となれば7日(土)の第2戦、ニッパツ三ツ沢球技場ではこれを上回る人数と声援を、われわれは揃えなければなりません。
対する高知側は普段の春野のゴール裏をはるかに上回る感じのサポーターが集結しました。そればかりか、Pikaraスタジアムを貸していただいたカマタマーレ讃岐に加え、徳島ヴォルティス、愛媛FC、FC今治のサポーターにもおいでていただきました。本当にありがたいですし、四国のJクラブに加わるからには、ここで無様な試合はできません。
って気合は入っていますが、それでも腹は減るものです。今回は高知と讃岐のスタグルが集まっていて、普段に輪をかけて昼食選びに迷います。
その末にまず選んだのは、藤屋本店さんの焼き小籠包(400円)。今回はオーソドックスに酢醤油にしましたが、追加で他のタレも付けることができます。
そして同じくハムカツバーガー(600円)。ご覧の通りハムが分厚く、食べ応え十分です。
さて試合前に、入れ替え戦の対戦相手であるY.S.C.C.横浜について。そもそもY.S.C.C.って何ぞね?というところから疑問だったのですが、Yokohama Sports&Culture Clubの略とのこと。クラブによれば、1986年の設立当初は中学生中心に活動、その後は今回対戦するトップチームを含めて規模を拡大するとともに、国際交流や学校でのキャリア活動、まちづくり活動にも取り組んでいるそうです。
「スポーツクラブ」を掲げる高知ユナイテッドSCにとっては、先輩とも呼べる存在のY.S.C.C.横浜(以下「YS横浜」。とはいえ、高知から悲願のJリーグ入りに向けて立ちはだかる相手たる以上、この2試合で倒さなければなりません。
試合が近づいてきました。本日のボールパーソンとストレッチャーベアラーは、高知中央高校サッカー部の部員の皆さん。高知からわざわざバスで来ていました。
そして選手入場です。JFL公式戦とは異なり、先導となるのはFair Playフラッグです。
続いて審判・選手入場。緊張感が高まります。
本日のスターティングイレブン。昼食調達で並んでいてメンバー発表に間に合わなかったのですorz
ちなみに、サブスティテュートも含めたメンバーは下記リンク先にて。
前半戦はYS横浜のキックオフで始まりました。ただこの日は両チームとも、思ったより滑るピッチに慣れるのに苦労します。
それでもJ3讃岐戦ではこのスタジアムで勝ったことのあるYS横浜。早速5分には右からのクロスにMF15番冨士田が頭で合わせ、先制点を奪います。
しかし、この日の高知はここから反撃に出ます。送り先に苦慮してのパス回しは鳴りを潜め、とにかく前へ前へとボールを送ろうと試みます。
そして33分、高知はMF16番上月が大きなサイドチェンジのボールを受け取ると、FW29番内田とともに最前線へ。そして最後はその上月がエリア真正面からシュートを突き刺し、同点に追いつきました。
高知のゴールを祝うスクリーンに、カマタマーレのマスコットさぬぴーが加わっています。ありがとうございます。
あと、このエントリはPikaraさんの回線でお送りしています。ありがとうございます。
その後も両者攻め合いますが相手を崩せず、前半は1-1で終了します。
ハーフタイム、香川の肉まんコロッケというのがあるので、食べてみました。確かに肉まんというか、もちもち感がありました。
後半は高知ボールで開始。早くからお互いシュートを放ちますが、得点には結び付きません。
タフな試合で選手の披露も気になる中、最初の交代のカードを切ったのはYS横浜でした。なのですが、個人的にはボードが電光掲示板で、INとOUTと両方の選手の背番号が表示されるのに目が行っています。こんなところもJリーグ仕様です。
一方の高知も、温存していた樋口を出すなどで、流れをつかもうとします。
この後も一進一退が続きますが、スコアは動かず。と書いたのですが、JFLやJリーグのレビューを見てみると、どうもYS横浜の攻撃が長かったみたいです。ただ、それを現場で見ていて感じられなかったのは、高知の守備は堅く安定していて、崩されたようには見えなかったからかも知れません。
そんな中で本日の入場者数発表。先週の最終戦を上回る、もっと言うと今季JFL公式戦平均も上回る3000人台となりました。
それだけ高知から応援に駆け付けた人がいるということでもありますし、先の通り四国や各地のクラブのサポーターがおいでてくださったということでもあります。あらためて感謝です。
そして試合はさらに続きます。何とか勝ち越したい両チームでしたが、YS横浜は高知のラインを崩せず、良い角度からのシュートがなかなか放てません。一方の高知も決定的なシュートまで持ち込めたものの、相手GK82番後東の渾身のセーブに阻まれます。
結局後半は両チーム無得点で、そのまま試合終了。第1戦は引分となりました。
最終スコア。高知はもちろん、四国のサポーターの前で勝ちたかったですし、勝てる可能性のある試合だったので、惜しくはあります。
ただ結果を除けば、本当に久しぶりに良い時の高知の試合を観た気がします。これなら第2戦はいけるんじゃないか、ピッチ上でもそういう感覚は生まれたのではないでしょうか。なので、焦りも悲観も全く必要ありません。
そして何より、この試合で高知ユナイテッドSCのJリーグ主催試合のイメージが少し見えた気がします。このイメージを高知に持ち帰るのが、目標の1つになります。
高知応援席に向かう選手たち。次の試合に向けて、あらためて気合を入れます。
この試合の結果、Jリーグ入りに向けた残る条件は1つ、J3・JFL入れ替え戦第2戦に勝つことだけになりました。引き分けはないので、とにかく勝つだけです。
入れ替え戦第2戦は12月7日(土)、横浜市はニッパツ三ツ沢球技場で15時キックオフ予定です。
そしてついに公式アウェーツアー開催。高知から応援バスツアーも組まれました。
吉本監督ゆかりの地で吉報を勝ち取るために、高知から、また首都圏はじめ全国から、三ツ沢に高知家の力を総結集できれば嬉しいです。私も参戦します。