"Mongolian and Northeast Asian Studies"(邦名『モンゴルと北東アジア研究』) Vol.9に当方の単著論文「高知大学学術基盤図書館『青木文庫』におけるモンゴルのシルクロード関連文献資料」が掲載されました。
昨年(2023年)夏の第16回ウランバートル国際シンポジウム「モンゴルにおけるシルクロード文化遺産」で研究報告を行ったことについては、以前のエントリでお伝えした通りです。
その際、報告について論文化すると記したのですが、無事"Mongolian and Northeast Asian Studies"(邦名『モンゴルと北東アジア研究』) Vol.9への掲載が決まり、このほど刊行されました。
高知大学学術基盤図書館(いわゆる「大学図書館」です)が所蔵する特別コレクションのひとつに、高知大学名誉教授でモンゴル・東洋史がご専門の故青木富太郎博士による蔵書や研究資料、調査記録や手稿等を収めた「青木文庫」があります。今回の研究では、その青木文庫のさまざまな資料のうち、シルクロード関連文献を選び出して紹介したものです。そうすることで、青木博士の業績と青木文庫の資料の価値をあらためて確認することが、本研究の目的です。
もっとも、今回の報告や論文で紹介できたのは、青木文庫の多種多様な資料のごくごく僅かでしかありません。今はまだ詳しいことを申せないのですが(って研究報告の時にも似たようなことを言っていましたね、済みません)、所蔵資料の研究はこれからが本番です。この研究を進めることで、モンゴル研究自体はもちろんのこと、日本のモンゴル研究の歴史についても資するところが少なからず出てくるのではないか、青木文庫を擁する高知大学に籍を置く研究者として、期待しているところです。
なお、本誌は残念ながら電子化されていないのですが、書誌情報はResearchmapに掲載しております。
また、本誌を出版している出版社の風響社がバックナンバーを自社サイト上で販売していますので、第9巻につきましても、まずはそちらをチェックされるのが良いかと思います。