このところの少雨で早明浦ダムの水位が下がり、旧大川村役場が水底から出現。これも高知の見るべき事実と思い、大川村のダムの畔へと行ってきました。
四国の水がめ早明浦ダム。ただこのところ雨がほとんど降っていないせいで、水位は下がる一方です。今日(2024年1月29日)の貯水率は59.2%、6割を下回っています。
そして、水位低下の影響で、ダムの水底に沈んでいる旧大川村役場が出現。水不足を印象付けるニュースが入ってきました。
早明浦ダムは高知県内にあるものの、水利権はほとんどないので、水が減ったからと言って大した影響はありません。とはいえ、30年前の大渇水を知る身からすれば、気にはなるものです。
そんなわけで、これも高知で見ておくべき現実だと思い、大川村まで行ってきました。
高知市内から峠を越えて、土佐町から大川村へ。ダム湖畔を上流に走るほど、水位の低さが目につきます。
そして1時間余り走ったところで、大川村「村のえき」結いの里にやってきました。このすぐそばで、かつての村役場が水面から顔を出しているとのことです。車を降りてダムの畔に立つと、それはあっさり見つかりました。
低く沈んだ水面の上、長方形のコンクリートの構造物。まちがいなく旧大川村役場です。一緒に来たカミさんはスイボツヤクバ様だ!と言うなり拝みはじめました。なんなんだ。
3階建ての建物の屋上が顔を出しています。湖の反対側、高台に建つのは大川小中学校です。
屋上がはっきり見えるようになった旧大川村役場。ニュースではたびたび見た光景ですが、実際見るのは初めてです。
天気予報では数日後から雨が続くようなので、その後は再び水底に消えるかも知れません。
これは高知に来てから知ったことなのですが、この旧役場庁舎、実は早明浦ダムの建設が決まった後に建てられたものです。国策によって村の中心部を沈めると勝手に決められ、その見返りもロクに与えられなかった大川村が、村を挙げてダム建設に抗議すべく、抵抗の象徴として建てたのが、この庁舎なのです。
渇水の象徴として半ばネタにされる旧大川村役場ですが、土佐人の反骨気骨の精神を表す面も有していることは、もっと知られていいのではないかと思っています。その精神を高知県民として現場で見ておいた方が良い気がして、物見遊山みたいに思われるのは承知の上で、ここに来てみたのです。
なお、結いの里からダム湖の水面まで階段があるにはありますが、こちらは通行禁止です。
おはようございます🌞
— 「でぃぐ!大川村」公式 (@digokawamura) 2024年1月26日
旧大川村役場を見に来られた際のご注意です⚠️
村のえき 結いの里の駐車場から下に階段があるところまでは降りていただけますが、その先は滑落の恐れがあり大変危険ですので絶対に立ち入らないようお願いいたします。
(※2枚目の写真で❌をしています) pic.twitter.com/2wOXugVQmU
水資源開発公団もJ-POPみたいなルビを振って注意していますので、ゆめゆめ水面に近づかないようにしましょう。
あと、こちらも注意した方が良いみたいです。
ところで、今回大川村に来たのはもうひとつ目的があります。村のえき結いの里で土日祝日だけ営業する食堂に行くことです。
村のえき結いの里は普段は直売所のみ営業していますが、土日祝日には食堂がオープンします。メニューは日によっていろいろ変わるので、事前にSNS等でチェックしましょう。
本日はメンチカツ定食のみ。鶏メンチカツが10個も入って1300円。お店の人いわく「フードファイター並」の量だそうです。
ただ食べきれなくても持って帰れるので、フードロスの懸念はなし。安心して注文します。
そして待つことしばし、やって来たメンチカツ定食は、はたしてすごい量でした。
メンチカツが10個入っています、じゃないです。10個積んであります。今見えている下にもメンチカツがあります。上げ底じゃないんです。
そして、何気にキャベツも大量です。
ご飯は大盛無料ですが、いくらなんでも無理なので普通にしました。ただ、普通でもこの盛り方です。ちなみに、後から来た人が大盛を頼んでいましたが、見るとご飯がしっかり山状に盛り付けられていました。
メンチカツと味噌汁のお椀を比べてみました。高さを実感していただけましたでしょうか。メンチカツの山です。
そんなメンチカツは鶏チーズで、外はサクサク中はフワフワ。これなら頑張れば食べきれるかな、と一瞬思ったのですが、メンチカツは美味しく食べるものであって、頑張って食べるものではありません。7個で打ち止めにして、残りは容器代10円を払って持ち帰ることにしました。
ちなみに直売所では100円でピーマンが詰め放題になっていました。よくあるサイズのビニール袋に100円で詰め放題です。
詰め放題のピーマンと旧大川村役場。本当はこれにさらに3個入っていました。肉厚なピーマンで、生でそのまま食べられます。
かつての役場ばかり見るのもどうかと思ったので、帰りに寄り道して今の役場も見ることにしました。
ダムの畔に張りつくように作られた集落の中にある今の大川村役場。最近改修されたのか、正面の作りが新しくなっています。
日曜日なので役場はお休み。村をかたどったと思われるボードだけが勤務中です。
振り返ってダムを見ます。湖に架かる橋の橋脚が、低まった水面まで長く伸びています。
橋を通れるのは、一度に自動車1両だけ。そんな長く小さな橋を、1日数本だけのバスが走っていきました。