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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2023年モンゴル訪問記録(7)(終)ウランバートルで食べたものの話

 

 今年夏秋のモンゴル訪問記録、最後は滞在中に食べたあれやこれやです。

 

 

 コンビニに日本の肉まんコーナーのようなものがありました。韓国資本なんですが、本国にもあるんでしょうか。

 

 

 ただし、売っているのはマントーン・ボーズといって、蒸した生地にタネが入っているものです。いろいろ種類はあったのですが、今回はオーソドックスに肉入りのものにしました。って、肉まんと言えば言えなくはない気もしてきましたが……

 

 

 同じコンビニでジャガイモ入りのピロシキも食べました。店で温めてもらえました。ウランバートルにも大手コンビニの文化が根付いたようです。

 

 

 ただ、個人的にはウランバートルのコンビニと言えばアイスクリームです。昔はキオスクや道端で買っていたのですが、今はすっかり減ってしまいました。キオスク自体はあっても、アイスを扱っていないところもあり、以前のようには買えません。

 こちらはモンゴル製のアイスです。小さいですが、どうせなら内国産のものを買いたいですよね。安いですし。

 

 

 昼食は市内のカフェテリアで。こちらはモンゴル国立大学近くのチェーン店です。分かる人には、食器を見ればどこの店か分かるかも知れませんね。

 この日はホイツァイ(野菜と肉のスープ)とビン(揚げパンの一種)にスーテイツァイ(モンゴル風のミルクティー)を頼みました。脂肪の塊が浮かんでいますが、これが良いんです。とくに冬場は脂肪をしっかり食べないと寒さに耐えられませんから、脂肪だけよけるなんてもってのほかなのです。

 

 

 こちらは別の日に食べたゴリャーシ(ハンガリー料理ゴヤーシュが流入したもの)とスーテイツァイなのですが、

 

 

 キミ、ずいぶん感じが変わったね。

 

 昔から知っていたゴリャーシは、塩コショウだけで味付けしてある羊肉の煮込みで、サイドにご飯が乗っている(そしてご飯の上にケチャップが乗せてある)のですが、ソースの味がする肉の煮込みへと変容しています。あとで考えてはみたのですが、注文間違いではないと思います。


 

 外食ばかりだと胃が重くなるので、夕ご飯はスーパーやコンビニ、商店で買ってきたものを食べることもあります。お店を見て回るのも勉強ですし。

 こういう時に必ずと言っていいほど仕入れるのが、ソーセージやサラミです。今回はパック詰めのものを買いましたが、たいていのスーパーにはいくつも連なったソーセージがあり、お客さんが備え付けのはさみで必要なだけ切って買っていくようになっています。

 

 

 こちらはヤクのチーズ。日本ではまずお目にかかれるものではないでしょう。こういうものを買って、冷蔵庫に入れておいて、何日かに分けて食べるのです。

 

 

 今やモンゴル国内産のビールはよりどりみどりになりました。そしてついにペールエールが登場(右)!べらぼうに高くもないので、試しに買ってみたところ、これが当たり。他国のものにひけを取らない、本格的な味わいです。

 

 

 ただ、こういうものばかり食べて飲んでいると野菜不足になってしまいます。とはいえ、できあいのサラダは量のわりにコストがかかるので、私は瓶詰め野菜を買うようにしています。

 ご存知の通り、もともとは肉食文化のモンゴル。瓶詰め野菜は社会主義時代に入ってきたもので、その名残か、学生時代は旧東欧諸国産のものが主流だったのですが、今はモンゴル国内のものも流通するようになりました。

 

 

 瓶詰め以外に、パック詰めの野菜も一般的になっています。

 こちらはニンジンサラダ。今ほど野菜が手に入らなかった時代からお馴染みのピクルスです。

 

 

 おやつに買ったボールツォグ。揚げドーナツのような感覚です。

 

 

 ホーショール(揚げ餃子に似た料理)もパックで売られるようになりました。インフレ続きのモンゴルにしては結構安かったので、話のタネに買ってみたのですが……

 

 リンチェン先生、食堂でフォークをもって座っている。

 「どうしたんですか?」とたずねると、

 「ホーショールを注文したんだ。皮がきたから、今は肉がくるのを待っている。」

 

 モンゴル語科の後輩に教わったオニゴー(アネクドート、小噺)を思い出しました*1

 

[前回エントリ]

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2023年モンゴル訪問記録・了

*1:オニゴーは基本的に口承されるものなので(今ならSNS空間で広まることも考えられますが)、伝わる過程でいろいろと変化が生じます。このオニゴーもいくつかパターンがあるようで、そのひとつはБ.ツェンドドー、山本裕子訳「政治の333オニゴー」『モンゴル研究』第20号、pp.93-131に採録されています。