ガンダン寺の参詣の後はお買い物。今回は国営百貨店に行ってから市内の食料品市場にも立ち寄るのですが、当ブログを以前からご覧の方、トップ画像を見て「国営百貨店ってこんな感じだったっけ?」「ってか違うよね」と思われたかも知れません。
で、実際こちらは国営百貨店ではありません。というのも、
百貨店の写真、今回撮ってなかったorz
何回もウランバートルに行ってると、毎回訪れるようなところは、当たり前過ぎて写真を撮るという頭が働かなかったりします。国営百貨店なんて最たるものです。ウランバートルを訪れるたびに買い物に来ているわけですし。
ただ、同行の家族にとっては初めての訪問、しかも買い物天国です(モンゴルでこんな言葉を使う日が来るとは……)。文章だけの地味なレポートになりますが、買い物自体は1時間近く、なんだかんだで買い込みました。
というわけで、先程の市場です。「メルクーリ」(水星)という名前のこの市場は市内中心部少し南にあり、国営百貨店からも歩ける距離です。
昔はこのような食料品市場がウランバートル各地にあり、私も日常的に世話になりました。ただ、スーパーマーケットが各地にできたり、ビル開発のあおりで撤去されたりなどして、昔ながらの市場は、今ではこのメルクーリぐらいしか残っていないのではないでしょうか*1。
そんな中でもこの市場が残っている理由は非常に興味深いところです。一つの仮説として、メルクーリは昔から輸入食品・食材に強かったので、その強みで生き残れたのではないか、というのが思い浮かびます。今のようにモノが豊富になかった頃は、ちょっと変わった食品・食材が欲しいときはとりあえずメルクーリに行ってみて、無かったら諦めるというぐらい、品揃えには信頼感があったのです(少なくとも私の中では)。今訪れても、生鮮品から加工食品から、モンゴルで絶対作ってないよねというものが市場のあちらこちらに並んでいます。時代は大きく変わりましたが、ウランバートルに住んでたら、やはり何かとこの市場に足を運んでいるんじゃないかと思ったりもします。
さて、メルクーリを最後に市内ツアーは終了。ホテルに戻ってきてみると、何やら賑やかです。年配の着飾った人々が大勢集まり、次々とエレベーターに乗り込んでいます。割と年配の人が多く、胸元に勲章を並べている人もいれば、モンゴルの民族衣装デールをまとった女性も見かけます。そんな人々で混み合うエレベーターに何とか乗り込み、いったん部屋に戻ることにします。
部屋のあるレストランフロアに着いてみると、朝食を食べたレストランでパーティーがはじまったばかりのようです。真正面にはこんな大きなスクリーンが置かれ、ライトで浮かび上がっています。そして、スクリーンを見ると「モンゴル国勲功教師」という言葉。どうやらモンゴルの政府から勲章を授与された教員の記念パーティのようです。
左がその勲章のイラストなんでしょうが、どうみてもモンゴル人民共和国、社会主義時代の国章です。この辺は昔の勲章のイメージが強いのか、あるいはいまだにこのデザインの勲章を授与しているのか、勲章というものに縁のない私には分かりません。
ともあれ、部屋で荷物をいったん降ろし、少し休んだ後で、周辺を歩いてみることにしました。そうする間にもパーティは進み、部屋を出てエレベーターホールから再びレストランを見てみると、今度はダンスが始まっています。ダンスと言っても年長世代の人が多いので、社交ダンスです。モンゴルの人は概して踊るのが好きで、田舎でも社交ダンスは楽しみの一つなんですが、こういうの話は聞くだけより実際見てもらう方が実感が断然違いますよね。僅かな光景ですが、着飾って踊りに興じる姿が、かえってモンゴルの人々の「素顔」を見せてくれたような気がします。
さて、散歩ついでに立ち寄ったのが、チンギス・ハーン・ホテルの隣にできたショッピングセンター、韓国に詳しい方ならきっとご存知のeマートです。本国では一度ならず買い物に行ったことがあるのですが、モンゴルで開店したのは今年のことなので、気になってはいたのです。先程の買い物ではお酒とお茶を買いそびれたので、ここで買っておきたかったのもあります。
中に入ると、いったん2階に上がってから降りていくという回遊ルートになっています。その2階は日用品や家具・家電などがあり、1階に降りると広い食料品売り場があり、その奥にカフェテリアが並んでいます。中にはeマートのPB商品や特売の商品もあり、メルクーリのような市場ばかりか常設の青空市に馴染んだ私など、どこかモンゴルにいてモンゴルにいないような気持ちになってしまいます。
そして見ると、売り場の真ん中にミツバチの着ぐるみがいます。どうもはちみつの販促のようです。
ミツバチです。大きくてパッチリした目は、ミツバチ以外のイラストでもまま見かけるので、これがモンゴル的感覚では「かわいい」のかも知れません。よく知りませんが。
そしてミツバチはマイクを思いっきり口に当て、こんにちはー、こんにちはー!と愛想を振りまいています。モンゴルの着ぐるみは喋るのか、と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、一般的にどうなのかは、私には判断できかねます。むしろそれよりも、私からすればモンゴルでこういう販促や呼び込みを見る日が来るとはついぞ予想しておらず、その方が余程衝撃的でした。
ともあれ、お酒もお茶も無事手に入り、主な目的は果たしました。このあとは大学院時代の友人と会い、夕食に赴きます。
ホテルから少し北側にある、友人お勧めのレストランに来ました。ここもモンゴル料理を手軽に食べられるお店です。
中に入ると、大モンゴル時代のユーラシアの地図と、何やら現代的なアートがあります。この取り合わせ、何なんでしょうね。
店の玄関にはwi-fiのマークも。ウランバートルは本当に便利になったものです。
店の中にはモンゴルの民芸品や遊牧民が使ってきた道具などが展示されています。特に目立つのはこちらで、ゲルにフェルトの幕をかけずに骨組みを示しているのですが、またも撮影失敗orz 済みません……
気を取り直して、モンゴル料理のセット。今回は骨付き肉が来ましたよ。いろんな料理はありますが、やっぱりヒツジやヤギの肉を骨から豪快に食べてこそ、気分が出るというもの。しかし、そんな肉に旗を立てる辺りは新発想と言えなくもない気がします。
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*1:あと残っているとすればドゥルブン・オールぐらいでしょうが、最近あの辺を歩いてないんで、どうなったか分からないんですよね……詳しい方情報求めます。