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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

目指すは次のステージ:高知ユナイテッドSC対ラインメール青森@春野陸(2022.11.20.)

 

 第24回日本フットボールリーグもついに最終節。目下5連敗中、相手は今季好調のラインメール青森ですが、このチームで戦う最後の試合、勝って終わりたいところです。

 

 

 

 今回はアクトランドのボンネットバスで春野に向かいます。路線バスの復活が見込めない中、来年もぜひ運行してほしいですからね。

 

 

 路線バスはうなりを上げて峠を越え、春野陸上競技場前へ。今回はお馴染みのスタグルや物販に並んで、選手が1年間育てた野菜や収穫したお米の販売会が開催中です。

 

 

 こちらがそれらの野菜。左から2番目にあるのはサニーレタスです。白菜じゃありませんよ。見たこともない大きなサニーレタスです。これが200円。

 せっかくなのでこのサニーレタスと、ビーツを買うことにしました。日に日に寒さが増すこれからの季節、ウクライナ料理(超重要)のボルシチが捗ります。

 

 

 こちらはNTT西日本さんのブース。災害用伝言ダイヤルのPRだそうです。

 

 

 公衆電話が置いてありました。示された番号をプッシュすると(ダイヤルすると、と書きかけて消したのはナイショ)、隣の黒電話が鳴ります。

 というと大したことないように思われるかも知れませんが、今の子どものほとんどは公衆電話をかけたこともなければ、見たことすらないはずで、大災害に備えてあえて使い方をレクチャーしておかないといけないのです。

 

 

 隣には災害用伝言ダイヤルの体験用の電話がありました。私も存在は知っていますが、いざという時に使える自信はないので、実際に試してみる機会は大事です。

 

 

 そして、こんなキャラクターがいることも知りませんでした。

 なお下の方で一部切れていますが、メッセージを録音する際のポイントは、自分の名前、体の状態、今いる場所、伝えたいことの4つがポイントとのこと。言われてみればそうですね。

 

 

 そろそろ入場。これまでは誕生月の選手やスタッフを紹介していたボード、最終節ということで、1年間を振り返る写真展示になっていました。

 

 

 こちらも今期最終のウェルカムボード。

 ……そうです。シーズン終盤になると選手の去就が次々に発表されます。来季も契約継続という話もある一方、どうしようもないことですが、契約終了で退団という話も出てきます。

 高知も多分に漏れず、JFL昇格の立役者DF藤﨑をはじめ、既に4人の選手の契約終了が公表されています。毎年のことというのに、これだけはどうしても慣れられません。

 

 

 とはいえゲームはあります。今回はやみつきポテトと焼き鳥とサワーを買ってスタンドへ。運転しなくていいというのはありがたいものです。

 

 

 いつもはゴール裏を埋め尽くす横断幕。ただ今日はバックスタンドに、今季での契約終了が決まった4選手の幕が集められていました。

 

 

 そして、藤﨑の退団が明らかになってから作られたはずの応援幕も。

 地域チャンピオンズリーグを共に戦った選手が、どんどん少なくなっていきます。せめて横竹がいる間にJ3入りを決めたいと願うばかりです。

 さて、この試合のスタメンが発表されました。こちらでは両チームのtwitterからご覧ください。

 

 

 

 

 両チームの選手が入場してきました。当たり前ですが、青森にとっても、このメンバーでの最後の試合です。

 

 

 本日の先発。饗庭が出場停止になり、唯一のフル出場は叶いませんでした。

 

 

 試合前のコイントス。高知は藤﨑をゲームキャプテンに立てて臨みます。

 そしてコイントスの結果、藤﨑は風上から攻撃すべくピッチ交換を選択。点を取りに行く姿勢をあらわにします。

 

 

 というわけで、前半は青森のボールでキックオフ。

 高知は早々にボールを奪うと、意図通り攻撃を次々に仕掛けます。ただなかなかシュートが枠を捉えられません。フラストレーションの溜まる展開の中、11分にはFW8番西村勇が、19分にはDF26番中田が、それぞれイエローカードを出されてしまいます。

 

 

 そんな中、青森が徐々に攻撃の場面を作ります。高知のゴールエリアに近いところでは、MF41番村越のロングスローでゴールを脅かしにかかりますが、こちらも決定機を作り切れません。

 

 

 結局0-0で飲水タイム。やや青森が押し気味の展開です。

 そして再開後の34分、高知は自陣ゴールエリア左側で痛恨のファウル。青森にPKを与えてしまいました。

 

 

 この場面を任された青森FW48番ピットブルは落ち着いてボールを蹴り込み、青森が先制しました。

 

 

 その後はお互いの攻め合いになります。高知は終了近くに西村勇が鋭いシュートを放ちますが、GKに阻まれ得点ならず。結局0-1で前半が終わります。

 

 

 ハーフタイムはチアダンスに続いて、小学生以下の子どもに配っている無料入場パス「ドリームパスポート」の皆勤賞発表です。

 平日昼間の代替試合もあったりしたので、その辺を除いた全試合に来た子どもたちに、パスポートのスポンサーのセントラルさんから商品が贈られました。

 

 

 後半は高知ボール。風下からの攻撃になりますが、言うほど風も強くないですし、四の五の言っている場合ではありません。とにかく追いつきたい高知は何とか攻撃を続けます。

 

 

 しかし53分、青森は中央からパスでつないで高知守備を突破し、最後はFW9番重田がエリア手前からシュートを決めて2点目を奪います。

 

 

 2点差を負った高知は反撃の糸口をつかもうとボールを前に送ります。ただ決定的な場面は作り切れず、シュートも枠外に流れていき、点差が縮まらないまま飲水タイムに。

 

 

 再開後しばらくして、入場者数が発表されました。

 状況が状況なので言うほどの入りはないだろうと思っていたら、まさかの4ケタ。最後の最後で、チーム状態に関わらずに来てくれる人を増やせることが分かりました。

 来季のホーム開幕戦、この1136名にどれだけ戻ってきてもらえるか、またその倍以上の人々をスタジアムにどう呼び込むのか。今から考えないといけないことです。

 

 

 そのためにも試合の流れを変えたい高知でしたが、何度も攻めながらもゴールが割れません。

 結局、試合は0-2でフルタイム。6連敗でのシーズン終了となってしまいました。

 

 

 最終スコア。

 選手もベンチも何とか勝とうとしていたのは間違いありません。ですが終わってみれば、決めきれない攻撃、相次ぐ不用意なファウル、ちょっとしたスキを突かれる防御等、課題があらためて露呈した試合になりました。

 もっとも、スタンドの側も基準に遠く及ばない入場者数で終わってしまったわけで、課題が突き付けられたのはサポも同じ、と思っておいた方が良さそうです。

 

 

 試合が終わり、シーズン終了のセレモニーに移ります。

 

 

 まずは武政社長の挨拶。

 

 

 そして吉本監督の挨拶です。百年構想クラブ認定とJ3ライセンス交付、Jリーグに入れるクラブであることを認められながら、今季の入会を果たせる力がなかった悔しさが、どちらからもにじみ出ています。

 

 

 そして高知で最後となる試合を終えたゲームキャプテン藤﨑の挨拶です。

 

 

 高知でのサッカー生活を終えることになってしまった寂しさと辛さ、今季の自身に対する悔しさ。涙で詰まる言葉から、とめどなく溢れてきました。

 

 

 高知ユナイテッドの2022年レギュラーシーズンはこれで終了です。ファン感謝デーが終われば、今季のチームも解散となります(私は先に予定を入れてしまったので行けないのですが……)。

 そしてそこから、それぞれの新しい歩みが始まります。来季でのJ3入り条件達成を目指すクラブ、そこに残る人々、去る人々、新たに加わるまだ見ぬ人々。

 目指すは次のステージ。しかし、そのステージはみんな同じものではありません。

 ならば、たどり着いた先で、笑って再び会うことができれば、と願うばかりです。