3710920269

「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

壊せた壁と次の壁:高知ユナイテッドSC対鈴鹿ポイントゲッターズ戦@春野陸(2022.9.11.)

 

 高知ユナイテッドSC、今回の相手は三浦知良選手の加入で話題の鈴鹿ポイントゲッターズ戦。昨年に続く和建設さんの協賛試合にもなり、ギネス挑戦等企画もいっぱいの試合を観に来ました。なお当方帰国後PCR・抗原検査双方で陰性を確認しております。

 

 

 

 この日は13時頃に春野総合運動公園の駐車場がほぼ満車という知らせがあったので、臨時駐車場となっている高知競馬場第3駐車場に行きました。

 ここからはシャトルバス利用です。はたしてどんなバスが来るのか。

 

 

 こんなのでした。そういえば、来しなに同じくとさ自由学校の大型バスとすれ違ったので、そちらもシャトルバスになっているのかも知れません。

 どういう経緯でチャーターできたのかは分かりませんが、無料なので運行する分には問題ないということでしょう。

 そしてバスが着いたのは春野総合運動公園の第2・第3駐車場。陸上競技場までは私の足で5, 6分ほどの登り坂になります。この時は、競技場の近くまで行ってくれればいいのにと思ったのですが……

 

 

 ともあれ、競技場前に着きました。場内には和建設特設ステージが設けられ、よさこいチームが次々と演舞を披露しています。

 こちらは今月9月の選手紹介です。真ん中の深井の雰囲気がなんか違います。

 

 

 席がどうなるか分からないので、早々に入場しました。和建設協賛試合、「わっと驚くマッチ」のロゴが大きく掲げられています。

 

 

 アウェー側バックスタンド。鈴鹿近辺からもサポーターが駆けつけています。

 

 

 選手の応援幕。もちろんカズの名前も、他の選手と同じように出ています。

 

 

 スタンドから大きな拍手が上がったと思ったら、高知の選手がウォーミングアップに出てきました。正直、カズ目当てのみの観客も多いのではと思ったのですが、ホームチームにちゃんと応援を送っています。

 

 

 本日のスタメン。まずは鈴鹿から。

 

 

 サブにはカズの名前も。Jリーグ初試合もドーハの悲劇も、ジョホールバルの感動も知っている身からすれば、途中出場への期待を抱かずにはいられません。

 そしてホーム高知の出場選手です。この日は樋口が先発に回っています。

 

 

 

 フィールドではカズがウォーミングアップ中です。いろいろ書いたものの、実際に見るのは初めてかも知れません。

 

 

 ほかの選手と同じメニューをこなしています。同じなのです。

 

 

 それでも、アップを終えて下がるときには、スタンドから拍手が上がります。それに手を振ってこたえるキング。

 

 

 この日は濵田知事から応援メッセージが届きました。本来は来るはずが公務が入ってしまったとのことです。

 

 

 こちらは岡崎市長。しかしこの試合、もとは球技場で開催予定だったんですよね。

 

 

 この日は試合前に、1時間以内につけた足形の数でギネス記録を狙うイベントが行われました。ここでは仮の結果発表で、人数自体は記録を上回ったとのこと。これから審査が行われ、結果はハーフタイムで示されるとのことです。

 

 

 続いて和建設中澤社長のご挨拶。学部でもお世話になっております。今年こそはチャレンジマッチを勝利で飾りたいところ。

 

 

 そして両チームの選手が登場しました。実は鈴鹿とは相性が良くない高知、今回こそ初勝利なるか。

 

 

 コイントスの結果、高知がサイドチェンジを決定。鈴鹿ボールで試合前半が始まりました。

 

 

 するとこの日は早々に高知が先制。前半12分、右から28番山田がクロスをエリアまで入れてきたところを相手選手がクリアしきれず、ボールは9番赤星に。その赤星がゴール正面に蹴り込んだところ、16番稲積がワンタッチで押し込み、ゴールを奪いました。

 

 

 ただ、ここからは高知が攻めあぐねます。相手ボールの場面で高いポジションの5バックで押してくる鈴鹿の圧力に対してパスの出し所をなかなか見つけられず、裏を取ったと思ったらオフサイド。1-0で前半の飲水タイムとなりました。

 

 

 再開後は高知が攻める場面を作りますが追加点は奪えず、終了間際には逆に鈴鹿がセットプレーのチャンスを得ますが攻め切れません。結局前半は1-0で終わります。

 

 

 ハーフタイム。足形で作った絵が披露されました。木造戸建住宅を多く建設する和建設だけに、木への感謝と森林保護を示す絵になった、というところです。

 そして、審査結果の発表です。

 

 

 結果は審査合格!ギネス記録樹立、場内も盛り上がります。

 この後は抽選会も行われて、後半に移ります。鈴鹿は選手を2人代えてきましたが、まだカズの出番はありません。

 

 

 後半開始。ここからはお互い攻め合いになりますが、守備陣が身体を張って失点を防ぎます。

 

 

 そんな中、次の1点を取ったのは高知でした!70分、高知は途中出場の26番中田が左サイドでロングパスを通すと、これを受けた16稲積がさらに攻め上がってシュート。これは相手GKがはじきますが、この間にゴールが空いてしまいます。

 ここでこぼれ球を拾ったのは6番田尻。落ち着いて無人のゴールにボールを流し込み、自身初ゴール成功で2点目を奪います。

 

 

 ここで後半飲水タイム。その後はお互い選手交代が続きます。

 そして、ついにユニフォーム姿で現れたあの男に、スタンドからの注目が集まります。

 

 

 キング・カズJFLでは初めて春野のピッチに立ちます。

 出場前には高知吉本監督と握手。横浜FC時代にはチームメイトだったそうです。

 

www.daily.co.jp

 

 

 81分、鈴鹿は6番上田に代えて11番三浦を投入。反撃を狙います。

 

 

 当然出場最年長記録を更新、得点すればJFL初ゴールの三浦。すぐにでもシュート可能な位置でボールを待ちますが、高知もやすやすとパスを通させません。

 私からしても、2点リードしているとはいえ怖い相手です。簡単にゴールさせるわけにはいきません。何がキングや、こちとら知人がハーンの末裔や、という気概で臨みます←自分事じゃないだろ

 

 

 そして本日の入場者数が発表されました。誰だ3304人じゃないのかって言ったの。

 

 

 この後高知は危ない場面にも遭いましたが、5番饗庭を中心に守り切ってフルタイム。春野陸上競技場では久々の勝利となりました。

 

 

 というわけで、勝利の記念写真(笑)

 

 

 一方、敗れはしたものの最後まで得点を狙い続けたカズ。声援に応えて爽やかにピッチを後にします。

 

 

 試合後の勝利監督インタビュー。テレビ中継できっちり勝利を届けました。

 

 

 続いてはゲームキャプテン横竹。在籍7年目、チームの中心選手としての紹介です。

 

 

 ヒーローインタビューは1ゴール1アシストの稲積。この後当然MVPにも選ばれ、久々の焼き肉お食事券と高級外車(新車!)1週間無料試乗権をゲットしました。

 

 

 そして和建設の「わっと驚くプレー賞」には、2点目を獲った田尻が選ばれました。決してオフェンシヴな選手ではないので、確かに驚きと言えば驚きですね。

 

 というわけで、苦手としてきた鈴鹿相手に2-0で勝ち、これで高知は連勝です。観客動員は最多更新、ギネス記録も樹立しました。カズのプレーも見ることができ(個人的にはフォワードとしての位置取りが勉強になると思っています)、観客もテレビ中継を見ていた人も多くが満足したことでしょう。

 私もそうなのですが、ただ同時に危機感も覚えました。正直、これはマズいぞと。

 というのも、観客動員です。J3加入を考えれば、この日は5000人でも足りません。他の試合で「目玉」らしいものがないことを考えれば、この日の入場者数は必要の半分にも足りているか怪しいレベルです。

 一方、それにもかかわらず、公園内の駐車場は満杯。付近の自販機は軒並み売り切れと、ロジスティックスの不安を感じさせました。

 特に帰りのシャトルバスは公園からの渋滞に巻き込まれ、なかなか進めません。もっとも、園内の入口付近の出発だったからまだマシで、陸上競技場前まで入っていたら、もっと大変になっていたでしょう。競技場まで距離を取ったのは賢明な判断でした。

 とはいえ、交通・輸送面での問題はハッキリしました。オンデマンドタクシーの拡充、さらには他の公共交通をどう整備するのか、すぐに解決は不可能とは思いますが、それでも今から考えないわけにはいきません。

 観客動員3305名。これは満足すべき到達点ではありません。今後を考えれば、この規模の動員が当たり前、あるいは少ないぐらいにならないといけないのです。

 そのためにも、動員数を増やすための方法とともに、数千人、場合によっては1万人以上に対応できるだけの態勢作りは急務です。

 春野陸上競技場での勝利という壁は壊せました。しかし、J3入りのために立ちはだかる壁は、びくともしていません。むしろ厚さを増しています。

 この点、クラブでも考えていないはずはないでしょうし、次回9月23日のティアモ枚方戦、今回を上回る観客に難なく対応できるところを見たいと思います。