当方がアドバイザーを務めた令和2年度外務省ODA評価モンゴル国別評価 (第三者評価) の報告書が公開されました(アドバイスができたとは言ってない
外務省では政府開発援助(ODA)の第三者評価を定期的に実施していて、昨年度はモンゴル国に対する援助について、評価が行われることになりました。
この評価で、本当の本当に僭越ながら、当方がアドバイザーを務めることになり、評価活動に参加させていただきました。その結果をまとめた報告書が、このほど外務省ウェブサイトで公開されました。
今回は2010年度から2019年度までの日本の対モンゴル国援助が評価対象です。もっとも新型コロナウイルスによるパンデミックへの対策で、モンゴルが国境を閉鎖しているため、現地での調査活動は不可能で、オンラインでの聞き取りや統計資料・データ・文献調査が主となりました。
……と書きましたが、これらを私が行ったわけではありません(汗)。あくまで第三者による評価チームが主体として実施して、当方はその成果について、地域研究者の観点から、またモンゴル語資料に基づく知見から、口を挟ませていただいた、ということです。
ODAや途上国援助についてはさまざまな意見があり、当方も一般市民の意識について、かつて調査データ分析から検討を加えたことがあります*1。
一方で、そのような意見がODAへのより深い知識と理解に基づいたものになるには、「プロの眼」による詳細な評価とその成果の公開が必要です。また、日本のモンゴルへの関心が着実に高まっている(と思う)だけに、日本とモンゴルの関係を考え、より良い将来を展望するためにも、このような取り組みがさらに知られるようになればと思う次第です。
なお、評価については外務省ウェブサイトODAコーナーの下記リンク先のうち、実施案件リストから報告書と別冊資料がご覧いただけます。
英語版が必要な方は、以下からどうぞ。"Evaluation of Japan’s ODA to Mongolia (Third Party Evaluation) (March 2021)"というのが当該の英語版です。
それにしても、こういうところに名前が載ると、自分の名前が自分のものでないような不思議な間隔がするものです(苦笑)
*1:湊邦生(2008)「途上国援助に対する日本人の意識と行動-JGSS-2006 データからの検討-」『日本版General Social Surveys 研究論文集JGSSで見た日本人の意識と行動』7:57-67。