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地域系学部というのに加わった大学教員による高知発モンゴル発のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

『モンゴルと東北アジア研究』第5巻に論文が掲載されました

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 先月末刊行の『モンゴルと東北アジア研究』第5巻に拙稿"Unseen Khalkh(yn) Gol, Unseen Mongolians? “Nomonhan jiken” in Japanese Mangas"が掲載されました。ノモンハン「事件」に関する日本のマンガの描写を検討したものです。

 

 

 以前のエントリで、2019年の第12回ウランバートル国際シンポジウムで研究報告を行った旨お伝えしました。 

 

www.3710920.com

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 その内容をまとめた論文"Unseen Khalkh(yn) Gol, Unseen Mongolians? “Nomonhan jiken” in Japanese Mangas"(日本語タイトル「見えざるハルハ河、見えざるモンゴル人? 日本のマンガにおける『ノモンハン事件』」)が、このほど『モンゴルと東北アジア研究』第5巻に掲載されました。

 タイトルの通り、本論文は日本の4つのマンガ作品を取り上げて、日本のマンガにおいて「ノモンハン事件」がどう扱われてきたのかを論じたものです。

 ここであえて「事件」という、今や旧くなった表現を用いたのは、本論文がこの戦争のマンガでの描写に止まらず、日本におけるこの戦争への理解を浮かび上がらせることも試みたものであるためです。そして、日本においてこの戦争が長らく「事件」として理解されてきたことは疑い得ないことから、その理解を明確に示すべきだと考えたためです。

 さて、本論文で取り上げたマンガ4作品は、トップ画像に示したものです。このうち『ゴルゴ13』のエピソードについては、だいぶ前にもエントリを書いています。

 

 

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 今回は上記エントリとは別の視点で研究を行っています。それは「作品における『モンゴル(人)』の不在/存在」というものです。この点につきましては、上掲のエントリのうち「第12回ウランバートル国際シンポジウムで研究報告を行いました」で述べましたので、あえては繰り返しません。

 ただ、論文では発表の際の内容だけではなく、今後に希望を持たせる議論を最後に追加することができました。この戦争についてどのような態度を取るにせよ、「自分たち」の側の視点だけではなく、交戦する側の視点を持とうとすることは決して不可能ではない、という希望です。

 それがいかにして可能になっているか、議論の当否につきましては、ぜひ本論文をご一読いただいた上で、ご判断いただければと思います。