JFLが幡多にやってきた!第22節、高知ユナイテッドSC対鈴鹿ポイントゲッターズの試合が宿毛市総合運動公園陸上競技場で開催、私も泊りがけで観に行ってきました。
宿毛市は東西方向に長い弧を描く高知県の西端に位置します。高知市内からでも鉄道・車で2時間以上はゆうにかかるところです。
あ、念のため言っときますけど飛行機とか電車とかないですから。鉄道だと一部を除いて途中から鈍行です。車も高速があるのは途中までです。それもほぼ全区間対面交通です。
というわけで、開催日程を最初見た時は驚きました。ただ、普段なかなか行けないところです。幸い第2波も収まりつつありますし、県外に出るわけでもない。ってか「県内観光再開」とかぶち上げておいて何もしてないのってどうよ、というのもあり、泊りがけで出かけることにしました。
宿毛に前日入りして、早くから競技場へ。1時間以上前なのに、入口前にはで店がいろいろ並んでいます。
まだ夏の名残を感じる快晴の空の下、いくつものテントが並んでいます。J1やJ2ほどではないかも知れませんが、以前今治で見たJFLの賑わいが高知西南の端までやって来たのです。これが見たかったんですよね。
宿毛市の名産品の試食販売コーナー。醤油は蒲鉾につけて頂きました。
ほかにも黒きびや土佐の伝統調味料ぬた、保存食のラスクなどなど。いろいろあるもんですね。
ちなみに、この日は出店のスタンプラリーが開催ちされていて、気がついたらあっさりスタンプ獲得。3個スタンプを集めたら抽選会に参加できるそうで、
賞品ゲット!FC特典の招待券にも限りがあるので、これは助かります。
スタグルもいろいろ出ています。たこ焼きひとつをとっても地元の宗田がつおでだしをとっていて、とにかく地場のものがいろいろあります。
私はと言うと、すくも豚のチョリソーを買ってみました。ピントがずれて済みません……
ただこれだけでは寂しいので、あとでデザートももらいます。
検温と消毒を済ませてスタンドへ。支援企業のパネルがゲートに立っています。
そしてやってきました競技場。まだ暑い中ですが、ピッチは十分整っています。
芝生席はバックスタンドだけでもなく、両ゴール裏にもあります。収容人数からすれば、J3までも開催できそうです。
ひるがえる、というには大人しいですがそれはまぁ良いとして、JFLと両チームの旗。四国の西南端に全国リーグ、アマチュアなら最高峰のリーグがやってきたのです。
流石に電光掲示板とはいきませんが、スコアボードと時計もあります。
そしてその近くには、本日のアウェーチームである鈴鹿ポイントゲッターズのバス、通称ポゲバスが駐車中。三重県は鈴鹿から、このバスで10時間ぐらいかけてやってきたそうです。ようおいでてくださいました。
鈴鹿ポイントゲッターズは高知ユナイテッドSCと同じくJリーグ入りを目指すクラブです。JFLへは2019年シーズンから参戦、以前は鈴鹿アンリミテッドという名称でしたが、今シーズン開始に際して今の名前とロゴになりました。
この名称とロゴだけでも人を食ったような感はありますが、他にもJFL昇格権を争う地域チャンピオンズリーグの組み合わせ抽選でマスコットにくじを引かせたら死の組に当たって敗退したり(ちなみにマスコットは活動終了)、JFLに昇格したらリーグで初めて女性監督に就任してもらおうと、まずはgoogle検索から始めたり、といった実績があります。
そして、今はチームの名の通り、クラブもサポーターもポイ活に励むなど、こう言っちゃなんですが、ある意味はっちゃけたチームです。で、こういうノリ結構好きだったりします。
とはいえ試合は試合。むしろこちらが勝ち点をゲットさせてもらわないといけません。
その試合ですが、直七のかき氷があるというので並んでいたらまぁ時間がかかり、スタンドに戻った瞬間にキックオフでした……ただかき氷は美味しかったです。
さて、試合は前半から攻守が頻繁に入れ替わる展開になりました。お互いに当たりも激しく、鈴鹿は前半時点でたくあんを2枚喰らうほどです。
ただ両チームとも決定機を奪いきれず、前半はスコアレスで終了。後半に期待を抱きつつ、これまでの敗戦でも善戦はしていただけに、不安も頭をもたげます。
その後半は鈴鹿のキックオフでスタート。開始当初は鈴鹿が攻勢に出ますが、しのいだ高知が流れをつかんでいきます。
そして54分にゴール!高知19番赤星が正面左側からボールを押し込み、先制点を奪います。
しかし鈴鹿もすぐさま逆襲に出ます。60分には16番小口がシュートを放つと、ゴールポストが何とか当てたものの防ぎきれずにボールはゴールへ収まり、同点となります。
この後は両チームの攻め合い。互いにチャンスを作りますが、あと一歩のところでゴールが奪えません。
しかし83分、高知が均衡を破ります。ゴール前での競り合いからボールを得た3番藤﨑が蹴り込み、待望の勝ち越し点を手にしました。
この後も攻め合いが続き、試合はそのまま4分のアディッショナルタイムへ。鈴鹿の猛攻に高知が耐え、時計が進んでいきます。
しかし、終了間際の90+4分、高知ゴール前での競り合いから流れたボールを鈴鹿14番蓮沼が奪ってゴールへ。土壇場で鈴鹿が同点とします。
その後は時間もほとんど残っておらず、2-2でフルタイム。目前だった初勝利が消え、高知の選手は落胆を隠すことができません。
試合終了。高知は連敗を止めたものの、鈴鹿が勝ち点1を持って帰ることになりました。
勝ち点3が……JFL昇格初勝利で歴史の証人になるはずが……
ただ、それでも収穫があったことを否定してはいけません。結果はどうあれ、高知のチームがスタンドを盛り上げられる試合を見せられた、とは言えるでしょう。
また、この日発表された観客数は850人。子どもたちの無料招待もあったとはいえ、初めてのことでどればぁ来るか気になっていたので一安心です。実は競技場に来る前、宿泊先でユナイテッドのTシャツを着る人を見かけましたし、競技場でも知った顔を何人か見かけるなど、県内遠征組も少なからずいたようです。
試合内容も含め、この日観戦に訪れた多くの人に、次また来たいと思わせることには、かなり成功できたのではないか。そう感じるには十分な機会でした。
もっとも、今の話は感覚レベルの話です。宿毛では来月18日にヴェルスパ大分戦が控えています。試合自体はもちろんのこと、はたして観客数がどうなるかが注目されます。と言いつつ、私は観戦できないのですが……