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地域系学部というのに加わった大学教員による高知発モンゴル発のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

BRTで盛到着(2019早春の東北一周No.9@いわて)

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 相変わらず強風吹きすさぶ陸前高田の停留所に、下りのバスがやって来ました。このバスで盛まで行けば、いよいよ三陸鉄道です。

 

 

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 バスは定刻より3分遅れで陸前高田を出て、盛に着いた時には8分の遅れになっていました。この区間は専用道がないところが多いので、どうしてもダイヤは道路事情に左右されます。ただでさえ鉄道より時間のかかるバス輸送の泣き所です。

 

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 ともあれ、JR盛の停留所には着きました。ここで三陸鉄道に乗り換えます。

 

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 その三陸鉄道の駅舎はJRの建物のすぐ隣。大震災の前から駅の施設はJRと共用していて、今もBRTの乗り場と三陸鉄道のホームは同じ構内にあるのですが、きっぷ売り場と改札は分かれています。

 駅に架かる横断幕には「163キロ開通」とありますが、全く新しい路線ができたわけではありません。もともと三陸鉄道は、この盛から釜石までの南リアス線宮古から久慈までの北リアス線という2つの路線で営業していました。両線は直接つながっておらず、宮古から釜石まではJR山田線が結んでいたのです。

 ところが、東日本大震災で盛から久慈までの鉄道も大打撃を受けます。後に三陸鉄道の路線は徐々に運転を再開していったのですが、宮古・釜石間は多分に漏れずJR東日本が鉄道ではなくBRTで復旧する方針を打ち出します。ところが地元自治体はこれに反対、運転再開のめどが立たないまま、路線バスによる代替輸送が続けられることになりました。そして長い話し合いを経て、JR東日本の支援と三陸鉄道の路線引き受け、さらに沿線自治体が鉄道施設の保有と管理を行う「上下分離方式」の導入による鉄道での復旧が決定。そしてこのほど、8年ぶりに宮古・釜石間の鉄道がよみがえったのです。また、宮古・釜石間の移管によって一本につながった三陸鉄道の路線は「リアス線」としてひとまとまりになり、日本一長い第三セクター路線に生まれ変わりました。

 

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 盛の駅舎の近くには、三陸鉄道の発足を記念する小さな石碑があります。以前にも書きましたが、三陸鉄道自体は特定地方交通線国鉄再建法によって廃止対象となったローカル線)を引き受ける第三セクター鉄道として、日本で初めて誕生した企業です。なので、日本最古の存在が最も新しい路線を営業するという、なかなか珍しいことが起きているのです。

 

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 盛の駅舎に入ると、大船渡市のみならず三陸各地で名物のサンマのグッズにホタテの貝殻、壁一面がなかなか賑やかなことになっています。

 

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 さて、三陸鉄道は北海道・東日本パスが使えないので、別途きっぷを買う必要があります。端から端まで乗り通すので、運賃は最高額の3,710円。この辺で期待する向きが出てくるかも知れませんが、「あの数字」絡みの金額はありませんので悪しからず。

 ただ、そんなことを言ってる場合じゃなくなりました。折からの強風で列車が止まってしまい、乗るはずだった列車が運転できるか分からなくなったのです。風の影響に弱いという、今度は鉄道の泣き所に直面してしまいました。

 その後、盛に来る列車は何とか運転を再開したとのことですが、折り返しがどうなるかはいまだ分からず。事ここに至って、できることはただ一つ。待つことです。

 

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 とりあえず駅の中をいろいろ見てみることにします。第三セクターの多くが鉄道事業での赤字を埋めるため、いろいろなグッズを販売しています。特に三陸鉄道は大震災の打撃から立ち直る必要もあり、キャラクターグッズには力が入っていて、ここではすみっこぐらしに鉄道むすめのクリアファイルが並んでいます。

 ちなみにこちらの久慈ありすたんは名前の通り、元々は北リアス線のキャラクターで、旧南リアス線のキャラクターは釜石まなたんだそうです。こんなところにも路線統合の効果と言うか影響が出ていますね。

 

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 ……ええと、こちらは分かりません。無理です。済みません。

 そうそう、三陸鉄道には男性キャラもいますので、お好きな方はどうぞ。

 

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  さて、そういう間に盛までの列車が到着し、乗客が下りてきました。折り返しの列車は本来宮古行ですが、とりあえず釜石までは運転するとのこと。こういう時は前進あるのみ、迷わず乗ることにします。

 

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 釜石から久慈までの列車運転の願いも込めて、通しのきっぷを買いました。ただしこちら、普通のきっぷではありません。片道、つまり引き返しさえしなければ途中下車は自由、しかも料金は通常の運賃と一緒という優れモノなのです。もともとこちらを買うつもりだったのですが、これから釜石や宮古で長時間待機の可能性が出てきたとなると、増してこのきっぷの価値が出てきます。

 

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 三陸鉄道盛駅のホームに入ります。向こうはJR大船渡線のホームだったはずですが、今はBRT用に舗装されてしまっています。

 

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 車止めの向こうにも小さなホームがあります。実は、かつて盛駅にはJRと三陸鉄道の他に、岩手開発鉄道というローカル線のディーゼルカーも乗り入れていました。こちらは盛から内陸の岩手石橋というところまで旅客営業を行っていたのですが、20数年前に廃止。今は貨物線としてのみ営業しているのですが、当時のホームが今も残っているのです。

 

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 ただ、小さなホーム跡とは対照的に、広い構内でいちばん幅を利かせているのが、岩手開発鉄道の貨車たちです。石灰石輸送が盛んな路線で、かつ大震災からの復旧も一番早かったそうで、盛駅の主は、むしろ彼らかも知れません。

 

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 こちらは機関車にも見えますが、厳密には構内作業用の輸送機械。貨車を引っ張る機関車はもっと大型のものなのですが、残念ながら今回はダイヤが合わず、見ることができません。

 

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 三陸鉄道の車庫は、駅から奥まったところにあります。先程到着した列車もいったん車庫に戻っていて、まだ出てくる気配はありません。

 車庫の手前にある信号は、三陸鉄道のものが左側、かつてのJR大船渡線のものが右側。しかしBRT化で用済みとなった右側の信号は、十字で塞がれています。廃線や線路撤去後の跡地で、これまで何度となく見てきたものです。

 相変わらず寒風吹き付ける盛駅。列車が入ってきてくれれば、今後の旅程の不安も多少は和らぐのですが、ただとにもかくにも釜石までは運転すると言われた以上、それを信じるのみです。

 そんな中、ホームに新たな一団が入ってきました。揃いのバッジを身に付けて、ガイド役も付いています。見るからに団体客です。

 ところがこの一団、駅舎とホームとの間のBRT専用道を渡るのに、横断歩道と跨線橋があるところ、横断歩道を無視して歩いてきます。横断禁止の案内表示、三陸鉄道からも横断歩道以外を渡るのはくれぐれも止めるよう案内書きが出ているのですが、そんなものはお構いなし。ガイドも全く止める様子はありません。

 これは面倒な連中と同乗することになりました。ダイヤが乱れるのは慣れっこなのですが、傍若無人な団体客はどうにも苦手です。

 

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 ともあれ、ついに釜石行と思しき、いや釜石まで行ってくれくださいな車両が入ってくるようです。列車はポイントの手前で止まると、運転士が降りてきて主導でポイントを切り替えて、ホームに差し掛かります。すると件の一団、ホームから身を乗り出して写真撮影開始。流石の私もついに我慢の限界、「線まで下がれ!」と怒鳴ってしまいました。

 これが褒められたことではないとは理解しています。ですが、ただでさえ荒天に翻弄される中、乗客までも運転の邪魔になるのはたまったもんじゃありません。それまでの客同士のやり取りから、日本語が通じる相手であるのは分かっていたので、思わず一喝してしまったのでした。まぁ、この手の輩には日本語が母語なのに日本語を理解しない手合いがままいるのですが……

 インバウンド華やかなりし昨今ですが、私からすればどこの国や地域の人だろうが、マナーの良い客は歓迎ですし、悪い客には出くわしたくないのみです。今みたいに、あからさまな日本人相手の場合も全く同じです。尤もこの辺、自戒もしておかないといけないんですけどね。

 

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