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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

潮騒のメモリーのメモリー(2019早春の東北一周No.12@いわて)

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 久慈駅に着いたのは17時前。高知ならまだ十分明るい時間なのですが、経度と天気が相まって、だいぶ日が陰った感じです。

 

 

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 ホームの横断幕。あらためて、三陸鉄道を端から端まで乗り通した達成感に浸ります。

 

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 ホームにはこんな自販機がありました。バスケットボールB3リーグ(3部相当)のチーム、岩手ビッグブルズ応援の自販機です。サッカーやバスケのプロリーグができて、野球は野球で独立リーグが広がることで、こう言っちゃなんですが、どんな街でもクラブチームを応援するのが珍しいことではなくなってきています。

 

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 ホームから跨線橋に上がると、左手に大きな建物がそびえ立っています。先程も見えたアンバーホール、波打つ屋根が印象的なコンサートホールです。

 

ahall.city.kuji.iwate.jp

 

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 跨線橋には三陸鉄道の開業以来の車両イラストが並んでいます。一般車両に加えてお座敷列車や特別塗装、路線延長が長く車両数が多いこともあり、バラエティも豊富です。

 

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 漁船の模型、といっても先頭だけですが、跨線橋にそれとなく置かれています。

 そして、久慈市、北三陸と言えば、覚えていらっしゃるでしょうか。

 

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 そう、ここは日本中でブームを巻き起こした朝の連続テレビ小説あまちゃん」の舞台。跨線橋には、さまざまなロケ地の写真がずらりと並んでいます。

 

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 駅からの眺め、という写真もロケ中のもので、北三陸鉄道リアス線が復旧し、宮古行が発車する場面のようです。ただし、当時三陸鉄道北リアス線区間運転のみに留まっていて、このシーンは全線復旧への願いがこもったものでもありました。

 

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 さらに進むと、北三陸鉄道お座敷列車を模した大きな立て看板(っていうのかなこれ)もあります。車両の前面は原寸大ぐらいかも知れませんが、ヘッドマークは現物よりも大きい気がします。

 

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 光の加減がヘンになって済みませんが、この辺はウニも特産ということで、駅にはウニの顔出しパネルなんてのもあります。

 

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 駅舎に入ると、そこはさらに「あまちゃん」ワールドでした。

 

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 いや、とりあえず展示できるものは「あまちゃん」絡みからそうでないものから、所狭しと、これでもかという感じで並んでいます。

 

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 どーもくんまでいるのは意外でしたが、とりあえず「北の海女」の鉢巻きはしているようです。

 

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 東京編のポスターも、特に何ということはなく掲示されています。

 

 

 

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 駅前に出ました。いかにも昭和後半という感じの駅前デパート、「あまちゃん」で見慣れた方も多いことでしょう。しかし、過去の栄華は伝わっても、今はとても人の気配があるように見えません。それがかえってカラフルな看板の彩りを目立たせているのは皮肉ではありますが、そうはいっても目立たせられるものが存在すること自体は貴重なことです。放送から5年以上が経ちますが、地元の人々にとって、このドラマがどれだけの重みをもっていたか、ということです。

 もちろん朝ドラの舞台になるというのは、たいていの土地で大歓迎されることなのです。しかし、いずこもおなじ地方の衰退に加え、放送されたのが大震災後の同時代性を含むドラマ、そういう要素が入ると、重みは否応にも増すわけです。

 

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 この日は駅から少し歩いたホテルに泊まりました。といっても靴を玄関先で脱ぎ、部屋は純和室という昔ながらの造りです。

 

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 素泊まりだったので、夕食は駅近くのスーパーで調達しました。お弁当も良いのですが、何より刺身です。高知に来て魚料理の舌が肥えた(と思う)私も納得以上のものです。

 

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 こうなると日本酒が欲しいですよね(笑)今回は地場のものと、今日通ってきた陸前高田の原酒を楽しみます。

 買い物に出る時、宿の方には「何もない街ですけど……」と言われたのですが、いやいやいや、これだけあったら旅の者には十分過ぎますよ。充実感とともに、この日を終えたのでした。

 

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