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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

第2回439(ヨサク)を駆け抜ける:旧東津野村(津野町)~旧吾北村(いの町)

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 高知県北部・西部の山中を縫うように走る国道439号線、通称439(ヨサク)。近年ではだいぶ改良が進みましたが、日本三大酷道に名を連ねるだけの狭隘区間も残っています。この春に続いて、また走ってきました。

 

 

 高知県内のヨサクのうち、私が以前走ったのは、徳島との県境京柱峠から旧吾北村の国道194号線との重複区間の旧吾北村(いの町)小川まで、嶺北地方を一気に横断するルート。こちらは以前のエントリで書いております。

 

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 今回は津野町への旅からの帰りに合わせ、国道197号線から折れて、東北方向へ小川までを走ることにしました。

 で、その出発点にあったのが、冒頭の画像の案内標識です。これだけ見れば普通の交差点のように見えるかも知れませんが、さにあらず。国道2本の三叉路にも関わらず、交差点には信号はおろか横断歩道も無し。直進する国道197号線には右折レーンもなく、中央線が途切れることもなく交差点の端から端まで伸びています(右折禁止の標識はなかったはずなんですが……)。国道にもかかわらずほとんど脇道扱いです。

 

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 そんな交差点を折れてのスタート地点。この辺りは旧東津野村、看板こそ津野町のものに変わっていますが、相変わらず(?)「四万十源流の『村』」になっていますし、街頭にも東津野村の名前が残っています。

 

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 さて出発。ここからしばらくは旧東津野村の中心街、道の両側に住宅や商店が迫る細い道が続きますが、集落を抜けると2車線の広い道になります。沿線には吉村虎太郎の生誕地、長沢の滝、不入渓谷などの見所がありますが、そのまま通過。ただ、後で考えたら写真の1枚も撮ってお見せできた方が良かったかも知れません。済みません。

 という間に道は山へと分け入っていき、旧仁淀村との間の矢筈峠越えに挑みます。となれば道幅も細くなるわけで、

 

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 いかにもヨサク。

 ただ、ここは普通に細い道なのですが、場所によっては法面が崩落して工事が行われていたり、「落石注意」のどう注意すりゃいいんだよってお約束のツッコミが入る警告が各所にあったり、対向車との離合以外にも、不安のタネには事欠きません。

 ともあれ、坂を上りに上ったところで矢筈峠のトンネルを抜け、旧仁淀村に入りました。

 

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 とんねるからヘアピンカーブ続きの下り坂を降りる途中に観光案内板がありました。生活道路やマニア向けのドライブコースでこそあれ、とても観光ルートとは思えないところではありますが、詳しくいろいろ描いてあります。

 

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 で、やっぱ旧村名が残ってます。この辺りは平成の大合併と無縁の土地はほとんどないのですが、そんなに探そうとしなくても、旧町村の名残は向こうから姿を見せてくるようです。

 

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 さらに山道を降りて、旧仁淀村の長者集落までやって来ました。高知大学地域協働学部の実習地の1つとなっている地域で、集落一帯で展開される棚田では、今月初めに恒例の棚田キャンドルナイトが開催されたところです。

 

■ によどがわ.TV|高知県 仁淀川町観光ポータルサイト » 第11回 長者キャンドルナイト

 

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 長者の代名詞の大イチョウ。樹齢1,000年を超えると語り伝えられる古木で、近くの農家レストランからも、棚田の風景とともに眺めることができます。

 さて、長者を抜けると旧仁淀村の中心街を抜け、ヨサクはいったん国道33号線と合流します。高知と松山を結ぶ幹線道路との重複区間は現仁淀川町役場の手前まで続きます。

 国道33号線と分岐すると、今度は国道494号線との重複区間が始まります。この区間は茶畑プリンや茶畑ロールの産地、旧池川町の中心街に入る辺りで終わり、ヨサクは再び単独区間に戻ります。

 そして市街地をまたも離れたヨサクは、かつての難所の1つ、旧吾北村との間の山道に入ります。この辺りはかつて大峠トンネルを頂点として、狭く曲がりくねったきつい坂道が続いていました。旧道は地図で確認できますが、地図で見ただけで恐怖を覚えるようなルートです。

 ただ、今世紀に入ると旧道のふもとで2車線の新大峠トンネルが開通、旧道を横目に一気に駆け抜けられるようになりました。もっとも、ルートが短縮されて直線的なルートになった分、長い坂が続くようになり、放っておくととんでもなく加速されてしまうのが正直怖いですが……

 さておき、そんな新たなルートをエンジンブレーキを効かせに効かせながら降りた途中に、旧吾北村柳野地区があります。地区については依然簡単に書いたことがありますので、そちらもどうぞ。

 

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 柳野地区への坂道の途中には、珍しい景観「柱状節理」の案内板があります。私も最近まで全然知らなかったのですが、柱状節理とは、こういうものだそうです。柳野地区は同僚が長く関わっているところですし、これも何かの縁。今度観に行ってみないといけませんね。

 

kotobank.jp


 ただ案内板をよく見ると、 

 

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 相変わらず吾北村。

 ま、わりかし新しげな看板ですし、立て替えるのもおカネがかかるんでしょうが、それにしても上からシールを貼ったりはしないんでしょうか。

 もっとも、合併したのに昔の名前が残っているのはけしからん!なんて文句を言うのも堅苦しいですし、これはこれで味があると私は思うんですけどね。

 

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 ふれあいの里柳野。近くの集落活動センターの標柱があります。センターはここから引き返して、集落中心への道へと折れてすぐ。食堂とそば打ち等の体験コーナーがあるそうです。

 

■ ふれあいの里柳野 | いの町観光協会

 

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 すぐそばに別の標柱。これはミミズクでしたっけ、フクロウでしたっけ?

 

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 こちらにも、フクロウまたはミミズク。この辺の謂れは分からないので、誰か詳しそうな人に聞いてみたいところです。

 さて、再び車を走らせて、ほとんどアクセルを踏まずに加速。昔モンゴルの草原に出た時に、下り坂で運転手さんがロシアン・ジープのエンジンを切ってそのまま走行、坂を下りきる手前でエンジンをかけていたのを思い出しました。究極のガソリン節約です。パワステが効かない?もともとついてません!(たぶん)

 ただ日本車でそんなことをするわけにはいかないので、普通に運転。トンネルを抜けて小川集落に出て国道194号線に合流、今回のルートも走破できました。

 

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 ここから少し寄り道。休憩も入れたいので、道の駅633美の里に来ました。前回来た時に道の駅のマグネットを買いたかったのですが、ちょうど売り切れ中。今度こそというのもあって、立ち寄ってみたのです。ちなみに、マグネットは無事手に入りました。

 

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 道の駅にあるお菓子屋さんでおやつ休憩。迷いましたが、ひとまずサツマイモパイを頂くことにしました。

 

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 が、パイの写真を撮り忘れ(汗)済みません……

 ともあれ、今回も県内のヨサクのだいたい3分の1程度は走り切り、残るは旧中村市四万十市)中心街までの区間になりました。地図で言うと下の通りです。

 

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 ただ残りのルート、地図を見ると細い部分がものっそ多いです。

 本当に走るべきか、走るまいか、ちょっと考え中です。