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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

高知県西南の旅(16)第3回439(ヨサク)を駆け抜ける:中・旧大正町(四万十町)~梼原町境篇

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 道の駅四万十大正から国道381号線、そして重複区間を北西に走り、大正の街を迂回すると、ほどなく三叉路から国道439号線は単独区間に戻ります。ここから梼原町を経由して、旧東津野村を目指します。

 

 

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 またも狭くなった道幅ですが、ガードレールもありますし、舗装も荒れていません。京柱峠杓子峠を経験してしまえば、この程度の道路は条件が良いものとして、精神的な余裕をもって臨めるようになります。梼原まで52キロという距離はまぁ、可愛いもんです。

 

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 国道381号線との分かれ道から梼原川沿いを北上し、津賀ダムのほとりを走って気がつけば18キロ。四万十町の山の中にある下津井集落の入口までやって来ました。

 

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 集落へのバス停と、歓迎の看板。バス路線の撤退が相次ぐ中、よくぞヨサクで残っていたという感動があります。

 

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 バスは大正駅方面へ、1日3便。始発のバスに乗ったとして、高知市内まで日帰りできるかどうか。

 

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 ダムの上に鉄橋が渡されています。その向こうが下津井集落です。

 

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 見るからに清浄な流れの向こうに、家屋の屋根が見えます。四国のさらに山の奥、人々の営みが、それを覆いつくさんとする木々に抗って存在を示しています。

 

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 橋のたもとには、写真撮影スポットを示す小さな木の看板。その向こうには、古くて今は使ってなさそうな橋が見えます。

 

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 よく見ると、いかにも昔使っていた、今は(お察しください)な橋です。形状からすればかつての鉄道橋っぽいのですが、こんなところに鉄道が走っていたはずなどない……と思いかけて、ふと思いつきました。森林鉄道だ!

 道路が整備されていなかった時代、高知県では山間部各地に静脈のように延びていた森林鉄道が輸送を担っていました。今ではそれらすべてが過去のものになりましたが、その遺構は今も残っています。このめがね橋はその中の1つ、かつての大正森林鉄道の遺構です。

 

■ 廃線探索 大正森林鉄道(歩鉄の達人)

 

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 日本の近代が行き詰まる中で建設された橋と、平成の世に架けられた橋。まだしばらくは、このコントラストが残りそうです。

 

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 ヨサク県内走破への道はさらに続きます。ただ、正直言えばラスボスは倒した感はあります。文句がある方は自力で杓子峠を越えてください。というわけで、わりかし余裕を感じながら走り、ついに梼原町との町境に来ました。

 

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 標識の向こうは梼原町。これまた、ついに来ました。

 実は梼原町は私が育った兵庫県西宮市と友好交流協定を結んだ相手。子どもの頃は、町内のお祭りにやって来る梼原町の出店の牛串が大好きだったんです。あれから幾星霜、ついに梼原町内に足を踏み入れる日が来たのです。この感動を表す言葉を思いつかないのが辛いです。

 

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 この辺りで架かっているのは芦川橋。よくぞ架かってくれました。

 

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 来し方を振り返ると、落石注意の標識。落ちてくるものには注意のしようがないし、落ちてくる元が見当たらないとなれば注意する意味がない。難しいです。

 

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 木々の狭間に見える梼原川の清流。ってか、この辺は清流が当たり前です。

 

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 振り返ると、四万十町の案内標識。念のために断っておきますが、日本国の国家レベルの道路です。ただ、道端には国家とは関係ないであろうものもあります。

 

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 私設案内標識なんですが、確かに間違ってません。その気になれば足を延ばせます。が、なんなんでしょうか、この違和感。とりわけ足摺岬。そりゃここからのルートとしてはその通りなんですけんど、いや、なんか……