11月初の実習日は生憎の天気。とはいえ雨は途中から止むとの話もあったので、大豊町怒田の実習地に向かうことになりました。
まずは学部からのお知らせを。
怒田に着いてみると、やはり強い雨ではありませんが止んでいるわけでもありません。ただ空模様は移り変わりが激しく、
こんな風に雲が真下に立ち込めると思ったら、
近くを通る雨雲で視界がぼやけたり、
かと思えば霧や雨雲が去っていって、
視界が開ける時もあったり。しかしこうして雲が眼下を流れるのを見ると、ここは既に空の上なのか知らん、などと思ったりもします。
さて、今回の実習内容は、ゆずの収穫から始まります。うすい靄の中をゆず畑に向かっているわれわれですが、雨具着用は良いとして、ヘルメットをかぶっている人がいるのが分かると思います。というか全員着用です。フードをかぶっている人も、中でちゃんとヘルメットを着けてます。
というのも、収穫作業というと楽しそうな響きがあるかも知れませんが、ことゆずに関しては注意して取り掛からないといけないのです。まずはゆずの木を見ていただきたい。この時期は収穫の最盛期とのことで、ご覧の通り畑には柚子が大量に実っています。
ゆず畑に来た時点で、すでにあの香りが漂っています。そして、見ての通りの実り方。今年は表作の年なので、とみに数が多いそうです。そして、身の丈を超えた木の上の方にも実っているのです。そんな柚子を収穫しようとした時に、ついうっかり落としてしまって、誰かの頭を直撃、という可能性もあるわけです。だからヘルメットが必要なのです。
それにしても、このゆずすべてを収穫しようというのですから大変なのです。じゃんじゃん獲ってかないと間に合いません。
ですが、さらに厄介な問題があります。ゆずの木には長いとげがあちこちに映えているのです。
枝の端の方にズームを当ててみました。とげがあるのが見えるでしょうか?こんな中で作業をすることになるので、作業には迅速さとともに慎重さが要求されます。
というわけで、ご覧の格好で作業をすることになります。この日は雨具着用だったのがかえって幸いしたかも知れません。うっかり服が破けるとなったら悲しいですからね。さらに、手袋は薄いととげが貫通するので、厚手のゴム製のもの。
さらに、地面には剪定して下に落とした枝があるので、運動靴はおろか長靴でさえも、枝に生えたとげを踏み抜く危険があります。なので靴も安全靴を着用。ここまでやって実習が可能となるのです。
そういうハードな条件下だったため、学生も教員も悪戦苦闘状態ではありましたが、何とか無事に収穫作業を遂行。
その後はゆず畑の持ち主のお宅を訪れ、ゆず栽培や怒田での生活についてお話を伺いました。後期高齢者が多く、また生活インフラも非常に限られる中で、畑仕事から何から本当に大変だろうとは思うのですが、それでも明るくお話しされているのが印象に残っています。
この日は収穫が主でお話を聞く時間は限られていましたが、限界集落や超高齢化と言われる中で、地域の人々がどう関わり合い、暮らしているのか、これからの実習の中で、さまざまなお話を聞いていけるものと期待しています。