
天皇杯第105回全日本サッカー選手権大会1回戦、高知ユナイテッドSCはカマタマーレ讃岐と対戦します。場所は敵地、香川県丸亀市Pikaraスタジアム。先日の完敗の借りを返せるか!?

天皇杯第105回全日本サッカー選手権大会、今年も高知県代表となった高知ユナイテッドSCは1回戦でカマタマーレ讃岐と対戦します。先日のJ3リーグ戦では春野で0-2と良いところなく完敗しただけに、ここでやり返しておきたいところ。朝から雨が続く中でしたが、香川県丸亀市はPikaraスタジアムへとやって来ました。

今回の試合ではメインスタンドのみが開放されています。無人のバックスタンドの上に讃岐富士が顔を出しています。

場内では天皇杯の歴史をたどる映像が流されています。

ただ、天皇杯というと、どうしてもこの話になってしまいますよね……横浜フリューゲルスのことは生きている間、天皇杯のたびに思い出すと思います。

この日は場外のスタグル出店がなく、売店が営業しているのみ。混むかも知れないと思い、近所のマルナカで讃岐うどんを調達しました。

場内を走る作業者。よく見ると三輪で驚きました。

試合が近づいてきました。こちらがカマタマーレ讃岐のメンバーです。5月6日のJ3戦ではベンチ外だったGk32番松原がスタメンになるなど、かなり入れ替えてきています。

こちらが高知のメンバー。先日の高知県大会決勝でスタメンだったGK1番黒川を外してリザーブのGKに31番小窪が入っていますが、これが後で重要な意味を持ってきます。

開始前から南方向からの強い風が吹きつけていて、体感気温はかなり低め。次第に肌寒さが耐えられなくなり、雨用のポンチョを着ての観戦です。

選手入場。人数は決して多くないものの、両チームへの応援が響き渡ります。

開始前にサイドチェンジがあり、前半は讃岐ボールでキックオフ。当初は讃岐、その後高知にそれぞれチャンスが訪れますが、互いに相手ゴールを割れません。雨が続く中でピッチも滑りやすく、脚をとられて相手にボールが渡ってしまう場面も出てきます。

前半終了が近づくにつれて高知のチャンスが増えたものの、得点には至らず。ボールが讃岐に渡ったところで審判の笛が鳴り、前半は0-0のままで終わりました。

後半は高知ボール。風下に立つ形になった高知でしたが、もろともせず攻め続けます。

そして50分、高知は左からのコーナーキックのチャンスを得て讃岐ゴールに襲い掛かると、最後はFW9番新谷が押し込んで先制!高知から駆けつけたサポーターが一気に盛り上がります。

しかし讃岐も負けじとすぐに反撃。パスをつないで高知ゴールエリアにボールを持ち込むと、最後はMF15番岩本が高知GK21番大杉と1対1となり、落ち着いてゴールを決めて同点とします。

何とか勝ち越したい両チーム。特に讃岐は交代枠を全て使い切ってまで勝負に出ますが互いの守りを崩せません。アディショナルタイムの4分に入っても動きはなく、1-1のままで後半も終了。試合は延長戦に入ります。

延長戦前半は讃岐ボールで開始。その讃岐からボールを奪った高知が相手ゴールを攻め立てますが、ボールは讃岐GK32番松原へ。しかしなおも食い下がった途中出場のFW20番杉山が松原に倒されてしまい、高知がPKを獲得します。

ところが、杉山の放ったPKは枠外へ。高知が千載一遇のチャンスをフイにしてしまいました。
それでも気持ちを切らさなかった高知は再び攻勢に出ます。杉山もシュートを放ちますが、惜しくも得点はなりません。

延長前半はそのまま終了、1-1が続きます。

後半は高知ボールで開始。高知の攻撃が続きます。

そして108分、今度はMF16番上月が流れてきたボールを迷わずシュート!これが讃岐ゴールに突き刺さり、高知が再び勝ち越し点を奪います。

ですが、讃岐はなおも追いすがります。116分にFW24番上野からのボールをMF13前川が振り抜き、高知が再び同点に追いつかれてしまいます。

延長戦も終了が近づき、PK戦が頭をよぎります。そんな中、秋田監督はなんとGKを交代。大杉に代えて31番小窪を投入しました。これで小窪が公式戦初出場を果たしましたが、万が一負傷退場にでもなればGKがいなくなってしまいます(だからこそ延長終了ギリギリに交代したのでしょうが)。秋田監督の大きな賭け、果たして成功するのでしょうか!?

この直後に高知はピンチを迎えますが身体を張って何とかクリア。アディショナルタイムの3分も乗り切りますが得点もなく、2-2で延長戦が終了しました。

試合はついにPK戦に。高知のメンバーが円陣を組んで臨みます。

PK戦は南側(ホーム側)で実施。讃岐は120分を戦い抜いた32番松原、高知は出場間もない小窪がゴールを守ります。

いよいよPK戦開始。高知が後攻、讃岐が先攻です。ベンチでは高知の面々が肩を組んで出場選手を見守ります。

1人目、讃岐は左にシュート成功。

対する高知は内田が左へ。松原の読みを上回るシュートでこちらも成功します。

2人目、讃岐はこちらも左にシュート成功。

高知は15番小林里駆が右にシュート。こちらも松原の読み通りでしたが成功します。

3人目、讃岐はまたも左に。小窪も手を伸ばしますが及ばずシュート成功です。

対して高知はMF7番金原が右隅へ。こちらもシュート成功で3-3とします。

4人目、讃岐は今度も左にシュートを放ちますが、小窪がこれをはじきます。って、写真では全然そんな風に見えないので何度も確認しましたが、間違いなく高知のセーブです。

俄然意気上がる高知は4人目にDF37番深川が登場。左上に落ち着いて決め、ついに1ゴールリードします。

5人目、讃岐は右へのシュートを成功。ですがこの後高知のPKが成功すれば勝ちが決まります。

大一番に臨んだ高知のキッカーはMF10番佐々木。重圧をもろともせずゴール中央に決め、これでPK5-4!

1セーブを果たした小窪の下に駆け寄る高知の面々。高知の2回戦進出が決まりました!

最終スコア。最後までヒヤヒヤしましたが勝ちは勝ちです。杉山も救われたことでしょう。

試合終了。長い死闘がようやく終わりました。

高知サポーターが集まる中、高知の面々が勝利の報告にやって来ます。

この日の殊勲者3人、左から小窪、上月、新谷が躍動します。

盛り上げ隊のDF25番今井。

DF3番中田と大杉。このところ不完全燃焼の試合が続いただけに、喜び方が違います。

相変わらずよく分からない内田。

最後は全員で記念撮影。
われわれ自身は写っていませんが、どこにいるかは目を凝らして考えてみると分かると思います。さてどこでしょう?(笑)
これで今年も2回戦に進んだ高知ユナイテッドSC。その2回戦は6月11日(水)19時にノエビアスタジアム神戸でキックオフ。相手はJ1ヴィッセル神戸です。なんとディフェンディングチャンピオンと対戦ですよ。格の違いは歴然ですが、ノエスタを見に行くぐらいのつもりで観戦できると良いなと思います。
……もっとも、2年前もパナスタを見るぐらいのつもりで観戦して勝っちゃったんですけどね(笑)
※ 今回も試合経過についてはJリーグ戦評を確認しています。