公益社団法人日本モンゴル協会が発行する機関誌『日本とモンゴル』第59巻(第145号)に拙稿「異文化接触とモンゴルの人々の意識~第7回世界価値観調査データからの基礎的分析~」が掲載されました。
公益財団法人日本モンゴル協会が発行する機関誌『日本とモンゴル』第59巻(第145号)がこのほど刊行されました。今回は拙稿「異文化接触とモンゴルの人々の意識~第7回世界価値観調査データからの基礎的分析~」を掲載していただきました。
モンゴルでは新型コロナウイルス感染症による国境封鎖が解除されて以降、外国人観光客の受け入れを狙ったキャンペーンが展開されています。また、経済発展や国家プロジェクト推進による労働力不足を背景に、外国人労働者の受け入れも見られるようになりました。
これらの動きは、モンゴル国(以下「モンゴル」)において、文化的背景が異なる人々と接触する機会が増加することを意味します。では、そのような接触に対して、モンゴルの人々は備えがあるのか?この問いについて、特に人々の意識に着目し、大規模調査データによる分析から明らかにしていく、ただしいきなり詳細な分析に飛びつくのではなく、まずは異文化接触に関連するさまざまな設問について、回答結果の国際比較を含めた簡単な分析から始めていこうというのが、今回の論文の趣旨になります。
詳細については拙稿をお読みいただきたいのですが、分析結果から言えば、モンゴルにおいては外国人観光客の受け入れは比較的理解が得やすいものの、宗教の違いについては注意が必要であることが示唆されます。一方で、外国人労働者の受け入れへの理解が進んでいるとは言い難く、もし今後も受け入れを進めるのであれば、世論の反発をどう避けるかを検討することが課題と言えます。
本エントリ執筆時点ではまだリンクがありませんが、近年の『日本とモンゴル』誌はほぼ全てが日本モンゴル協会ウェブサイトで無料公開されています。ですので、ご関心のある方は下記リンク先での公開をお待ちください。
いや、冊子体をご購入いただいても良いんですけどね(笑)