高知ファイティングドッグスの若松尚輝投手がプロ野球ドラフト会議の新人選択会議4巡目で横浜DeNAベイスターズに、嶋村麟士朗捕手が育成選手選択会議2巡目で阪神タイガースに指名されました。出遅れましたが両選手についていろいろ。
1.高知ファイティングドッグスからNPBに2選手が指名!
周知の通り、2024年プロ野球ドラフト会議が行われ、支配下選手を指名する新人選択会議で高知ファイティングドッグスの若松尚輝投手が4巡目で横浜DeNAベイスターズから、育成選手選択会議で嶋村麟士朗捕手が2巡目で阪神タイガースから指名を受けました。
ドッグス選手の指名は2021年に育成指名された宮森智志投手(東北楽天)、支配下での指名は2020年の石井大智投手(阪神)以来、そして新人選択会議での4巡目指名は過去最速となります。
既にドラフトから2日後となり、両選手については各種メディアで報じられていますが、ここでも後追いながら当ブログなりの選手紹介を行ってみたいと思います。
2. 若松尚輝投手(横浜DeNAベイスターズからドラフト4巡目指名)
若松投手は高知2年目。大学在籍中に投手を始めたそうですが、高知では基本先発を任されてきた右腕です。
昨季は16試合登板で7先発、防御率が2を切りながらも勝ち星には恵まれず。さらにオフには手術も経験、昨年のファン交流会にはギプス姿で現れたのを覚えています。
ただ、そこから開幕に間に合わせると、今季は主に後期で先発ローテに定着。防御率2.78で6勝4敗の成績を挙げました。この防御率からすればもう少し勝ててもおかしくないのですが、チーム自体が負け越した中では上々でしょう。
実際、今季の若松についてはチーム内の評価も高かったようです。チーム事情に詳しい関係者によれば、「若松は苦しい手術やリハビリもあったのに、辛いところを見せたことがないんですよ。選手たちも『ケガがマイナス評価されない限り、若松さんは必ず指名されます』って口々に言ってましたね」ということで、指名も納得です。
今季は巡り合わせで若松の登板試合をあまり見られていないのですが、その中では大方球場(黒潮町)で好調徳島を相手に90球1失点完投を決めた試合が注目されます。
あと、ホークス三軍相手に2イニングを被安打1の奪三振2で無失点に封じた試合も。
今季は3位から日本シリーズ出場を果たし、さらに飛躍が期待される横浜DeNAベイスターズ。そのためにも投手力整備は避けて通れない課題です。逆に言えば若松からすれば先発ローテに入るチャンスも小さくないわけで、まずは挑戦して欲しいものです。
3. 嶋村麟士朗捕手(阪神タイガースから育成ドラフト2巡目指名)
続いては嶋村麟士朗捕手。高知商業卒業の年に途中入団して今季が3年目、しかももともと内野手で捕手を始めたのは比較的最近なのですが、高知では打線の主軸を担う正捕手となりました。さらに今季は出場機会を増やすために一塁手や指名打者での出場も増え、四国アイランドリーグplusのベストナインに指名打者で選ばれています。
そんな嶋村の打力はスタッツが示す通り。今季は打率が大きく伸びた上に本塁打、打点も増加、得点圏打率4割越えと勝負強さが光りました。
そして、彼の隠れた持ち味が変化球。
ほとんど知られていないのですが、実は鋭く曲がるカーブを投げることができるのです。
ボウリングで。
そんな嶋村がヒーローインタビューに呼ばれた試合から、まずは昨年本拠地開幕シリーズ2戦目です。
続いては今年前期、4打数1安打ながら先制と同点の打点を叩き出した試合です。
育成指名とはなりましたが、阪神は主力の坂本、原口、梅野3捕手がFA権を獲得しているだけに、展開次第ではチャンスは早々に来るでしょう。その一方で気になるのは同郷の捕手榮枝で、来季5年目ともなればうかうかしてはいられません。切磋琢磨してともに一軍で不動の地位を築くことを期待しています。
久々の複数指名で盛り上がったところですが、「次」に向けた動きは高知でもう始まっています。引き続き高知に残る選手、新天地を求める選手、夢に区切りをつけた選手、若松・嶋村両選手に限らず、それぞれが2024年ドラフト後のステージに進もうとしています。