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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

モンゴル科学アカデミー国際学研究所で講義を行いました

 

 モンゴル科学アカデミー国際学研究所を訪問した際に講義「公開データに基づく日本における現代モンゴル研究」を行いました。質疑含めモンゴル語です。

 

 

 今回のモンゴル行では縁あってモンゴル科学アカデミー国際学研究所を訪問、研究交流として「公開データに基づく日本における現代モンゴル研究」というタイトルで簡単な講義を行う機会を頂きました。

 モンゴル科学アカデミーは1961年創立の歴史を誇る国立研究機関です。今回訪れた国際学研究所はアカデミーを構成する研究機関の一つで、ロシア研究部門、中国研究部門、第三の隣国研究部門、地域・多国間協力研究部門から成っています。

 そして第三の隣国研究部門に複数の日本研究者が所属、モンゴルの対日本関係を含むさまざまなテーマで日本研究を行っています。

 

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 研究所では外国から来訪した研究者がゲスト講師として講義を行うのが慣習になっているそうで、僭越ながら私もその例に倣いました。

 今回行った講義「公開データに基づく日本における現代モンゴル研究」は、現代モンゴル社会研究における取り組みとして、現地報道・資料といった公表された資料に基づく研究、国際社会調査の公開データの分析という2つを紹介しました。

 取り組みのうち前者に関しては、代表的なものとして、ご存知『アジア動向年報』での動向分析を取り上げました。1971年の刊行以来50年以上経つ中で、研究対象となる国・地域には変動があるにもかかわらず、モンゴルの動向を初年次から欠かすことなく掲載してきたことは知られるべきですし、とりわけモンゴル民主化前の情報が乏しい時代に現代モンゴル研究の成果を年1回ペースで示してきたわけで、日本における現代モンゴル研究の柱と言えるでしょう。

 一方の後者は、日本の社会学政治学では既に定着した社会調査公開データの二次分析です。私の研究活動が再三示しているように、モンゴルでもそのような分析を行うことのできるデータが少しずつ蓄積されています。もっとも、こちらは私含め本当に限られた研究者しか取り組んでいない現状があり、今回はその現状と背景含め解説したつもりです。

 なお、講義については既に科学アカデミー日本学研究所からレポートが出ています。

 

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 今回はプーチン・ロシア大統領来訪のあおりで準備に手間取り、前日ホテルに缶詰めでようやく資料を作りました。ところがフォントが日本語環境以外で適したものではなく、当日いざ投影してみたらデザインが崩れに崩れ、下の方が大幅にはみ出してしまうという失態を演じてしまいました……

 それもあって、講義がどれだけ参加者の知的関心に応じられるものになったかはきわめて心もとないのですが、少なくとも、日本における現代モンゴル研究の蓄積と今後の方向性を少しは示せたのではないかと思います。質疑の際も問われてみて興味深い質問をいくつも受けたのは良かったです。十分な回答ができていればいいのですが。

 というので反省点は大きいのですが、今後の現代モンゴル研究に向けていろいろな情報、アイディアも交換できて、良い励みになったのは確かです。なにせモンゴル科学アカデミーなので、多少気後れする部分もあったのですが、思い切って行ってみるものでした。