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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

山下大輔GMとともに苦難を乗り越える球団:くふうハヤテ対中日@ちゅ~るスタジアム(2024.3.27.)

 

 2024年からウエスタン・リーグに参戦したくふう×ハヤテベンチャーズ静岡。中日ドラゴンズ二軍とを迎えてのホームゲーム、ちゅ~るスタジアム清水での試合を観に来ました。

 

 

 2024年よりイースタンウエスタン・リーグそれぞれに1球団が加わったNPBファーム。ウエスタン・リーグに加わったのは静岡に本拠を置くくふう×ハヤテベンチャーズ静岡(以下「くふうハヤテ」)です。

 イースタン加入のオイシックス新潟アルビレックスBCとは異なり、くふうハヤテはゼロから立ち上げた球団。トライアウトで選手を揃えたものの、一軍クラスの選手も出場することのあるNPB他球団を相手に、リーグ公式戦開幕後は苦戦しているようです。その現状やホームゲームの雰囲気を知るべく、静岡に行ってみました。

 

 

 くふうハヤテのホームスタジアムはちゅ~るスタジアム清水。路線バスだと便数が少ない上に試合観戦の時間に合う便がないのですが、球団がJR清水駅東口からシャトルバスを出しています。 

 

 

 この日は平日のデーゲームで、マイクロバス1両がピストン運行しています。道路事情にもよりますが、往路は12時半の試合開始に対し、バスは10時から40分に1本ぐらいの間隔で走っているようです。

 先述の通り他の交通手段に乏しいため、マイクロバスはすぐに満員に。ただ土日等は増便もあるようです。観客数がさらに増えて、球団が潤ってきたら、平日のバスも大型化や増便ができるかも知れません。

 

 

 バスで16, 7分でちゅ~るスタジアム清水にやって来ました。ここは正式には「清水庵原球場」ですが、命名権設定で、猫ちゃん大好きなおやつの名前に生まれ変わりました。なお「~」は波線が正解です。

 

 

 こちらは練習場。「ちゅ~る」の名前が目立ちます。どらどらパークの向こうを張れるのは、おそらくここだけでしょう。

 

www.city.yonago.lg.jp

 

 

 開門より少し前にチケット販売が始まったので、購入して球場に入ります。くふうハヤテのホームゲームは通常の座席が1人1500円、さらにプラス1000円でS席に入れます。前売券と当日券の区別がないのと、前売券だとチケット発券で手数料がかかるので、チケットは当日現地購入することにしました。

 球場ではくふうハヤテのグッズを販売中。やはりというか、個人応援グッズはNPB経験者のものばかりで、それ以外の選手については、人気を見計らって、というところでしょうか。

 

 

 気になるスタジアムグルメは少数精鋭。静岡名物のおでんも売っています。

 

 

 というわけで、そのおでんと、おでん出汁の炊き込みご飯を買ってみました。この日は朝のうちこそ快晴だったものの、次第に雲が広がって冷えてきたもので、おでんが有難い日和です。

 

 

 おでんをアテにお茶チューハイを一杯。ああ、しぞ~かだ。

 

 

 他にも、この日はキッチンカーが3両並んでいました。そこでまずは三島コロッケを買ってみました。三島コロッケ、知らなかったのですが、地元のジャガイモを使ったポテトコロッケだそうです。

 

www.city.mishima.shizuoka.jp

 

 

 さらに中国料理のキッチンカーで点心セットも調達しました。昼食には十分すぎるぐらいです、って、流石にこれ全部一人では食べていませんからね(汗

 

 

 ちなみに、グッズ売り場ではくふうハヤテの選手名鑑も置いてあります。みんな大好き「大ちゃん」こと山下GMをはじめ、赤堀監督や選手の対談記事に加え、最終ページの球団挨拶も冷静な認識と覚悟が伝わり、読む価値があります。

 

 

 この日の対戦相手は中日ドラゴンズ。ドッグスから福井を経て入団した濱が来ていました。

 

 

 一方のくふうハヤテは球団の位置づけからして、高知ファイティングを含め独立リーグ経験者が結構います。試合前練習では草場の姿を久々に見かけました。高知からベイサイドリーグの千葉スカイセイラーズに移り、今季からプレーの場を静岡に移して、NPBドラフト指名を目指しています。

 

 

 本日のスタメンが出てきました。高知出身者では濱が1番で起用されています。いっぽうのくふうハヤテの1番増田は元徳島インディゴソックスの選手、こちらもNPB12球団入りが期待されるところです。

 

 

 試合開始です。くふうハヤテの先発は元オリックスの西濱。早速濱の打席が注目されましたが、結果は四球でした。

 

 

 するとドラゴンズがヒットと盗塁で無死2, 3塁のチャンスを作り、まずは3番福永がセカンド横っ飛びの先を抜けるタイムリーで先制します。

 

 

 さらに1死満塁として、板山がライトにきっちり犠牲フライ。

 

 

 そして2死1, 2塁から鵜飼がレフト線に2塁打を放ち、いきなり3点のリードを手にします。

 

 

 ドラゴンズ先発は高橋宏。昨季は一軍で負け越しこそしたものの防御率2点台をマーク、今季さらなる飛躍が期待される注目株です。

 こういう選手を試合に出せるチームとそうでないチームが対戦するわけです。戦力差は否定できません。問われるのは、その差を実際に感じた選手、壁にぶつかった選手が、そこからどうするか、どう立ち向かうかなのです。

 そんなわけで、いきなりビハインドを負ったくふうハヤテ。しかし次の回から西濱が立て直し、三者凡退こそないもののテンポよくドラゴンズ打線を抑えていきます。その奮投に応えたい打線でしたが、好守備に支えられた高橋宏の快投を前に、繋がりを作ることができず、気がつけば0-3のまま5回が終了しました。

 

 

 6回表、くふうハヤテは西濱に代えて大生を送ります。高卒でいきなり入団、球団の期待も高い若手ですが、この日はコースを突こうとし過ぎたか、四死球を重ねて自縄自縛に陥ります。

 

 

 そのピンチを見逃すほどNPBは甘くありません。1死満塁から濱がセカンド頭上を越えるタイムリーで2点を追加。

 

 

 2死満塁となったところで、こんどは石川昴がサード強襲ヒットでもう1点。さらに暴投もあって、この回ドラゴンズが一挙4点を奪います。

 

 

 結局大生は6回のみで降板。続いて登場したのは医師とプロ野球選手との二刀流を目指す竹内です。

 

 

 さらにキャッチャーも交代。マスクをかぶったのは草場です。

 

 

 バッテリーは7回こそ抑えたものの、8回は四球や捕逸でピンチを招くと、途中出場の石垣にライトへの犠牲フライを打たれ、ダメ押し点を与えてしまいます。

 

 

 その裏、ドラゴンズは7回無失点の高橋宏を下げ、仲地を起用します。ここで気分を変えたいくふうハヤテでしたが、四球を得るのが精一杯、攻め手が得られません。

 そして最終回、9回表のマウンドに立ったのは、ご存知あの男でした。

 

 

 このフォーム、このメガネ、ドッグスファンならもうお判りでしょう。静岡を新たな活動の場とした平間凛太郎の登場です。

 

 

 しかもキャッチャーは草場のまま。静岡まで来て高知バッテリーが実現です。

 

 

 そして先頭打者は濱。高知出身者だけで賄えています。今日来て良かった。

 その注目の打席、濱はラインドライブの難しい打球を放ちますが、センターが好捕して、この日は結果平間の勝ちとなりました。

 平間はその後もサードゴロとレフトフライでドラゴンズ上位打線を切って取り、この日唯一の三者凡退を記録。しかもくふうハヤテの投手では唯一の無失点です。見たか静岡、見たかドラゴンズ。

 


 その裏、くふうハヤテは2死から代打高橋がヒット、続く代打居谷が四球でようやくチャンスに巡り合いますが、もう一本が出ずゲームセット。


 

 最終スコア。本拠地初勝利が遠いくふうハヤテ、苦難が続きます。ただ、ある意味では苦難をわざわざ経験するところに、二軍のみの球団の存在理由があるわけです。

 戦力的に苦しいところから、どこまで勝ちにつながるプレーを見せて、より高いステージに上がれる選手を輩出できるか。華々しい一軍の試合がない中で、どこまで地元の注目や支持を集められるか。それらが難しいのは承知の上で創設された球団なはずで(それでも、ここまでとは……という思いはあるかも知れませんが)、この状況をどう打ち破れるかには、引き続き注目です。

 ただし、素人目線で一言。新潟での観戦と比べてみると、くふうハヤテの選手からは比較的おとなしい印象を受けました。覇気がないわけはないのですが、例えば新潟の選手は試合開始前にダッシュで守備位置に向かっていて、素人目でも、あるいは素人目にはかも知れませんが、気合が伝わった気がしました。

 また視点は変わりますが、この日はくふうハヤテの投手陣が四球12、死球1を記録しています(なお先述の通り、平間は四死球ゼロです)。これだって打者を抑えたいからこその投球なのでしょうが、それで打者を歩かせていたら意味がありません。それだったら結果は天に任せて、腕試しで思い切り投げた方が、得るものもあるでしょうし、見る方も納得がいきます。

 そう、問題は選手に気合いや覇気があるかないかではなくて、それらが見る者に伝わるかどうかなのです。ガムシャラさやひたむきさ、ないはずはないので、あとはそれを見る者に伝えられるプレーや立ち振る舞いがどれだけできるかが問われているのです。

 二軍とはいえプロ野球、というか二軍こそが現時点で立つことのできる最高のステージです。しかも二軍ですから、ちょっとやそっとの失敗は許されるべき場所です。チームプレーが大事なのは前提として、結果はさておきどこまで自分のプレーを思い切りできるか?苦難を乗り越えるカギは、そこにある気がしてなりません。