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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

第20回世界社会学会議参加記(0)メルボルンへ

 

 先日も投稿しましたが、第20回世界社会学会議に参加してきました。今回からシリーズで参加報告を書いていきます。

 

 

 先日も投稿しました通り、第20回世界社会学会議(WCS)に参加すべく、オーストラリア・メルボルンまで行ってきました。

 ……と書きましたが、「メルボルンに行った」というのは正しくもあり、ですが100%正確とも言い切れないところはあります。その辺も含め、これからぼちぼちと書いていこうと思います。

 

 

 今回は羽田からシドニー経由で向かいます。モンゴルに行くときみたいに、荷物をもって成田まで移動しなくていいのは本当に楽なものです。

 

 

 羽田に着いてターミナルを移動してから、まずは夕食。

 出発が遅いし飛行時間も長いので、離陸したらすぐに寝入るぐらいの算段で、今のうちにご飯を食べておきます。

 


 ……のつもりが、ラウンジでついうとうとしてしまい、気がついたら搭乗時間近く。急いで搭乗口に向かいます。

 ただ結局は何の問題もなく搭乗できて、写真を撮る余裕もありました。ここからシドニーまで、まずは10時間ほどのフライトです。

 

 

 飛行機に乗り込んだら寝るだけで、気がついたら翌朝です。フライトマップをのんびり見ているうちに、気がついたらオーストラリア大陸上空に入っていました。

 

 

 本日の朝食。ただ、肝心のご飯そのものを撮り忘れていたことに後で気づきましたorz

 今回の出張はあくまで研究報告と研究交流が目的。しかも報告は2件、準備がまるで追いついていません。モンゴル以外の出張は5年ぶり(前回のWCS以来)、しかも今回は完全な単独行、自分でも緊張して落ち着きを失っているのが分かります。

 

 

 そうするうちに、いよいよシドニーです。ご存知オペラハウスを上空から見ることができました!緊張は収まりませんが、こういう景色を見るとテンションは上がります。

 

 

 それにしても、オペラハウスががっかり名所だなんて誰が言い出したんでしょうね?遠目から見た限りでは決してダサいとも思えませんし、ビルに囲まれて周囲の風景が台無しってのでもなければ、まわりはちゃんとした海で、人工水路でもないですし。

 もっとも、我らが世界一のがっかり名所と比べたら、なんだってなんちゃあない代物ということになってしまうのですが……

 と、ムダなローカル・プライドを見せている間に飛行機は降下します。そしてシドニーの海岸をぐるりと回り、キングスフォード・スミス空港に着陸しました。ここで入国手続きや税関手続きを済ませてから、飛行機を乗り換えます。

 ちなみに、オーストラリアに入国するには電子ビザが必要です。事前に申請して支給を受け、公式のアプリもスマートフォンにインストールしておきます。

 ただ、着いてみるとキオスク(自動発券機。売店ではない)でパスポートを読み込ませてチケットをもらい、さらに進んだところでチケットを機械に読み込ませ、写真を撮らせて入国します。

 アプリは何だったんだと思いましたが、うっかりスマホをどこかに忘れたり充電切れにしたりというのはあるので、提示しないと入国できないよりは良いってことか、とは思います。

 入国したら機内預かりの荷物をいったん受け取って税関へ。オーストラリアの税関は自然環境保護のために厳しいチェックを行っていると聞きましたが、特に咎められることもなく、すぐに通過OKが出ます。そして乗り継ぎカウンターでもう一度荷物を預け、国内線のターミナルに向かいます。

 

 

 第3ターミナル、メルボルン行の飛行機の搭乗口にやって来ました。

 付近は既に人が結構集まっています。WCSの開会式を明日に控えていますし、今ここで飛行機を待っている人たちの中に結構な数の社会学者がいるのだと思うと、親近感と言っていいようなどうなのか、不思議な感情が湧いてきます。

 

0⃣

 

 飛行機に乗り込むと、iPadが座席のポケットに入っていました。機内エンターテインメント用に使うみたいです。

 

 

 背もたれにフックがついています。ここにiPadを入れて使うことになります。

 ただし離陸着陸前後は使用禁止。かつiPadの位置情報は追跡されているとのことなので、ヘンな気を起こすものではありませんよ。

 

 

 シドニーを出た飛行機は、メルボルンまでおよそ1時間飛行します。短い時間ですが、機内サービスでビスケットが出てきました。

 

 

 飛行機は飛び上がったかと思うと、ほどなく降下を始めます。眼下にメルボルンの市街が見えてきました。

 何の自信もなく、仕事に追われるがままに報告のスクリプトも作ってなければ、練習もできずに来てしまっただけに、緊張と不安は否応にも増していきます。逃げたい気持ちを抑えながら、落ち着き払っているふりをします。

 

 

 ふと見ると、スタジアムが現れました。

 日本では見かけない長円形のスタジアム……って、あっ、そうか、オーストラリアンフットボールのスタジアムだ!

 オーストラリアには独自の発展を遂げたフットボールがあります。ただし、アメリカンフットボールカナディアンフットボールとは全然違う競技です。

 実は、昔モンゴルの報道で、現地の愛好家が日本のチームと交流行事を行ったというのを読んだことがあり、それで知ったのです(残念ながら、その記事がいつのものかは失念してしまいましたが)。

 その流れで、競技についても少し調べたりしたのですが、ホンモノの長円形の専用スタジアムを見るのは、当然生まれてはじめてです。あぁ、オーストラリアに来たんだなぁ。

 

 

 そしてメルボルン国際空港到着。ここからは空港と市内を結ぶ「スカイバス」に乗り込みます。

 荷物をバスの1階の収納スペースに置いて2階へ。ダブルデッカーともなれば、そりゃ2階が良いですよね。

 もっとも、人間考えることは同じなわけで、おかげで席を探すのには一苦労しましたが、何とか空席を見つけます。

 なお、日本のリムジンバスとは違い、座席は路線バスとそう変わりません。それで市内まで高速を飛ばすので、慣れてない身には結構スリルがあったりします。土地勘もゼロなのでいつ着くのかと思っていたら、目の前に大きな観覧車が見えてきたところで高速を降り、その後はほとんど距離もなく、目的地のサザンクロス駅に到着しました。

 

 

 で、降りていきなり目に留まったのがこちら。駅の外にもあって、結構根付いているようです。

 

 

 そして、なんかどっかで見たような、ハンバーガーショップのロゴ……あまり深くは考えないようにしましょう。

 

 

 駅からすぐのホテルにチェックインして、街を歩いてみることにします。会場も近いので迷うことは無いでしょうが、一応下見はしておきたいですし。

 再び外に出ると、市内を走るトラムに早速出会いました。このような超低床型の連接車が、ベルを鳴らしながら走っていきます。

 

 

 こちらは単行の電車。この2種類がトラムの主力のようです。

 

 

 停留所には、なんとファイナルファンタジーXVIの広告パネルが。なんだかんだで、日本のコンテンツにも根強い人気のあるものが残っているんですよね。

 

 

 市内の交差点で見つけたモニュメント。アメリカだと車が地面に刺さっているモニュメントはいろいろあるらしいのですが、これは初めてです。なお、ホンモノの電車ではなさそうです。

 

 

 街中で電動自転車と電動キックボードが停めてあります。レンタルサービスのようですね。気にはなりますが、使ったことがないので乗り出せません。ホテルから会場まで、普通に歩ける距離ですしね。

 

 

 そして今回の会場の一つ、クラウン・エンターテインメント・コンプレックスです。実は私の報告会場がこちらの一室なので、日本を出る前に下調べをしたのですが、カジノやホテル、レストランばかりが目立って、これが学術会議を行う場所なのかと不思議でなりませんでした。会議場があるのは確認できたのですが。

 そして実際に入ってみると、真っ先に出くわしたのはカジノでした。本物のカジノ、実際に見るのはこの歳になって初めてです。

 それは良いのですが、そうなると会議場が本当にあるのか、あらためて不安になってきます。それで場内を歩き回り、会議場があることを実際に見て安心できたのですが、何だってカジノにコンベンションセンターがついてくるのか、と思ったら、これこそが今話題のIR、統合型リゾートの典型なんですね。会議に来ている分には、リゾートな気分とはまるで程遠いのですが……

 ちなみに、帰りに適当に歩いていて、気がついたらカジノのまん真ん中に入り込んでしまったのは焦りました。まさかのカジノデビュー。いや、ベットはしませんでしたが。

 

 

 もう一方の会場が、こちらのメルボルンカンファレンス・エキシビションセンター(MCEC)。このうちカンファレンスセンターで開会式典や全体集会等が行われます。むしろクラウンよりこちらがメインになりますね。

 

 

 明日からの世界社会学会議の案内がビジョンに出ています。ちょっとした鼻高々な気分と、これから1週間への怖さが、同時に沸き上がります。

 そして、会場として記された"Narrm"という単語。これが明日からの会期を通じた大事なキー・ワードになるのです。

 

【参考】オーストラリアンフットボールについて、日本語の情報は競技団体のウェブサイトをどうぞ。

 

jafl.org

 

[次回エントリ]

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