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IPBLグランドチャンピオンシップ2022(1)準決勝第1試合・高知ファイティングドッグス対信濃グランセローズ

 

 3年ぶりの日本独立リーググランドチャンピオンシップ、準決勝は高知ファイティングドッグス信濃グランセローズ四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグの覇者の対決、以前なら頂上決戦だった組み合わせです。

 

 

 

 試合に先立ってくまモンの始球式があります。事前にアナウンスされていた通りです。

 

www.3710920.com

 

 

 そのくまモン、マウンドから思い切り走り寄って投球(笑)

 

 

 試合前のセレモニーが恙なく終わったところで、いよいよプレーボールです。ドッグスはレギュラーシーズンと変わらない面々で臨みます。

 

 

 一方のグランセローズは元オリックスで投手コーチ兼任の荒西が先発マウンドに上がります。荒西はいささかアバウトながら勢いのある投球、今季四国では対戦のなかったクラスです。

 

 

 一方のドッグス先発はもちろん平間。守備から流れを作りたいところです。

 

 

 しかし初回、平間が先頭の古谷にヒットを打たれると、続く小西の遊ゴロで送球エラー。直後に1死は取ったものの、4番大川のタイムリーで先制されてしまいます。

 

 

 さらに5番澤端がライトへの3塁打を放ち、追加点を許すことに。

 これで1死3塁となったところで、3塁走者澤端のリードが大きかったところを衝き、牽制で刺すことに成功します。

 

 

 ところが、このプレーから両チームの選手が対立。乱闘騒ぎになってしまいます。

 

 

 グランド上のやり取りが聞こえたわけではないので、経緯について根拠のない憶測を垂らすのは控えますが、いずれにせよこれで審判団から警告試合が宣告されました。どちらのチームにとっても嫌な流れです。

 

 

 ともあれ、高知はこの直後に反撃に出ます。先頭の鳥井が歩くと、2死となったものの相手の暴投で走者を進め、さらに山田のライトへの3塁打で1点を返します。しかし後が続かず、得点は1点止まり。

 

 

 ここから試合は3回まで両チーム無得点で、4回表となりました。

 さら丸とSALLYSが踊っているのは、きつねダンスならぬ「とかげダンス」とのこと。

 

 

 さらにドッキーまで出てきて盛り上げます。

 ただ、この後も試合は膠着状態が続きます。

 

 

 そして大事な次の1点を取ったのは、高知ではなく信濃でした。先頭古谷がピッチャー前内野安打で出塁、その後内野ゴロ2つの間に3塁まで進むと、大川のレフトへの2塁打で生還します。対する高知は荒西の投球に狙いを絞れず、2点目が取れません。

 

 

 4-1で5回を終了、グランド整備の間に行われたのはストラックアウト(名称は違う気がする)でした。マスコットもそろって応援を送ります。

 

 

 そして試合が再開された6回、吉田監督は平間に代えて野里を送って勝負に出ます。野里は信濃打線を三者凡退に抑え、味方の反撃を待ちます。

 

 

 7回表、ラッキー7の攻撃に応援歌が流れました。本来チアの応援はないのですが、この日はSALLYSが登場。知らないうちに振り付けもできています。

 ドッグスの出場が決まったのは24日。それから1週間もないのに、よくぞ準備できたものです。流石はプロフェッショナルですよね。

 ……って、ドッキーは?

 

 

 だいぶ後から走って出てきたドッキー。頼みますよホントに。

 

 

 一方の裏の攻撃、こちらもさら丸とSALLYSがグラッツェの応援にやって来ました。大忙しです。

 

 

 そしてその7回、高知は野里が2イニング目に入りましたが、先頭南出のファースト方向にバントヒットを決められると、盗塁と内野ゴロで進塁され、2番小西のタイムリーで点差を広げられてしまいます。

 この小西に限らず、信濃の選手は塁に出るたびに、と言えそうなほどポーズをとります。ベンチの選手は選手で、いちいち揃って前に出て歓声を張り上げます。四国の4チームではとても見られない雰囲気です。

 

 

 続く8回裏、高知は3番手に谷村を送り、信濃打線を何とか食い止めようとします。

 

 

 しかし、この回先頭の永澤が3球目を捉え、ライトオーバーのホームランを放ちます。あまりにも重い1点が信濃に入ってしまいました。

 

 

 そして最終回、信濃は好投を続けた荒西に代えて、足立真に試合の〆を託します。

 

 

 それでも諦めるわけにはいかない高知は、先頭の乗田が四球を選んで反攻の糸口をつかみます。しかし、1死1塁から2番早坂の放った打球は投手足立真に当たり、フラリと上がった後に宇佐美のグラブにノーバウンドで納まります。1塁を離れていた乗田は戻れず、3アウト。あまりに不運な形で、高知の日本一への道は終わりました(なお足立真は大丈夫、だったはず)。

 

 

 最終スコア。数値上でも明らかな差がついてしまいました。

 観戦していた感じで言えば、ドッグスの選手が呑まれた、という印象です。

 グランセローズの選手は普段通り勢いよくプレーできた反面、賑やかな球場で賑やかにプレーする機会の乏しいドッグスの選手は、普段とは違う高揚感の中、自分たちの野球ができなかったように思えてなりません。

 ただ、上を目指すなら、これをはるかに上回る賑わいの中で野球をしないといけないわけで、今日はそのための勉強です。そうでないとしても、四国の他の3チームができなかった貴重な体験をしたわけです。

 試合結果はともかく、めったにない祝祭的な空気の中でプレーできたこと、それは四国の覇者の特権であったことは確かなわけです。この経験を糧にしてもらえれば、とは思います。