地方サッカーリーグクラス日本一を決める全国地域サッカーチャンピオンズリーグ。今年は1次リーグCグループが春野球技場で開催されます。3日連続3試合のハードスケジュールのうち、第3節の2試合を観に行きました。
全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(長いので以下「地域CL」)は、全国各地方サッカーリーグの覇者9チームに加えて、全国社会人サッカー選手権(以下「全社」)でベスト4に入った地方サッカーリーグ2位または3位チーム、あるいは地方サッカーリーグ2位チームでJリーグ百年構想クラブまたは各地方の輪番枠を得たチームから3チームを選出し、合わせて12チームがエントリーします。
出場する12チームは3グループに分かれて総当たりの1次リーグに参戦。各グループ1位チームと、2位チームのうち最も成績が良かった1チームが決勝リーグに進みます。そして決勝リーグで優勝、準優勝となったチームは、希望に基づいて社会人サッカーの最高峰JFL(日本フットボールリーグ)に昇格することができます。
Jリーグ加盟を目指すチームにとっては、JFLが最後の難関。ただ、昇格権を得るのは12チーム中たったの2チームだけ。しかも1次リーグは3日連続、決勝リーグは中1日だけで5日間、昇格条件も日程も極めて過酷な戦いです。
今年四国サッカーリーグ3連覇を果たした高知ユナイテッドSCは、過去2回地域CLの1次リーグの壁に跳ね返されてきました。しかも去年は勝ち点ゼロの惨敗です。しかし、今年は地元高知で1次リーグが開催されるという絶好のチャンス、ここで勝ち上がらないわけにはいきません。
はたして始まった1次リーグ、高知ユナイテッドは東北サッカーリーグで2位ながら輪番の出場枠を得たブランデュー弘前、中国サッカーリーグ(中国地方なので念のため)で優勝したSRC広島、関西サッカーリーグ優勝にして全社準優勝のおこしやす京都(以下「お京都」)との対戦が決定。その中で前日までに、2試合2勝。まだ安心はできないまでも、優位に戦いを進めてきました。そして今日は運命の第3節、お京都と1位をかけて第2試合で激突します。
ただしその前に第1試合。SRC広島とブランデュー弘前との対戦から観ることにします。
地域CLだけあって、時計までついています。この日はSRC広島がホーム、ブランデュー弘前がアウェー扱いです。
弘前なので横断幕も津軽の言葉。「じゃわめぐ」とはぞくぞくする、居ても立っても居られないような高揚感を表現するのだそうです。
ただ、ブランデュー弘前もSRC広島も、第2節まででともに2敗となり、既に敗退が決定。Jへの挑戦はまた来年に持ち越しです。
メインスタンドには、遠く弘前から駆けつけたサポーターが寄せ書きを掲げています。
ベンチの壁にも寄せ書きの入った団旗。リーグ戦の結果はどうあれ、負けたままで帰りたくはないはずです。
審判団と両チームの選手が入場してきました。特に音楽等はありませんが、弘前のサポーターからねぷたまつりの「ヤーヤドー」の掛け声が上がります。
ブランデュー弘前の先発イレブン。アウェー扱いですがホームユニ着用です。今年の1次リーグでの下馬評は決して低くなかったのですが、第1節で高知ユナイテッドSCに逃げ切られたのが痛手となりました。逆に高知は前年の1次リーグで敗れた借りを返した形です。
こちらは広島SRC。第1節でお京都に惜敗すると、第2節では高知に0-7の大敗。中国サッカーリーグ最終節で劇的な優勝を果たした勢いを見せることができません。
前半は弘前ボールでのキックオフ。開始早々攻守が頻繁に入れ替わる展開です。
四国サッカーリーグとは違い、スタンドとの間に仕切りが設けられています。それでも間近でプレーする臨場感はそのままです。
ちなみに、この日は高知もアウェー扱いになるので、弘前側で観ています。
攻め合いが続く中、試合が動いたのは前半28分。ブランデュー19番笠原が左から上げたクロスがSRC選手の脚に当たり、ボールはそのままゴールへ。SRCにとっては流れの悪さを痛感する展開です。
このまま今日もズルズルと押されるかと思いきや、SRCは立ち直ります。41分には11番キャプテン林が放ったシュートが相手守備とキーパーの間を縫ってゴールへ。意地の同点劇を見せつけます。
その後は両チームとも得点はなし。アディッショナルタイムには弘前サポからヤーヤドーの声が上がる中、1-1で前半が終了します。
後半はSRCボールで始まります。当初はSRCの攻めが目立ちましたが、徐々に弘前がペースをつかんでいきます。
そして57分、弘前は11番高橋がゴール前左から落ち着いてシュートを決め、勝ち越しに成功します。
さらに75分、弘前19番笠原が右からのラストパスにきっちり合わせて押し込み、3点目を奪います。
その後は再び両チームの攻め合い。地域CLでは交代枠が5人までなこともあり、次々とサブの選手を投入していきます。
ただ、試合自体が動くことはなく、そのままタイムアップ。弘前が最後に勝ち点3を得ることになりました。
最終スコア。SRCは何とかゼロ得点での敗退は免れました。
試合終了後、メインスタンドの方に行く途中で、弘前の選手がサポが待つバックスタンドに行くのを見かけました。サポと一緒に、勝利のラインダンスを踊っています。
1次リーグで敗れた両チームにとっては、この試合が今年最後の公式戦。そしてこのメンバーで戦うのも、おそらくこれが最後です。
これから別れと出会いを経て、チームは来季の挑戦へと向かっていきます。
そして、続く第2試合はこちらで。