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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

JRで久慈から五所川原へ(2019早春の東北一周No.16・いわて→あおもり)

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 もぐらんぴあから再びタクシーで陸中夏井駅へ戻ってきました。ここからはローカル線を乗り継いで、この日投宿する五所川原まで一気に北上します。

 

 

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 昨日からの強風で列車が停まっていないか、時折粉雪が入ってくる駅舎で心配していたのですが、定刻になると無事八戸行の列車がやって来ました。やはり最新鋭の車両です。

 八戸線と言えば腕木式信号機という旧来の信号機がJRでは最後まで使われていたり、その廃止後も旧国鉄時代からの車両が長く使われていたり、「昔ながらの」というイメージが強い路線でした。ただ、今回訪れてそのイメージが一気に変わった気がします。

 

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 列車は陸中夏井を出てからしばらく内陸を走りますが、陸中中野で太平洋沿いに出てきます。海の眺めが美しい路線ですが、この日は兎に角風が強い。県境の平内に着くと、ここから階上(はしかみ)駅まで速度を落として運転するとのアナウンスがありました。八戸での接続時間があまりないことを思い出し、また不安になります。

 

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 そして階上まで着くと、様子見のためしばらく停車するとのこと。この時点で不安の中へ徐々に諦めが入り込んできます。ただ列車は2, 3分程停車したところで運転再開。そこから速度を上げて走っていきます。何とかなるかも知れない、今度は楽観が生まれます。

 しかし、八戸に着いたのは結局12分遅れ。予定した青森行は既にホームを出てしまっています。次の列車が出るのは1時間半以上後。待合室のある大きな駅とは言え、風雪の中をずっと待ち続けるには、体力と健康上の自信がありません。

 そこで急いで調べると、10分後に新青森までの新幹線があるのを発見!追加の出費は痛いですが、そんなことを言っている場合ではありません。急いで券売機できっぷを買い、ホームに向かいました。

 

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 新幹線はやぶさ号は安定の定時運転。風も雪もものともせずに到着しました。ここから新青森までワープすれば、予定よりも早く五所川原に着いてしまいます。

 

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 ご承知の方も多いと思いますが、北海道・東日本パスは特例区間を除いて新幹線や特急列車には使えません。ただ、八戸・新青森間は「新幹線Wきっぷ」という2枚組の企画きっぷがあって、少しは安く上がります。

 ただしこの区間の新幹線は全席指定で、このきっぷだと立席利用になります。空いている席には座れても、指定券を持っている人がいれば、どかないといけません。とはいえ、この列車に関しては八戸で降りる人が多く、あっさり座ることができました。

 

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 落ち着くとお腹が減ります。実はこの時点で15時を回っていたのですが、なんだかんだでお昼ご飯を食べていなかったのです。ですが八戸でお弁当を買う時間もなく、ひとまず前日に久慈のスーパーで買った南部煎餅で当座を凌ぎます。

 そして新幹線は雪景色の中を何事もなく飛ばしていき、20分程で新青森に着きました。ここでもあまり時間はなく、すぐに弘前行の普通列車に乗り込みます。 

 

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 先程「雪景色の中を」と書きました。だいたいこんな感じです。こちらは普通列車からの景色ですが、七戸十和田付近からの新幹線の車窓も、あまり変わったものではありません。高知では既に桜が咲いているそうですが、遠い世界の話です。

 

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 電車は弘前駅に着きました。と言っても、こちらの電車に乗って来たわけではありません。かつこちらに乗り換えるわけでもありません。この電車は地元私鉄の弘南鉄道黒石行です。時間があれば、またこちらにも乗りたいんですけどね。数年前に乗った時、終点黒石で焼きそばを食べそびれたもので。

 

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 乗り換えるのはこちらです。五能線の深浦行、それぞれ塗装の違う3両編成です。

 五能線は川部から能代までを結ぶローカル線で、川部は先程通り過ぎたところです。なんでわざわざこちらまで来たのかと言うと、川部駅は待合室こそあるものの、ホームが吹きさらしで寒そうだったこと、何より食料を調達したかったからです。はたして改札口には小さいながら売店があり、無事遅い昼食を手に入れることができました。

 

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 売店で入手したのがこのパン。スポンジケーキのサンドなのですが、イギリストーストのシュガーマーガリンをサンドしたというのがポイントです。

  ここで「イギリストースト」というのを見てピント来た方、青森経験を結構お持ちですね? 山食パンにマーガリンとグラニュー糖をサンドしたパン、高知で言えばぼうしパンクラスの定番なのです。

 

www.kudopan.co.jp

www.pomit.jp

 

 リンク先によれば、「イギリストーストを食べたことがある?」は青森県人には愚問と言われるとのこと。なので私も尋ねたことはないのですが、それだけ県内で膾炙しているということでしょう。

 なので、このスペシャルはじめ派生商品もたくさんあるのですが、流石にイギリスフレンチトーストと言われると、どっちかにまとめられなかったのかとは思います。口の中がファショダ事件になりそうです。

 

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 列車は川部駅から五能線に入ります。雪はますます激しく降り、ご覧の有様です。日本は広いですね(震え声)

 

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 ただ今回も列車の運転には支障がなく、難なく五所川原に着きました。ここで本日の予定終了です。

 

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 ローカル線での観光列車に力を入れるJR東日本日本海の絶景が楽しめる五能線では、リゾートしらかみ号が運転されています。乗ってはみたかったのですが今回は予定が合わなかったので、今後のお楽しみということで。

 駅から冷え込む街に出て、ホテルにチェックイン。そこから今晩と明日朝の食事を調達しに出かけます。寒いので遠出は控え、近所のコンビニに入ったのですが、ここが残念なことに地場の食品が一切なし。イギリストーストはおろか工藤パンの製品もなんら置いていない有様です。ならばどこかに食べに行けばいい気もしたのですが、土地勘がない上に、このところの寒気にどうもやられたらしく、長く外に出る元気もありません。仕方なく温かいものを仕入れ、ホテルに戻りました。

 

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 ……と言いつつ、地場の酒だけは調達したところが、我ながらしぶといと言うか何と言うか。

 

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