いつの間にか日本でも定着してしまったハロウィーン。その過程でトラブルも出ているようですが、これは何も日本だけの問題ではありません。モンゴルでは小・中・高校での行事を禁止する通達が出るに至りました。
教育・文化・科学技術・スポーツ省*1が、2018年10月22日付で一般教育学校(日本の小学校から高校に相当)でのハロウィーン行事を禁止する通達を出した―こんな報道をモンゴルの複数のメディアが報じたのが、25日のお昼頃でした。以下がその例です。
■ БСШУСЯ-наас сургуулиудад Halloween-ий баярыг тэмдэглэхгүй байх чиглэл өгчээ (Зууны Мэдээ)
いずれも見ての通りモンゴル語報道なのですが、何故か中国新華網が英語でこの件を報道しています。
■ Mongolia bans Halloween celebrations in all schools - Xinhua | English.news.cn
そのうちモンゴルからの英語報道も出るでしょうが、それはまた後で確認します。
さて、モンゴルからの上記の報道は、どれも教育・文化・科学技術・スポーツ省の発行した通達文書のコピーを掲げています。文書は2018年10月22日付で、第4/12328号と記されています。
なので、これがガセである可能性は低いとは思ったのですが、念のため教育・文化・科学技術・スポーツ省のウェブサイトを確認したところ、はたしてその通達文が公開されていました。
通達文を公開したリリースのタイトルは、「一般教育学校の指導部に『ハロウィーン』または霊魂の祭りを祝わないものとする方針を与えた」となっています。
そして通達文は県・首都の教育担当部局長に対するもので、本文はだいたいこんな感じです。
一部の一般教育学校で、「ハロウィーン」または霊魂の祭りに際して子どもからお金を取ったり、特別な衣装を要求することに関して、父母や保護者が省に対して苦情を寄せている。
モンゴル国で適用される『公祝祭日に関する法律』第4, 5条で、「公祝日」「公祭日」の名称と月日がそれぞれ定められている。他方、「ハロウィーン」または霊魂の祭りは、モンゴル国の公祝祭日の一覧には入れられておらず、この祭りの行事を学校の開催で行わない方針を、あらゆる所有形態の学校の指導部に与え、監督されたい。
(モンゴル国政府教育・文化・科学技術・スポーツ省ウェブサイト上記リンク先より)
正直なところ、祝日と祭日の違いがよく分かっていないのですが、ここでの問題の中心ではないので、気にしないことにします(ぇ
さて、最初この報道を見た時には、半分ぐらいネタではないか(ガセではないにせよ)と思ったのが正直なところです。ただよくよく読んでみると、公立私立全てを問わず、原則すべての初等中等課程教育の学校に対してハロウィーン関連行事を禁止することが示されているわけで、意外にもかなり大掛かりな政策です。
私はモンゴルでハロウィーンが定着する過程を見ているわけではないので、現地での盛り上がりについては全然知りません。むしろ、経験者のお話を是非伺いたいくらいなのですが、ただこの通達文を見る限り、中央政府の中でハロウィーンの騒ぎに業を煮やしていた人々が相当数いたとは判断できるでしょう。
もっとも、問題はこの通達がどれほど実効力を持っているかです。また禁止する以前に、遊牧地域において、ハロウィーンがそもそも浸透しているのかという素朴な疑問もあります。
ともあれ、当日まで1週間を切ったモンゴルの「ハロウィーン」または霊魂の祭り(とりあえずこう訳してみましたが、「諸聖人の日」とは区別されていると思いたい)。突如出されたこの通達に、どのような反響があるのか、温かく見守りたいと思います。