「あそ号」で再び高千穂にやって来ました。ここでバスを降りて高千穂駅に向かい、高千穂あまてらす鉄道に乗りに行きます。
高千穂あまてらす鉄道は、廃線になった高千穂線の末端区間を引き取り、高千穂駅から高千穂鉄橋までの区間にカートを走らせているほか、ディーゼルカーの運転体験などのアトラクションを提供しています。全国各地でローカル線が廃線に追い込まれる中、廃線を地域の観光資源として活用するとともに、鉄道の遺産を時代に継承しようとする取り組みです。
当方はあくまで現役営業路線の乗り鉄なので、廃線紀行は専門(?)ではありません。ただ、高千穂鉄道の存在には非常に興味をそそられてきましたし、この機会に是非とも訪問しておきたいと思っていたのでした。
高千穂バスセンターから丘を登り、高千穂駅の上にある広場まで来ました。かつての高千穂鉄道の駅名板が今も残っています。
高千穂駅は丘を切り通した下にあり、駅へは階段を降りていきます。駅に売店があるのか、アイスクリームの広告看板がありました。
駅への階段は途中分岐もなく、降りればそのまま駅に着くのですが、放っておくと途中で心配になる人でもいるのか、矢印が付いています。
階段を下りきり、駅に着きました!
……が、何か様子がおかしい。駅舎が開いてません。どういうことなんでしょうか。嫌な予感がよぎります。
的中(倒
年末に行き帰りできるよう、無理くり予定を組み込んだはいいのですが、休業日のチェックを忘れていました。なんてこった……
神楽のボードが立っていますが、その後ろにも「休園」の文字。むしろ気持ちは神楽よりも吉本新喜劇の桑原和男さんの「神様~!(涙」です。頭の中でツィゴイネルワイゼンが流れています。
とはいえ、休みのものはどうしようもないので、とりあえず見える範囲で見てみます。こちらは高千穂駅のホーム。現役当時は知らないのですが、今でも延岡から列車が入ってくるような気がしてきます。
駅名板は高千穂線当時そのまま、次の駅に天岩戸駅を示しています。高千穂あまてらす鉄道は現在天岩戸・高千穂間の鉄橋までの営業になっているのですが、将来的には天岩戸駅まで区間を延ばすという話もあり、そうなるとこの駅名板が本来の役割を取り戻します。
SL型の観光車両。ウェブサイトには情報が出ていないのですが、駅構内用でしょうか。
真っ平らな車両。無蓋車(屋根のない貨物車)なのか、別の用途があるのか。
こちらは本来保線用のカート。駅構内を走れるそうですが、それも営業日であればの話。つくづく残念です。
駅の向かいに高千穂鉄道本社の標柱がありました。なかなか風格のある本社ビルです。
と、駅近くから見えるのはこのぐらい。残念ですが、何とか再度訪問できることを願いつつ、高千穂駅を後にします。
丘の上に戻ってきました。遠くに駅の車庫が見えます。
やはり高千穂、壁には神楽の絵が描かれています。
陸橋の上まで来ました。陸橋は高千穂から延岡方面に架かっていて、駅構内がほとんど見渡せます。
車庫の奥。世が世なら、ここを通って立野から熊本・大分、全国に鉄道で旅ができたかも知れないところですが、今は最新鋭のスーパー・グランドカートが止まっています。
天岩戸方面は、奥の方まで二組の線路が延びています。切り通しの幅はさらに広く、途中までは左右にもう一組ずつ線路が引けそうです。あるいは、相当大きな鉄道の拠点を作る計画があったのかも知れません。
さらに奥、天岩戸方面へ延びる線路。この上を走る日が来るのを願いつつ、高千穂鉄道を後にしました。