とさでんははりまや橋から東西と南北それぞれの方向に走るのが基本ですが、日中は高知駅前からはりまや橋を西に折れる電車も走っています。ターミナルから市内中心地に走る、その系統の終点が、枡形駅です。
枡形駅付近の電停は、上り下りのホームが交差点を渡ったところにあるところが多くなっています。
こちらは下り西行、鏡川橋から朝倉、伊野方面へのホーム。鏡川橋行の電車の奥には、高知駅前から枡形まで走ってきた痛い電車が停まっています。これから伊野方面に少し走った後折り返し、渡り線を通って上りの線路に移り、高知駅前行きになります。
駅の北側には商店街があり、その入り口にゲートが架かっています。電車の停留所は「枡形」ですが、交差点と商店街の表記は「升形」と、木へんがありません。
この日は祝日で商店街は休みでしたが、毎年8月になるとこの辺りは活気づきます。この商店街付近は、よさこい祭りの升形地域競演場。升形交差点から北に150メートルほどの間で、各チームが踊りを繰り広げます。
昨年のよさこい祭り。地方車を先頭に、各チームが電車通りの東行から左に折れて登場します。
150メートルという距離は、他の競演場と比べると短い部類に入ります。ただ道幅が広く見通しが良いので、次から次へとやって来る各チームの踊りを、混雑をあまり気にせずじっくりと眺めることができます。
踊りの列は日が暮れようが、まだまだ続きます。
それどころか、升形をはじめ各演舞場の終了時間は21時半。夜こそが本番というチームも多いのです。
年に1度、2日間。升形には全国から、場合によっては世界から人々が馳せ参じ、よさこい踊りの熱気に酔いしれます。
ただ、今はまだ冬。ケーブルテレビで再放送はありましたが、本番はまだまだ先のこと。街はよさこいを待ちわびながら、静かに佇んでいます。
一方で、交差点にはまだ真新しいこんな看板も。最悪の想定でしょうが、このような事態も待ち受けています。
やがて来る熱気と凶事を待ちながら、日常は繰り返す。先程下り線にいた痛い電車が、高知駅前行となって東行のホームに入り、入口のドアを開けました。