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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2015冬・北からの帰還(9)(終)大歩危で高知行普通を待ちわびる

 運転士の声で目を覚ますと、ディーゼルカーはもう動いてはいません。終点大歩危です。ここでしばらく待てば、いよいよ高知行の列車に乗り込むことができます。

 

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 すっかり日が落ちた大歩危駅。観光地として有名なところですが、駅自体は賑わっていないのか、特急停車駅なのに無人駅になっています。ここまで来た普通が僅かな乗客を吐きだしてしまえば、人影など見るべくもありません。

 

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 大歩危駅前。普通列車から降りた乗客を出迎えた車が去って行ったところです。タクシーは停まっていますが、次の特急までは少し時間があります。

 そして、車はいても、出歩く人影は見当たりません。

 

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 大歩危駅。観光地の玄関口にしてはこじんまりとした駅舎です。

 

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 駅名板は一枚板。

 

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  駅舎の中は古民家風。ただバスの時刻表やチラシ、ポスターが所狭しと並べられていて、どうにもせわしないイメージです。

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 囲炉裏風の待合スペース。暖房には使えなさそうです。その上には駅の訪問者用の記録ノートが置かれています。

 

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 待合スペースのベンチは全て木製。

 

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 先程からコインロッカーが気になります。なんかやたらめったらステッカーが貼ってあるのが。見てみると、

 

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 怖い(小学生並の感想)

 確かに大歩危峡は山の中です。妖怪伝説の1つや2つや3つや4つ、あっても不思議ではないのですが、それにしてもこんなに貼りまくるかと。

 

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 改札には子啼爺まで立っています。何事かと思ったら、やはりこの辺は妖怪伝説の残るところで、大歩危駅のすぐ近くにある道の駅が妖怪村になっているのだとか。

 それにしても、今はまだ宵の内だからいいとして、最終列車の時間ぐらいに見たいとは思いません。もっとも何度も見ていれば慣れるのかも知れませんが、これで停電でもあった日には正直平気でいられる自信がありません。

 と思ったら、改札の左側には普通にかわいらしい犬がいて安堵します。お茶犬のようですが、温泉に浸かっているのでしょうか。

 

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 時間は少々早いですが、駅の中にいても仕方ないですし、ホームに向かいます。いや、怖いわけじゃないですよ。怖がってるんじゃないですからね。

 駅の方向案内板が一枚板で掲げられています。あんなに魑魅魍魎が跋扈しているのに、駅舎のキャラクターは他の主要駅と同じ路線です。

 

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 下りの南風・しまんとがやって来ました。これに乗れば高知に早く帰れます。しかし、ここまで基本普通列車の乗り継ぎで来た意地もあります。最後まで普通で帰ろうと、特急列車を見送りました。

 

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 続いてやって来たのは上り南風岡山行と、しまんと高松行の併結列車。

 

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 今は年末の繁忙期で、特急の車両数は増量中。なので、列車が駅をはみ出してしまうこともままあります。

 

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 特急が去り、再び静寂の中に置かれたホーム。ただ、もう少しで高知行がやってきます。

 

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 多度津から乗ってきた列車は、阿波池田まで折り返し。高知行が発車して、しばらくしてから大歩危を出ます。

 

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 普通列車アンパンマンのキャラクターが描かれているのが多いのがJR四国。それでも、ここまで一堂に会しているのは珍しいと思います。

 

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 そしてついに高知行の列車に乗り込みます。これで大歩危を発てば、次の駅は土佐岩原。やっと高知県に帰ることができました。

 ただ、旅の緊張感で押し止められてきた疲れは、安堵感とともに仕切りを失いなだれ込んできます。ここからは意識も途切れ途切れ、気がついたら高知駅に到着間際だったのでした。

(了)