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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2015年冬・北からの帰還(8)沼津から四国まで普通列車で

 旅行最終日。この日は沼津5時発の始発電車に乗る予定です。沼津の宿には日付が変わる少し時前に入ったばかり、時間もないですし、寝過ごすのだけは怖いとばかりに徹夜するつもりだったのですが、不覚にも寝入ってしまいました。そして気づけば4時45分!大急ぎで身支度を始めますが発車まで時間が無い。果たして間に合うのか!?

 

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 はい、間に合いました。盛り上がらない展開で済みません(汗

 18きっぷの旅なんで普通列車利用が基本。ですから間で特急や新幹線でワープすれば、5時を大幅に過ぎても帰れます。それはもちろん分かっていますが(ってか乗り遅れた場合の旅程表も作ってますし)、18きっパーのプライドとして使わずに済むワープは入れたくない、まして自らの失態でワープを余儀なくされるなど恥も良いところです。

 ただ、ミスはあったものの影響は防げました。ここから通常通りに帰ります。沼津から静岡まで出て、乗り換え時間もあればこそ、浜松行に飛び乗って、終点浜松でも急ぎの乗り換えに向かったところ、停まっていたのは特急用の電車でした。しかし豊橋行の普通に間違いはなく、幸運を喜びながら乗車、分厚いシートに身を委ねます。

 

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 終着駅豊橋。ようやく時間ができたので、ここで撮影です。

 ダイヤの都合等で、特急電車が普通や快速扱いになっていて、特急料金なしで乗れる例は各地にあります。一昨日乗ったカムイッポヨ昨夜乗った湘南ライナーはその好例ですが、これらは時刻表が読めれば簡単に見つかります。

 むしろ、地元の人や相当なマニア(私が言うなという話ですが)でなければ知らない、予期できないところで特急の普通運用に出くわすと、本当に得をした気分になります。「ぜいたくは素敵だ」と言いますが、所定の料金を払って所定のぜいたくができるのはある意味当たり前の話。そうではないところでできるぜいたくには追加的な効用がありますし、本当にありがたいものです。

 

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 ともあれ、ほぼ24時間ぶりに快適なシートを堪能して豊橋へ。ここからは特別快速で大垣まで一気にスピードを上げていきます。

 

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 大垣ではようやく乗り換え時間に余裕ができたので、お昼ご飯を調達しに駅ビルへと向かったところ、こんなキャラクターの看板を見つけました。調べたところ、「おがっきぃ」というキャラクターとのコンビのようです。

 

■ マスコットキャラクター「おがっきぃ」&「おあむちゃん」 | 大垣市

 

 うーんこの無難無難アンド無難にまとめたイメージ。何かがおかしいとか、これ何とかならなかったのかというところは感じられない一方で、逆に言葉は悪いですが「だからなんなんですか」というのがイマイチ伝わらない。

 カツオ人間やしんじょう君のようなキレッキレのキャラクターが行き交う高知に住んでいるだけに、感性が違ってしまっている可能性は認めます。ただ、すっ飛んだところがあるからこそキャラクターは目立つわけです。ふなっしーなんて本当に飛んでますし。そのすっ飛んだものって、そもそも求めているのかなぁという疑問は感じました。

 ただまぁ、特にアピールはしないけれども、細く長く、(「ゆるキャラ」の本来の意味とは違う、もともとの辞書的な意味で)ゆるくやっていく路線も、やり方次第であり得るわけです。その路線を追求するなら、それはそれでアリなので、簡単ではないでしょうけど地道に頑張ってくださいとも思います。

 ただ、短期で効果が出ないからって放りだすんじゃないぞと。そんなことでは次以降も失敗するでしょうし。

 

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 閑話休題。大垣からは米原行きの電車で関ヶ原越え。ここは東海道本線の難所の1つです。

 というのは、電車の本数が日中で30分に1本に減る上、車両数が少ないので、とりわけ青春18きっぷのシーズンは、席にあぶれる可能性が高いのです。

 ただ今回は早めの電車で大垣まで走り切ってしまい、早くからホームに並ぶことができたので、難なく座席を確保。1本あとの快速に乗っていたら厄介だったと思います。

 むしろ厄介だったのが、米原に着いてから。ここからは新快速に乗り換えなのですが、新快速は長浜方面から来ていて、既に乗っている人が結構います。しかも電車は8両編成、よくある12両ならまだしも空席はかなり限られます。

 それでも何とか席は確保できましたが、今度は京都に近づくにしたがって混雑が増してくる。大阪近辺では、これが休みの期間中かという程の混み合いです。気分的にも落ち着かなくなりますし、何より時間的にはいい加減お昼ご飯にしたいのですが、食料を出すのが憚られる。何とか三宮・神戸を越えて車内に余裕ができたところで、ようやく空腹を満たすことができました。

 

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 新快速は姫路止まり。ここから播州赤穂行に乗って、途中の相生で岡山行にさらに乗り換えます。

 

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 岡山行は末期色真っ黄色に塗られた国鉄時代からの電車。ただ車両が古いのはまだ良いとして、この区間は車両数が少なく、先程の大垣・米原間の関ヶ原越えと並ぶ18きっぷの難所です。

 なので、写真なんてとっていたら確実に座れないのですが、そこは腹を括って一枚撮影。そして案の定席は埋まってしまい、岡山までは立ち通しでした。

 

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 長旅の疲労は徐々に重なっていきますが、ともあれ岡山着。快速マリンライナーに乗れば、いよいよ四国です。

 

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 マリンライナー瀬戸大橋を渡り、ようやく四国にまでたどり着きました。瀬戸大橋の写真がないのは申し訳ありませんが、もう何度もわたっているので、今さら写真という気はどうしてもしてしまうもので(汗

 さて、坂出からは多度津まで、特急南風と連絡するサンポートで出ます。

 

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 多度津に着くと、去年デビューしたての新型特急が休憩中でした。「しおかぜ」「いしづち」として、岡山・高松から松山を結びます。前々から気にはなっている車両ですが、なかなか乗る機会ができません。こうなったら多少無理にでも作らないといけないのかも知れませんけどね。

 

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 と、特急の話が出てきましたが、私が乗るのは当然普通。そして、青森から乗り継ぎを重ねてきた電車の旅を終え、ここからは高知までディーゼルカーでの移動になります。多度津から琴平までは電化された路線なのですが、琴平を出てそれも終わり、いよいよ非電化単線に帰ってきました。

 ディーゼルカーはうねりながら高度を稼ぎ、山越えが始まります。

 

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 そんな山越えの名所が、日本屈指の秘境駅坪尻駅。余裕があれば降りたいのですが

、停車時間はごくわずか。

 

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 目の前を上り琴平方面行の普通が通過していきます。駅の構造上、ホームに別の列車がいると、通過せざるを得ないのです。もっとも、通過になって困るほどの乗客もいないのですが。

 そして上り列車が通過した後、列車は再び発車。山を下りて吉野川を渡り、阿波池田から大歩危峡を目指す……のですが、夜明け前からの移動の疲れがいよいよ身体に重くのしかかってきます。外は夜の闇に包まれ、意識がだんだん遠のいて……いく…のが……