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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

年に1度の笠岡まつり:高知ファイティングドッグス対愛媛マンダリンパイレーツ@笠岡(2024.7.21.)

 

 高知ファイティングドッグス岡山県笠岡市で開催している唯一の高知県外主催試合。今年もかさおか古代の丘スポーツ公園どんぐり球場で行われました。

 

 

 高知ファイティングドッグスの主催は高知県内各地で行われるのが基本。ただし例外が1試合だけあって、2021年に球団に在籍した藤井皓哉投手の縁で、岡山県笠岡市で1試合を開催しています。

 そして、藤井の福岡ソフトバンクホークス移籍後も笠岡開催は継続。高知県外での主催試合開催がこうも続くのは異例と言っていいでしょう。

 そういう不思議さにも惹かれ、今年で4年目となる試合を観るべく、岡山県笠岡市かさおか古代の丘スポーツ公園どんぐり球場に行ってきました。

 ……と言いつつ、笠岡に行きたかったのは、実は別の理由もありました。

 

 

 どんぐり球場のすぐ近く、笠岡市井笠鉄道記念館。50年以上前に廃止になった軽便鉄道井笠鉄道の展示を見ておきたかったのです。

 

 道路が発達していなかったその昔、日本各地に張り巡らされた簡易な鉄道路線である軽便鉄道。中でも知られた存在の1つが、岡山県笠岡市井原市を結んだ井笠鉄道です。

 鉄道は50年以上前に廃止されましたが、旧新山駅を残した建物には、かつて使われてきた機器や営業当時の写真が数多く残っています。

 

 

 井笠鉄道の最盛期の路線図。かつての沿線の井原市矢掛町国鉄の路線建設計画がありましたが、国鉄再建法施行で凍結。再び鉄道が走り出すのは、第三セクター井原鉄道が開通する1999年を待たなければなりませんでした。

 

 

 敷地には往時の車両も保存されています。転車台の上に乗るのは軽便の雄、コッペル社の蒸気機関車。他に客車や有蓋貨車も保存されています。

 

 

 保存館からすぐ近くの丘を登り、古代の丘スポーツ公園にやって来ました。

 見て分かる通り、暑いです。すぐそばでは子どもたちが噴水で遊んでいます。年甲斐もなく混ざろうとする衝動を必死に抑えて入場します。

 

 

 球場前では笠岡市が力を入れる笠岡ラーメンの露店が出ていました。猛暑の最中なので相当迷いましたが、せっかくなので食べてみます。

 

 

 笠岡ラーメン。細くしっかり目の麺がスープに絡み、鶏肉チャーシューは肉も味もしっかりしています。暑くても食べて良かったです。

 

 

 球場前には高知のお菓子も並んでいます。ミレービスケットは全国展開が進んでいますが、そうは言ってもあらためて売り出さなければ、なかなか目に留まらないだろうなぁとは思います。

 

 

 そしてこの日の目玉が、藁焼きカツオのたたき。先着150人に無料で配られます。

 

 

 高知県内のイベントではしばしば見かけるカツオの藁焼き。ただそうそう脱藩するものでもありません。県外でのドッグスの試合が高知県の貴重なPRの場になっているのをあらためて実感しました。

 

 

 一方で、独立リーグの野球開催は笠岡の人たちへの機会提供にもなっているようです。こちらは笠岡商業高校の生徒さんが売っていたジェラート(400円)。スタンドまで売りに来ていました。夏の昼日中にありがたく購入しましたが、融けるのが不安で急いで食べてしまいました(苦笑)

 

 

 こちらがどんぐり球場です。本来なら外野が天然芝のはずが、クレーになっています。芝を張り替えるところだったのでしょうか。

 

 

 本日のスタメンはこちら。メンバー表はボードに名前を書いたシートを貼り付ける形になっています。

 

 

 試合前セレモニー。両チームに花束と地元のコメ1俵ずつが贈られました。

 

 

 試合開始です。高知はおそらく初先発となる福本を起用。初回は結果3人で抑えます。

 

 

 すると、高知打線は初回から愛媛の先発加納を攻め立てます。

 

 

 初回には二塁打に暴投と四球を得て無死一三塁とすると、3番佐々木の併殺崩れの間に1点を先制。

 

 

 2回には一死一二塁のチャンスで山本がレフト前にヒット。そしてこの処理が乱れる官に二塁走者山保がホームを陥れ、2点目を追加。

 

 

 さらに木村がセカンドのグラブをはじく強襲ヒットで1点を追加。

 

 

 そして二死二三塁となったところで長嶋がセカンドの右を抜くヒットを放ち、さらに2点を加え、5-0と愛媛を突き放します。

 

 

 追う愛媛は直後3回表に一死満塁のチャンスを作ると、4番浅井がレフトに犠牲フライ。ただ後が続かず、得点は1点止まりとなります。

 

 

 その裏、愛媛は加納に代えてピダーソンを送ります。

 

 

 ただ高知はそのピダーソンに対して二死二塁として、堀川がセカンドへの強襲ヒットを放ちます。ここで二塁走者サンフォが一気にホームまで駆け抜け、再び5点差とします。

 



 その後、愛媛は5回表に二死走者なしから堀川がレフトにソロアーチを放ち、再び1点を返します。

 

 

 6回表には三番手で佐山が登板。高知打線に走者を許すものの無失点で切り抜けます。

 

 

 対して高知は7回表も福本が続投。ですが二死を取ったところでクリーンナップに連続四球と、流石に疲れの色が表れます。ここで定岡監督は福本を御役御免として救援に富田を投入。富田は5番石垣をライトフライに仕留め、ピンチをしっかり抑えます。

 

 

 7回裏、愛媛は4番手で玉置が上がり、高知のラッキー7の攻撃を三者凡退に抑えます。

 

 

 すると8回表、高知のマウンドに上がったのは加藤でした。これで3連投、本格的に中継ぎでのNPB入りを目指すということなのでしょうか。

 

 

 その加藤が8回表の愛媛の攻撃を3人で抑えると、裏には嶋村が応援団の待つライトスタンド奥にソロアーチ。愛媛に対してダメを押しました。

 

 

 そして最終回は加藤が続投。愛媛に二死三塁まで粘られたものの、最後はほじゃひでゲームセット。高知の連敗を4で止めました。

 

 

 最終スコア。ですが、既に片付けに入っています。

 

 

 本日のヒーローインタビュー。後ろでサポートするのは田中と古賀です。

 

 

 投げる方ではもちろん福本。この試合がプロ初勝利とのことです。

 

 

 そして打では田中が登場。近くの倉敷市出身とのことで、友人が10人以上押しかけていました。

 

 四国アイランドリーグplusでは異色の県外主催試合。ですが、高知と交流のある少年野球チームが来ていたり、高知県内からは試合に合わせて笠岡での子どもキャンプツアーを開催したりと、試合当日の出店以外でも貴重な機会を活用しているようでした。

 そして、本日の来場者数は770人。普段なら300人足らずの主催試合が結構あるだけに、こうも盛況なら開催しようというのも納得です。特に問題がないようなら、来年も笠岡での主催試合はありそうですね。