高知から西に進むと、単線にホームが1本だけの棒線駅が途端に増えます。岡花駅も、そんな駅の1つです。
とはいえ、田畑に囲まれてぽつんと佇むイメージとは異なり、この駅はすぐ隣を国道33号線にまたがれていて、民家もすぐそばにあり、棒線駅ならではの侘しさはあまりありません。
橋桁を潜って駅に入る高知行きの列車。高知駅周辺の高架を降り、街並みを抜け、少しずつローカル色を帯びてきた土讃線が、いかにも現代的な橋梁に覆われています。
岡花駅を出て須崎を目指す普通列車。橋の下を通った先は、山あいの田園地帯です。
国道に視界を遮られた小さな駅。一方で、駅周辺を歩けば見どころには事欠かなさそうです。
駅のすぐそばを覆う無機質な橋を渡った先にあるのは、確かに人工の公園。
とはいえ、そこには昔からの生き物を遺していく役割もあるようです。
国道の下から見た駅。橋桁がなければ、夏草に覆われようとしている、他の棒線駅に負けず劣らずローカルな駅です。
そんな駅を、今が盛りと生い茂る草の山をかき分けて現れた特急が通り去っていきました。