この数年毎年行われてきた埼玉西武ライオンズによるプレシーズンマッチ。第3波の影響で今年は半ば諦めていましたが、県内の状況が収まってきたこともあり、警戒体制の下で有観客で開催。2試合中1試合を観ることができました。
入場する時にシールが配られます。これをマスクに貼って、再入場する際に見せることになります。こうすればマスクを外す人も減ることでしょう。
ライナからのメッセージ。開幕延期や無観客の時期を経て、現役選手・OB・マスコット問わず、YouTubeでの発信がすっかり浸透した感があります。
そのライナとレオに早速会うことができました。
今回は収容人数を限定し、かつ内野のみ全席指定(入場料は無料)での有観客開催です。どうしてもネットが気になるのですが、こういう形でもなければ、NPBの一軍の試合でバックネット裏まで来ないのもこれまた否定しづらい話です。
本日のスタメン。外国人選手が加われないとはいえ、両チームとも主力を揃えています。
中でも注目はライオンズのルーキー、グライシンガータイシンガーブランドン大河。登録名は「ブランドン」なので、スコアボードでもそうなっています。
始球式も無事開催。ライナがプレイボールを宣言します。
記念にもなりますし、こういう機会がなくならなかったのは本当に良かったことです。
さて、試合開始です。ライオンズ先発は平井。それでいいのか
ところが立ち上がりは不安定、試合は初回から動きます。
いきなり1死2, 3塁のピンチを招くと、山口が放ったセカンド右側への緩い打球が外野に抜け、マリーンズが先制します。
続く菅野はライト線に2塁打を放ち、1塁走者山口まで生還。マリーンズがこの回3点を叩き出します。
その裏、マリーンズの先発は岩下。エースへの成長に期待のかかるシーズンです。ただ、初回は苦しみます。
先頭金子にのヒットと盗塁で2塁へ進まれると、ショートゴロを藤岡が悪送球。
これで2,3塁とされると、山川にレフト線を破られ、もう1点を奪われます。ただ、この後は両先発とも立ち直り、2,3回は無失点で抑えます。
さて、高知での試合となると俄然注目されるのが、明徳義塾出身で四国ILは徳島インディゴソックスから入団した外野手の岸。合間を縫ってブルペンでキャッチボールをしています。場所が場所なので、最初はどんなピッチャーだと思ったのですが、背番号を見て「!」と(笑)
そんな中、どうも途中出場のお呼びがかかったようです。
そして4回表、ライオンズは平井に代えて2番手に増田が上がります。だからいいのかそれで
そしてセンターは金子に代わり岸が登場。ただこのイニングは見せ場なく終わります。
直後の4回裏、マリーンズも投手交代。岩下に続いて松永がマウンドに上がります。
その松永にライオンズ打線は簡単に2死を取られたものの、ここでブランボーブランドンが放った一打はライトの頭上を越えてそのままスタンドへ。ライオンズが同点に追いつきました。
続く5回表、ライオンズ3番手はトレードでファイターズから入団した吉川。正直見るのが怖い登板でしたが、終わってみればあっさり無失点で抑えます。
両チームともこまめに投手を変えてきます。オープン戦直前ですし、試せる戦力は試しておこうということでしょうか。兎にも角にも、マリーンズの3人目にはルーキー、星槎道都大から入団の河村が登場します。
ここで回ってきた岸の打席。声援を送れないスタンドからひときわ大きな拍手が起こります。
ここで岸はセンター前に落ちる当たりで出塁。期待に応えます。さらにチャンスを広げたいライオンズ、山川がレフト線に特大の辺りを放った……かに見えましたが、フェンス間際で急失速、そのままレフトが収めて勝ち越しはなりませんでした。
5回が終わったのでグラウンド整備です。
課題先進県高知。労働年齢の人口が減りに減り続けています。こういう作業一つをとっても、猫の手も借りたいのです。
そんなこんなでグランドも無事整った6回表。今度はマウンドにライオンズのルーキー、準硬式出身の大曲が上がります。
すると、ここでマリーンズがルーキー相手なのに猛攻をかけます。制球の定まらない大曲を相手に無死満塁とすると、岡が右中間フェンス直撃の2塁打と憤死寸前のボーンヘッド未遂でまずは2点を勝ち越し。
さらに再び無死満塁から田村のタイムリー、小川の犠牲フライと続いて4失点。いくら非公式試合とは言え放ってはおけず、無念の降板となります。
これでおそらく次の回から投げるはずだった佐野が繰り上げ登板。やりにくいのではと思いましたが、この場面でいきなり併殺を奪って回を終わらせます。
その裏、マリーンズは昨季ブレイクした小野を起用。無失点に抑えます。
ここから試合はしばらく膠着します。ライオンズのラッキーセブンにはレオとライナが登場しましたが、金網が……
レオのアクロバットも、これまた……
それでも、現場で見られることがどれだけ有り難いことか。あらためてそう思います。
そしてマウンドにはお隣の愛媛県出身の土居。土肥とややこしいですが利き手が違います。ここで再び岸に打席が回ってきますが、最後は見逃しの三振の悔やまれる結果に。
さらに8回裏はBCリーグ富山から育成を経て支配下に上がってきたフローレスが登板。この間ライオンズは何度となく走者を出し、ヒット数ではマリーンズに匹敵する者の、あと1本が出てきません。
そして最終回、ライオンズは高卒2年目の井上をマウンドに送ります。
ここでマリーンズは2死2,3塁のチャンスを作り、代打佐藤がセンター前ヒットで走者を還して2得点、ダメを押します。
そして9回裏、続投のフローレスに対し、2死走者なしで岸の第3打席が回ってきます。
しかし岸の当たりは力なく内野ゴロとなり、万事休す。
試合終了。マリーンズが前日に続いて春野での試合をものにしました。
最終スコア。ヒット数はたったの1本差、途中ではライオンズが上回る場面すらあったのですが、走者を還せるか還せないかの明暗が顕著に出た形です。
高知でのNPB一軍クラスの試合はこれで終了。来年はもっと気兼ねなく観戦できると良いのですが、そもそも来年も試合を組んでもらえるかどうか、というところからが問題なわけで……