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【地域実習振り返りレポート・2020年12月】再びの自粛措置、それでも「地域での学び」は続く

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 高知県が苦しんでいます。11月末に再び増加しはじめた感染者数は収まる気配がありません。その中で、再開された学外実習も再び自粛を余儀なくされましたが、それならそれでやり方というものがあります。

 

 

 新型コロナウイルスの感染者が長く出ていなかった高知県ですが、11月末に突如感染者数が再増加、今も収まっていません。

 そんな中で、高知大学地域協働学部では12月に入ってすぐに現地実習の自粛をはじめとする制限措置をとりました。そのため、今月は現地に赴いての地域実習を行うことができませんでした。

 とはいえ、われわれが「地域での学び」を諦めることはありません。既に1学期の実践と経験を通じて、オンラインでの取り組みが十分可能なことは分かっています。幸いにして地域側のご理解とご協力も得ることができています。

 そういうわけで、今月の地域実習は2回。地域の方々とのオンラインミーティングと交流会を行うことができました。

 まずは17日、かねてより企画中の、佐賀北部のお茶を使ったお菓子作りのオンラインミーティングです。


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 本来なら一緒に試作品についてお話するところですが、今回は事前にお送りしたものについて、集落活動センター佐賀北部の食部会の皆さんを中心に評価をいただきました。

 そして、結果は上々!販売に向けた大きな関門をクリアできたようです。

 順調に行けば、1月にはセンターの直販市に新商品を並べることができます。地域の中で当たり前過ぎたお茶が、学生とセンターの皆さんの手で商品になるわけです。商品開発という言葉ほど派手なものでは決してないのですが、それでも一つの結実を見ることには、手応えを感じています。

 翌18日には、あったかふれあいセンターこぶしの集いにリモートで参加しました。


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 以前は学生の代表と私がセンターに入らせていただき、他の学生とリンクをつないだのですが、今回は学生も私も完全オンラインでの参加です。

 今回の内容はリンク先で示した通りです。機器の操作でセンターの方のご協力をお願いせざるを得ず(ありがとうございました)、こちらで完全にハンドルすることはできなかったのですが、クイズを通じて、前回よりも双方向のやり取りができるようになったのは前進でした。

 というのが今月わたしたちが行った実習なのですが、今回は他の実習班の取り組みについても少しだけ。

 先日大学の個人用ポストを覗くと、少し早いクリスマスプレゼント(?)が入っていました。

 

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 高知市土佐山での実習班が作っているゆずキャンドル。本来なら、この時期は土佐山で恒例の棚田キャンドルが行われる頃です。

 

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 棚田キャンドルは、棚田の畔に多数のキャンドルを置いて、夜になって一斉に灯されるのを眺めるイベントで、高知県では土佐山や仁淀川町長者といった各地で行われています。

 一帯に灯りらしい灯りのない棚田で、数百数千のキャンドルの灯りが浮かぶ風景。よろしければ、下記リンク先でもご覧いただければと思います。

 

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 ただ多分に漏れず、今年の棚田キャンドルも新型コロナウイルスにより中止。それでもお世話になっている地域の方々にキャンドルが送られたほか、私もおこぼれに与ることができました。

 

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 ひとまず年末年始で授業がないですし、せめて気持ちはゆっくりと夜を過ごすのに使わせていただきましょうかね。

 

 この冬の実習再自粛はある程度予想も覚悟もしていましたが、まさか今年中に追い込まれるとは思っていませんでした。それだけに、再自粛の連絡が来た時は、正直なところ落ち込みましたし、これを学生や地域の方々にどう伝えるかというので気が重くなりました。

 ただ、幸いにも地域の方々のご理解はすぐに得られましたし、学生も、こういっちゃなんですが、あっけらかんとしたものでした(笑)

 考えてみれば、話し合いや集いの方法が変わっても、やるべき取り組みは変わらないのです。あるいは私が気に病み過ぎていたのかも知れません。

 なにはともあれ、2020年の地域実習はこれで終了。1月にはお菓子の販売が控えています。

 ただそれだけに、なんとしてでも学生自身が再び現地に行けるようになってほしい。そして、自分たちが試行錯誤を繰り返して作り出したものを、一緒に売り出して行けるようになってほしい。ただそれを願うばかりです。