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地域系学部というのに加わった大学教員による高知発モンゴル発のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

「ハルハ河/ノモンハン」から80年のモンゴルへ(7)ウランバートルの午後

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 慰霊祭を終えてホテルに戻り、昼食と資料収集のために外出しました。

 スフバータル広場に行くと、何やらイベントを行っているようです。

 

 

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 アグロ・エキスポ2019。「モンゴル国における農耕部門の創立・発展60周年記念の博覧会にようこそ」というメッセージが書かれています。

 モンゴル高原では農牧がなかったわけではないのですが、本格的に行われるようになったのは第二次世界大戦後のことです。ソ連の援助や指導のもと、各地で設立された国営農場を中心に、大型機械を用いた大規模耕作による小麦や野菜の栽培が国家規模で進められました。後に社会主義体制の崩壊で農耕生産は激減しますが、政府によるテコ入れが2000年代末にようやく功を奏して下げ止まり、その後は最盛期とは程遠いものの、何とか回復基調にある、というところです*1

 

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 その横では、ロシアの自動車会社アフトヴァースの自動車が展示されています。ラーダやニーヴァの生産者、と言えばピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。その後ろには、トラクターを始め農業機械が並んでいます。

 ハルハ河戦争の記念行事を材料に、ロシアも売り込みに懸命なんだろうなぁと、後ろのステージも見ながらふと思います。もっとも、それが悪いとも思いませんし、呼応する人々がモンゴルにいるから、そういう売り込みが実現するわけですが。

 

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 さらに西に歩いた先のゴアンズ(食堂)で昼食をとることにしました。

 キング・ホーショールという店名なので、ホーショールを食べようと思ったのですが、入ってみると、なんと1枚1,000tg。確かに今年こちらに来てから、別の店でも4ケタホーショール(勝手に概念付与)は見たのですが……

 別のメニューにするか、店を出るかも考えましたが、今さら後に退くのもなんか嫌な気もします。初志貫徹でホーショールを頼むことにしました。

 

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 はたして出てきたホーショール。挙げたてでそこそこ大きくておいしかったです。2枚+お茶も含めて100円未満。悪くない選択です。

 

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 せっかくなのでデザートも。ロシア・モンゴル風コーンアイス、これを食べとかないとウランバートルに来た気がしません。今回はモンゴル産のものでしたが、表紙(?)には「ロシアのテクノロジー」と書いています。

 

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 あ、資料収集ももちろん行っていますので念のため。統計資料は政府の国家統計局、新刊・雑誌は書店や大学を回って探すのですが、研究によっては古書、とりわけ社会主義時代の本が必要になることもあります。

 昔は青空市があったのですが、今ではこのような古本屋が並ぶ一角ができていて、そういうところを回っていくことになります。ただ、日本と違ってモンゴルの古本屋は学校の教科書を多く置いています。要らなくなった教科書を引き取って売るのが主な商売のタネのようです。

 今は9月1日の新学年開始直前。店に入れば、教科書を探す子どもや保護者、学生と思しき姿を見かけます。

 

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 写真ではいきなりになってしまいますが、資料を探したり友人と会ったりしている間に、ウランバートルに夜が訪れました。今のウランバートルはイルミネーションがきらびやかな街にすっかり変貌しています。

 

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 街路樹ごとにこのような緑色の照明がついています。空港から市街地まで、道路沿いの街路樹があらかたライトアップされていました。去年あったっけ、と思ったら、少なくともウランバートル・ホテル近辺にはできていたようです。

 よくそれだけの電気が作れるようになったものだと思う反面、電力は火力発電に頼っているわけで、これで良いのかなと言う気もします。樹木への影響も疑問ですし。

 

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 自動車で賑わう大通り。というか、賑わうというレベルで済んで良かったねという写真です。

 

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 そろそろ迎えの車が来る頃です。今回もあっという間の滞在でした。本当は時間をかけて地方を回りたいのですが、いつできるようになるやら、って前回も言ってたような記憶が……

 

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*1:20世紀以降の農耕の歴史については小長谷有紀(2010)「モンゴルにおける農業開発史 : 開発と保全の均衡 を求めて」『国立民族学博物館研究報告』35(1): 9-138が参考になります。また農耕生産の統計はモンゴル国家統計庁を参照。