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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

さらば東北。米沢から普通列車乗り継ぎ、首都圏で少し寄り道(2019年早春の東北一周No.24・やまがた→ふくしま→終)

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  東北一周の旅も最終日になってしまいました。これから高知に向けて南下します。と言っても、まるまる普通列車で移動ということは、いくらなんでもないですが。

 

 

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 最後の投宿地米沢。休日の朝とあって、人影はほとんど見当たりません。

 

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 米沢駅の近くの花壇です。前日の雨、朝の冷え込みで、この状況です。

 

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 山形に入ってから見かけるようになったキャラクター。県のキャラクターだとは思うのですが、名前が分かりません。

 

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 で、他を見てみたら、「きてけろくん」ということでした。この向きばかり見かけるのですが、おそらくは山形県の形状を模したのでしょう。

 

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 山形から福島への普通電車がやって来ました。正面にこびりつく雪に寒さを感じます。しかもこれから先は県境の峠越え、もっと寒さが厳しくなる区間です。ただ暖房がある中で移動できるわけで、あとは雪で止まらないことを願いつつ、電車に乗り込みます。

 

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 米沢を出た電車は順調に市街地を離れ山間部へ入り、途中の峠駅に差し掛かりました。この辺りはかつてスイッチバックの駅が見られたのですが、山形新幹線開通に伴って、全て折り返しのない駅に改められています。

 そんな駅に着くと、乗客が相次いで後ろの扉に集まります。何事かと思っていたら、峠駅の名物、峠の力餅の立ち売りを行っているのです。ちょっと迷いましたが、めったにない機会なので、私も買いに行くことにしました。

 

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 こちらが峠の力餅(1,000円)。絵柄に時代を感じます。スイッチバックの時代は、列車が向きを変える合間に窓を開けて買うことができたはずで、そういう時代に一度来てみたかったものです。

 

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 峠を過ぎると車窓の外はさらに凍てつきます。山形には樹氷のイメージがありますが、3月末のこの時期にこの風景、見ている方もただ呆然とするばかりです。

 

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 南東北のさらに南の方に来ているはずなのですが、北東北の平野部とは比較にならないほど、世界が雪に閉ざされています。

 

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 どう見ても真冬です。ありがとうございました。

 

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 福島県に入り、ようやく平野部に降りてきました。

 しかし、それでも雪景色。天気のせいはもちろんあるのですが、同じ県の浜通りを出て数日たってこれなのか、とは思ってしまいます。

 電車はそのまま雪景色の中を福島へ。あまり乗り換えの時間はなく、ここから東北本線普通列車を乗り継いでいきます。

 

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 福島駅を出た電車は車両が少ないこともあり、そこそこ混んでいます。窓の外はだいぶ雪が溶けた感はありますが、それでも寒々とした光景です。

 

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 郡山で新白河行に乗り換えます。まだ雪が見えます。

 ただ、電車が動き始めると、雪景色は次第に去っていきます。また春の世界に帰れたことに安堵しつつ、これで東北を本当に去ると思うと、今度ばかりは寂しさを禁じ得ません。

 

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 新白河駅に着きました。新幹線の乗り換え口には、白河の関を模した門があります。ここからも普通列車に乗るので、これをくぐることはありませんが、いよいよ東北も終わりまで来てしまったのを実感します。

 

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 新白河から黒磯まではディーゼルカー。早くに電化された区間ですが、黒磯駅の今の構造上、北から入れる電車が限られるので、代わりにディーゼルカーが使われるようになっています。

 そしてこれにのれば、ついに福島県を離れることになります。ありがとう東北、また来る時まで、皆さんどうかお元気で。

 

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 栃木県に入った黒磯で、ディーゼルカーから再び電車に乗り換えます。黒磯と宇都宮を行き来する電車の中には、地元の子どもたちのイラストが飾られていました。「とちまるくん」が分からなかったのですが、栃木県のキャラクターとのこと。

 

tochimarukun.jp

 

 たこ焼きじゃないんですね

 

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 宇都宮からは湘南新宿ラインに乗車。ついに関東に入った現実を突きつけられます。既に東北一周の旅は終わり、ここからは帰り道です。

 

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 ただ、そうはいっても北関東。まだ道のりは長いのです。合間に買った栃木名物、レモン牛乳イチゴ牛乳をあてに、お昼ご飯を頂きます。

 

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 電車は順調に田園地帯から郊外に入り、次第に窓の外は大都市になっていきます。朝に見た氷の世界とはまるで別物ですが、だからといってまるで感慨が湧くこともなく、そのまま電車で移動を続け、横浜まで着きました。ここから、少しだけ寄り道をするために、根岸線の電車に乗り換えます。

 

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 横浜の中心街を抜けて、電車は新杉田にやって来ました。今回の旅のメインではないのですが、それでもここから寄って行きたいところがあるのです。

 

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 新杉田から横浜の埋め立て地を巡り、金沢八景までを結ぶ新交通システムシーサイドライナー。これまでは諸事情あって、京急金沢八景から離れた手前で路線が終わっていたのですが、このほど悲願の延伸が実現、ついに京急と直結することになりました。

 その開通日が、まさに本日。僅かな距離とは言え路線が伸びたので、この機会に乗っておこうと思ったのです。

 

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 シーサイドライン新杉田駅新交通システムに乗るのは本当に久しぶりです。

 

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 自動運転*1の電車は多少の揺れはあるものの、海沿いにできた新しい街を軽快に走っていきます。

 前面の眺望は子どもにとって何よりのお楽しみですが、子どもたちが降りていくと、今度は初老の夫婦がやって来ました。物静かではありますが、それでもやはり楽しそうで、世代を超えてわくわくするものがあるのだと思います。

 

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 列車はかつての金沢八景駅に差し掛かりました。ホームがまだ撤去されていないので、ここからは単線運転です。

 

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 昨日まではここで終わっていた軌条が、さらに伸びていきます。列車はホームで止まることもなく、新たな軌条に入っていきます。

 

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 そして本日からの金沢八景駅に到着。これで再び、日本の民鉄・第三セクター全てに乗り通したことになります。

 

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 ここからは帰りを急ぐのみ。急行一本で羽田空港まで引き返します。

 

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 高知行の飛行機には余裕を持って間に合いました。旅を振り返りつつ、ラウンジでしばし休憩です。

 

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 そろそろ飛行機の搭乗時間。長かった旅も終わり、

 

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 現実が始まります。

 ……って、あらためて凄い現実ですな、コレ。

 

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*1:旅行当時。2019年6月1日に発生した事故の影響で、事故後は運転士による手動運転を実施中。