
宍喰から甲浦までやって来ました。ここで安芸営業所行のバスに乗り、室戸半島の東側を走ります。すっかり日が長くなっていて、車窓から海と山、時折現れる人里の風景がずっと楽しめます。

室戸岬の1つ手前、室戸岬ホテルでバスを降りました。今日の投宿先はここからすぐ近くです。

歩いて2分もせずに現れた古風な宿。今回泊まる岬観光ホテルです。

和洋折衷の外観で、玄関は洋風。表には龍馬パスポートの幟が立っています。高知に来てからというもの、泊りがけの県内旅行にほとんど出かけられていないので、ステージがなかなか上がらないんですよね。今回こちらに泊まったのは、スタンプ目当てという面も実はあります。
ちなみに、これを読んでいて何のこっちゃ分からんという方は、ぜひこちらをご覧ください。

玄関先はThis is洋館というスタイル。フロントを見ると、昔駄菓子屋さんにあった栓抜き付きの冷蔵庫などがあり、いろいろそそられます。

チェックインして案内されると、洋館からいかにも戦後の旅館という風情に変わりました。部屋もご覧の通りです。もっとも、歴史はありそうですが手入れがきちんとされているようで、使用感はありません。

意外とツボにはまったのがこの鏡台。鏡に和布を被せているのも含めて、われわれの親世代の嫁入り道具にありそうなものです。家によっては三面鏡かも知れませんが。

そして部屋からのオーシャンヴュー!宿のすぐ先は見渡す限りの海!このレヴェルに達してこそ絶景の言葉が贈られるべきです。ちなみに、秋から春にかけては、天気が良ければ朝登る太陽が海に映るダルマ朝日が拝めるのだそうです。

さて、晩ごはんまで時間があるので外を少し散歩してみます。流石にこの辺りまで来ると、夕方でも高知市内よりかなり暖かいです。

宿の裏側から振り返ってみると、山がすぐそばまで迫っています。実際にはほかにも建物があるのですが、ここだけ切り取って見ると、むしろ山腹の一軒宿という感じで、岬の風景とはなかなか分からないかも知れません。

この角度だと岬ですね。山、突然海。

妙にスピード感がありますが、普通に歩いています(笑)
室戸岬は植生が豊かで、岬のすぐそばまでいろいろな植物が生い茂っていてトンネル状態です。この辺は、北方の海とは対照的です。

室戸半島は、その躍動する大地、多種多様な生き物、そこに適応した人々が織りなす文化によって、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。岬の付近には、地形や地層、植物に関する案内があちらこちらにあり、自然がいかに豊かであるかを教えてくれます。

だいぶ日が傾いてきましたが、角度によってはまだ明るい。先程とは趣が異なる荒涼とした風景が、目の前に現れます。

岩場に何やら石碑があります。見てみると、土佐日記ゆかりの地であることを示す碑でした。

碑には土佐日記の中に出てくる和歌「都にて やまのはに見し 月なれど なみより出でて なみにこそ入れ」が刻まれています。これは睦月二十日、日和が悪く都への船を出せずにいる中で、夜の海に月が出るを眺めながら詠ったものです。

そろそろ時間なので、宿に戻ってきました。民家も見かけなければ街灯もなく、これから本物の夜の闇が訪れる中で、ホテルの灯りが煌々と光っています。このあと夕食をしっかり頂き(ご飯が結構ありました)、軽めに酒盃を傾けたところで、1日目の夜が更けていきました。