ジェトロ・アジア経済研究所の『アジア動向年報』の2016年版が刊行されました!今年も私がモンゴルの動向レポートを担当しております。
昨年版が刊行された時にも書きましたが、『アジア動向年報』は1970年以来、アジア各国・地域の各年の動向について、現地のメディア報道や現地調査に基づく分析結果を示し続けてきました。2016年版では、アジアの23の国・地域について、2015年の政治、経済、対外関係の動向分析の結果を報告するのに加え、アジアとアメリカの関係、ロシアのアジア政策、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立といったテーマについてもフォーカスしています。
私は2011年版以来、モンゴルの項の執筆を担当しており、今回が6回目となります。この間、モンゴルの政治・経済・対外関係のニュースを可能な限りチェックし、状況の整理と理解に努めてきたつもりなのですが、ただそうやって動向を追えば追うほど、「なるほど、さっぱりわからん」と思ってしまうことがままあります。表現が難しいのですが、「何が起きたのか」がどれだけ把握できても、「なぜそうなるのか」がまるで理解できない、という感じでしょうか。むしろ事態が分かれば分かるほど、なぜそんなことが起こり得るのか理解不能になる、ということすらある気がしています。
ともあれ、手前味噌になってしまいますが、アジア諸国・地域についての現状について、日本語でこれだけの知識が得られる文献は他に類を見ないと思っています。動向分析自体はもちろんですが、経済統計から政府機構や要人名簿に至るまで、基礎的なデータを調べるにも役に立つと思います。
少しでもご関心を持っていただければ、まずは下記のアジ研のページを是非ご覧ください。各項の導入部分(概況等の記述)は無料でご覧いただけます。
その上で、お買い上げいただければ嬉しいのですが、やはり安い買い物ではありません。ですので、(昨年も書きましたが)個人で買うのはちょっと……という方、ぜひお近くの図書館に購入依頼をかけていただければと思います。依頼が通れば金銭的負担なしにお読みいただけますし、それはそれで売り上げになりますので、現物を見てみたいという奇特な皆さん、どうぞご協力をお願いいたします。
合わせて、私が初めて担当した2011年版の内容が無料で一般公開されることになりました!『アジア動向年報』のうち刊行後5年を過ぎたものについては、アジア動向データベース上で一般の皆様の閲覧が可能になります。ということで、今回は2011年版、つまり2010年の各国・地域の動向について、無料公開が始まっております。こちらは下記のリンクよりご覧ください。
■ アジア動向データベース:2010年モンゴル(『アジア動向年報』2011年版より)
さらに、本書についての感想、フィードバックもお待ちしています。特にtwitterで発信される場合、 #アジア動向年報 のハッシュタグをつけていただければ、当方から探しやすくなります。内容によってはリツイートさせていただくこともありますので、こちらもぜひよろしくお願いいたします。