第40回四国サッカーリーグ第5節、KUFC南国とリャーマス高知のホームゲームは、普段の春野球技場ではなく陸上競技場で開催。ゴールデンウイークだけあって観客数も多くなるでしょうし、駐車場探しも大変に違いない、ということで、早めに乗り込むことにしました。が……
人がいません。
競技場前、まるで人がいません。
先日の試合では見かけた出店も、グッズ販売のテントも何もなし。
というか、観客らしい人を見かけません。ようやく野球場など他の施設を利用している人や、ジョギング・散歩中の人は見ましたが、そのぐらい。陸上競技場の正面入口は開いていますが、逆に言うと開けっ放しになってるだけです。
開門ならまだしも、試合開始の1時間前。いくらなんでも、会場を間違えたかと不安になってきました。ただ、確認してもここで試合があるのは間違いないようです。とりあえず、競技場の周りを1周してみます。
グランドへのゲートが空いていました。バックスタンド、ゴール裏、だーれもいません。ただゴールなどは用意されてるので、とりあえずサッカーはやるっぽいです。
バックスタンド裏にはサブトラックがありました。ただ地方の競技場のこと、決して大きくはありません。これが日本の首都東京で新しく作る競技場なら、さぞ立派なものができるんでしょうね。
メインスタンド。僅かに人が入っているようです。やはり試合はあるんでしょうか。
1周して戻ってきましたが、相変わらず閑散としたスタンド付近。あるいは規則か何かで出店ができないのかも知れませんが、にしても観客で賑わうとはあまりにかけ離れた現状は寂しい限りです。ある意味「兄弟対決」とも言える高知ダービー、さらに競技場の借り賃も球技場よりは高いでしょうに、何とか盛り上がってほしいのですが……
何はともあれ入場しました。1980年代のパ・リーグもかくやというほどの空席ぶりですが、準備状況を見ると試合はあるようです。
陸上競技場なので電光掲示板はありますが、何も映っていません。経費もさらにかかるせいか、どうやら今日は使わないようです。
これからサッカーがあるはずなのですが、どういうわけかかかっていたゲートボール大会の横断幕。今日ではないにせよ、グランドで開催するのでしょうか。
しばらくすると、高知ユナイテッドの選手がトラック脇に登場、練習を始めました。
反対側ではKUFC南国の選手が練習中。
その後ピッチに審判が現れると、両チームの選手も練習のため散っていきました。本当に試合はあるようです。ああ良かったという安堵感もありつつ、なんでこんな不安にならにゃいかんのか、という疑問も湧いてきます。
そうするうちに、バックスタンドには高知ユナイテッドのサポーターが徐々に集まり、横断幕や相対的にビッグフラッグを張り出しました。四国サッカーリーグは全席無料の自由席、サポだからってわざわざゴール裏に陣取る必要はないわけです。
両チームとも練習を終え、いったん下がってからいよいよ入場。この間BGM、アナウンス等一切ありません。ユナイテッドに関してはtwitter公式アカウントでリアルタイムの情報が取れますが、今この場で助けになるのはそのぐらい。あとは自分の観察眼と記録力を頼むほかありません。
試合前の円陣を組む両チーム。勝ち点で首位FC今治に並ぶKUFC南国と、2点差で追う高知ユナイテッド、首位への望みをかけた対決が始まります。
前半はKUFC南国のキックオフ。ちなみに、今回はこちらがホーム、高知ユナイテッドはアウェー戦となります。
試合は序盤から中盤にかけて一進一退。お互いチャンスを作りきることができず、ゴールが出そうな気配がありません。チーム編成からすればユナイテッドの方が上回って然るべきなのですが、KUFCはまったく引くことなく互角に渡り合います。
上位対決にダービーということもあってか、選手同士の強い当たりが目立つこの試合。早くも前半19分にはKUFC南国9番出口が負傷、22番松本に交代となってしまいます(なお、時間は手元の時計でストップウォッチ機能を用いた私個人の計時によるものです)。
ボールの奪い合いが続く中、先制したのは高知ユナイテッドでした。前半43分、左からのセンタリングをシュート、これをキーパーがはじき、こぼれたところを小林が押し込みました。わずかなチャンスを高知ユナイテッドがつかみ、0-1で前半を終了します。
後半開始、KUFC南国は西尾が入ったようです(公式ルールは調べていませんが、四国サッカーリーグは4人まで交代が認められるようです)。一方の高知ユナイテッドは10分にFW金橋を投入。この時点では得点に繋がりませんが、これが後で利いてきます。
18分にはMF吉川に代えて新加入のオンが出場。元Kリーガーだそうですが、ポジション等詳しいことは分かりません。
その1分後、今度はKUFC南国も選手交代で井上に代えて背番号10の大西が出場。さらに21分には高知ユナイテッドも3つ目の交代枠を切ってきました。この時点でKUFCに2枚たくあん警告が出るなど激しい試合になっていますし、代えられる選手は代えておきたいのかも知れません。
直後の23分、今度はKUFC側がシュートを放つと、これが相手選手に当たってバウンドが変わってしまい、キーパーが対応できない間にゴールへ。KUFCは運を味方につけて同点とします。高知ユナイテッド、第2節で再三攻めながら引き分けてしまった悪夢が頭をよぎります。
ところが、KUFCは直後の26分と28分に7番の中田が立て続けに警告を受けて退場。勝ち越しへのムードに水を差してしまいました。
1人の差は早速利きました。30分には金橋が正面から走り込んでゴールを決め、高知ユナイテッドが再び勝ち越します。
これで試合はほぼユナイテッドペースに。38分には神野が押し込み、リードを広げます。
このあとKUFCは38分に4人目の交代で坂に代えて杉崎が出場、高知ユナイテッドも42分に最後の交代枠を使い、残り時間に備えます。そして表示されたアディッショナルタイムは5分、何が起きるか分かりません。
そのアディッショナルタイムに突入直後、ゴールを決めたのはまたも金橋でした。正面左寄りから落ち着いて決め、ダメ押しの4点目を奪います。
さらに49分には神野がコーナーキックからのボールを叩き込み、止めとなる5点目を勝ち取りました。
そしてほぼそのままフルタイム。終わってみれば高知ユナイテッドの圧勝です。
掲示板が結局使われなかったので、ハメコミ画像を作成してみました。
後半のスコアこそ大差がつきましたが、実際のところ点数ほどのパフォーマンスの差を感じたような気はしていません。ただ前半終了近く、あるいは後半30分以降、疲れが出ることに足が止まるか、あと一歩出られるかの違いが勝敗を分けたように思えます。微差は大差、という試合だったと言えるでしょう。
サポーターに勝利報告をするユナイテッドの面々。
しかし、本当の勝負はこれから。KUFCも大敗で下を向くヒマはないのです。全勝で首位を独走するFC今治を是が非でも止めなければならないのですから。
三つ巴の争いは、これからが正念場なのです。
【5/2追記】(KUFC南国所属選手や選手交代等の情報は、もの好きオヤジさんとハルノ通いさんにご教示いただきました。感謝!)