第2学期も半ばを過ぎ、大豊町での実習内容も作業からインタビューやワークショップへと変化していきます。12月1日には怒田集落でのインタビューに出かけました。今回は快晴、実習地に出るには絶好の日和です。
まずは学部サイトでのレポートをどうぞ。
サイトでも出てきたように、怒田集落は標高約500m、麓の集落からかなりの坂を登ったところにあります。どのぐらい高いところかといいますと、
以前にも似た写真をお見せしたかも知れませんが、怒田から麓の落合集落を見るとこんな感じです。集落があるのは川の右手、左は建設中の国道のトンネルです。
この落合集落が、怒田を含めた東豊永地区の中心街。ここに商店や郵便局、診療所等が集まっています(もっとも、診療所にお医者さんが常駐しているわけではないので、開く日が限られるのですが)。
逆に言えば、怒田集落内にそれらのサービスはないことになります。移動販売車こそ週に2度ほど来るとはいえ、他のサービスを利用したければ、坂を下りて行く必要があるのです。
さて、インタビューそのものについては学部サイトにある通りですし、何より学生自身に結果をまとめてもらわないといけないので、教員たる私がここで内容について触れるのは控えさせていただきます。
その上で、今回私自身が心がけていたのは、「差し迫った必要が無い限り口を出さない」ということです。会話に参加した方が良いのでは、と思ったら参加しない。もし会話が途切れて、雰囲気が固くなってきたら、場を和ませるために口を開くようなことはしない。あくまでも学生とインタビュイーだけでインタビューを進めてもらうということでした。そうでないと訓練にならないからです。なので、インタビューで私が発話したのは2, 3回もあったかどうか分かりません。
そういうわけで、学生には多少ハードな面はあったかも知れませんが、実際にはインタビューは十分成り立ったと思います。学生自身の頑張りももちろんありましたし、インタビュイーの方が学生の扱いに長けていて(私よりはるかに経験豊富だったりする)、以前に資料等、周到な準備をしてくれていた点がありがたかったです。事前に語るべきことをまとめておくことで、学生にとっての取っ掛かりができましたし、他方では集落で暮らすということを理解してもらうための準備にもなったのだろう、という気もしています。
また、今回は単なる聞き取りだけではなくて、学生自身がこの集落で何ができるか、何をやってみたいかという問いかけもありました。それに応じて、学生がその場で自分の意見を考え、述べ、語り合う、いわばミニワークショップという感じです。特に地域協働学部の学生は、2年次から実習地でさまざまな企画や事業を自分で立案して実施しないといけない(!)わけで、その材料、とまではいかないにせよ、ネタの萌芽は得られたのではないかと思っています。
インタビューの合間に見る集落。ゆずの収穫もすっかり終わり、田畑は冬モードです。
田んぼも来年の田植えまで長いお休み。
杉林が多い山。冬枯れという感じはさほどありません。でも寒くはなりますし、雪も積もる日は積もるはずです。見てみたい気はしますが、そもそも道も凍るだろうに、見に来ることができるのか、とも思ったり。
インタビュー終了後は、お隣のお家で庭木の伐採の補助にお邪魔しました。
学生と教員とで、切り落とした枝を近くの田んぼまで運びます。
そうするうちに日が暮れて、辺りは急に暗くなります。
とともに、途端に寒くなる!昼間は日が出て割合過ごしやすかったのが、急に気温が下がってしまうのです。南国土佐とか言いますが、日が陰ると震えるぐらいです。この後バスで大学に戻るとすっかり夜になりましたが、大学に着いてからの方が夕方の怒田よりも温かく感じるぐらい。学生ともども、怒田での暮らしの一端を肌身で感じた気がしています。