峠をいくつも越えて南下してきた土讃線が高知の平野部に入り、久々に宅地の中を走ると、山田西町駅に出会います。
ゆるいカーブの間に作られた小さな駅。
細いスロープ1本だけで結ばれた、鉄骨で組まれているだけのホーム。住宅や田んぼに囲まれた狭い敷地に、駅舎もない簡素な駅が収まっています。
幅の無いホーム。高知方を見ると、延長したような跡が残っています。
土佐山田の方を見ても、小さな待合室とスロープのその先が、少しだけ伸びているようです。土佐山田からは普通列車の数も一気に増え、4両編成の列車もあります。通勤通学の乗客も少なくないのでしょう。
とはいうものの、朝早い時間。駅には私以外誰もいません。さらに周囲も人影がない中、土佐山田行きの普通列車がやってきます。なぜか高知行きの表示が出ていますが、その高知からやってきた列車です。
しかし、この列車に限っては山田西町を通過予定。間近に迫った終点だけを目指して、勢いを落とすことなく、小さな駅を走り抜けていきました。