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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

シリーズ土佐の駅(106)後免駅(JR土讃線、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)

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 そのインパクトで全国に名高い「ごめん」駅。ただ、あの路面電車の赤い表示板に書かれた行先は、本来は「後免町」行。本物の「ごめん」駅は、JR土讃線土佐くろしお鉄道が同じホームを分け合う乗換駅です。

 

 

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 駅の南側。普通の駅なら、駅名は漢字表記だけですが、やはり狙っているのか、ひらがな標記を大きく掲げています。

 

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 その後免駅は、特急も全て停車する南国市の鉄道の玄関口。ですが、とさでんの電車が通る中心街からほんの少し離れた駅の周りは、寂しい街並みになっています。

 

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 駅の南側で見た新聞販売所呉越同舟、あるいは地方紙が圧倒的に強い小さな街では、協力しないとやっていけないのか。

 

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 跨線橋を渡って駅の反対側に来ると、山の際に広がる住宅街の中に、田畑が残っています。後免駅や土讃線が、市街地と郊外の風景を分けているかのようです。

 

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 駅の北出口も、また本来の漢字表記はカッコに括られ、「ごめん」の一言が大きく打ち出されています。

 

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 古いホーム、引き込み線の跡が残る敷地に、新しい駅舎が建っています。その先は高い建物もほとんどなく、遠くの山までが、南国市随一のターミナルの風景になっています。

 

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 改札に戻ってきました。

 昼間の閑散時、小さな改札はさらに一方が締め切られています。駅員に行先をたずねる人以外は乗客の姿も見当たらず、まるで忙しさもなく空気は流れていきます。

 

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 ホームに降りると、反対側に上りのディーゼルカーが入ってきました。

 ここから土佐山田まで、言ってみれば助走区間を経て、1両だけのワンマンカーは山道に挑んでいきます。

 

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 こちら側のホームには、ごめん・なはり線からの列車が入ってきました。

 後免駅は、JRと土佐くろしお鉄道とが共用する駅。ここから列車は土讃線に乗り入れ、各駅停車で高知を目指します。

 

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 後免駅の南端にある乗り場には、安芸へ向かう各駅停車が発車を待っています。

 この車両は太平洋を臨む南側がオープンデッキ。後免から「やたろう2号」として、高架の続く海沿いの線路を快走していきます。

 

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 その列車が入っているのは、後免駅でただ1つ行き止まりの乗り場。

 車止めが迫るホームの端には、ごめん・なはり線の後免駅キャラクター「ごめん えきお君」が立っています。

 その足元に座るのは、お約束のアンパンマン。そしてその隣に、やなせたかし氏の詩を刻んだプレートが置かれています。

 

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 ごめん、ごめん、ごめん……

 1文字でも違えばどうということのない地名が、一気に増えて迫ってきています。

 

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 JR四国管内、他の駅でもどこでもひらがなの駅名標。しかしそれすら、何かを狙っているかのように見えてきます。