四国アイランドリーグplus、愛媛県は上島町で開催された愛媛マンダリンパイレーツ対高知ファイティングドッグスの試合を観に行きました。高知の試合では初めての遠征です。
高知に来て10年目になりますが、これまで他県までビジターゲームを観に行ったことがありません。厳密に言うと、リーグ初年度の2005年にオリーブスタジアム(当時)で香川オリーブガイナーズとの試合を観たことがあるのですが、その時の私は大学院博士後期課程修了(修了というのがポイント)が決まったばかりの大学院生、10年後に高知で定職に就いているなど知る由もありません。まして香川にルーツのある人間なもので、ドッグスのビジターゲームを観るという視点など持ちようがありませんでした。
ただそれは別として、いちどぐらいは他球団のホームゲームを観てもええろうと思っていたところ、愛媛県は上島町での年に1度の試合が行われることを発見。どうせならそればぁ貴重な試合に行ってみろうと思い、初めて愛媛の主催試合を観ることにしました。
瀬戸内海に位置する愛媛県上島町。県本土との橋は繋がっておらず、クルマで行くとなると、広島県にいったん出てからフェリーを利用することになります。今回は因島の土生港長崎桟橋からフェリーに乗り、わずか3分でスタジアムのある生名島に上陸。海沿いをぐるっと回り、球場のあるいきなスポレク公園にやって来ました。
いきなスポレク公園は体育館や合宿所も備えた本格的な運動公園。地続きでないとはいえ、しまなみのある因島や生口島とのフェリーも多いですし、瀬戸内なので気候も厳しくはなく、合宿やキャンプを張るには好都合そうなところです。
上島町はいきなスポレク公園のある旧生名村と弓削町、岩城村、魚島村が合併してできた町です。今年は合併20周年だそうで、愛媛の主催試合はその記念にもなります。無事開催できて良かったですね。
体育館にあった手作りマップ。右側やや上にフェリー乗り場があり、そこから時計回りに沿岸を走って、スポレク公園に来たことになります。
球場に入りました。上島町では合併後に橋が建設されて、生名島から岩城島、佐島と弓削島に直接渡ることができるようになりました。
今見えているのは岩城島と生名島を結ぶ橋。スタンドから海峡をまたぐ橋梁が見える球場など、そうはありますまい。
この日は普段の主催試合もかくやというほど出店が充実。中には地元の弓削高校が個数限定でジビエバーガーを販売する小間もありました。
こちらがジビエバーガー。パティも肉も分厚く、食べ応えがありました。
こちらは隣の岩城島からの出店で売っていたレモンポークバーガー。瀬戸内レモンは今やブランドとして知られるようになりましたが、こちらは青いレモンです。まだまだ知らないおいしいものがあるもんです。
試合前セレモニーが始まります。この日は愛媛のマスコット、マッピーが来ていました。選手と何を話しているんでしょうね。
上島町長のご挨拶。このあとご丁寧にも、高知の応援席にもおいでてくださいました。
そして上島町のマスコット、かみりんも両チームへの記念品贈呈式に登場しました。
のほほんとした感じのかみりんですが、実は上島町内におわします海の神様だそうです。
一方で、ビジター応援席に向けて決めポーズをとるマッピー。のようですが、実は高知の応援団のマネをしているだけです(笑)応援団がマッピーの出陣のお時間とかいっていじったのへの返しです。
そしてセレモニーも終わって試合です。
本日のスタメンはこちら。再昇格したばかりの山保の手書き感たるや。
愛媛先発はビターソン。初回は決して悪くはありません。
一方の高知先発は木谷。ご覧の通り、独特の躍動的なフォームで投げ込みます。初回は3塁に走者を背負ったものの、無失点で切り抜けます。
ところが2回から試合は高知の優位で進みます。2回には1死二三塁からサンフォがライト前にヒットを放ち三塁走者が生還、サンフォが一二塁間に挟まれる間に二塁走者も還ります。
さらに3回には先頭山保が二塁打を放つと、続く山本が投手前にきっちりバントを決めて1死三塁。ここで坂口が犠牲フライを放って1点を追加すると、4回には先頭の海辺が死球で出塁したところでまたもサンフォ。今度はライトフェンス直撃の二塁打を放つと、愛媛の送球が乱れた間に三塁まで達した走者が再スタートを切って本塁へ。さらに木村にもタイムリーが出て、高知が5点のリードを奪います。
一方の愛媛も木谷に付け入ろうとしますが、2回と4回は三者凡退。5回はヒットと四球で1死一二塁とするも、直後にセカンド木村の好守が出て併殺打。試合は5-0で折り返します。
そして6回。高知は先頭打者のヒットに続いて四死球で満塁とすると、1死から乗田が前進守備のショートの足元を抜くヒットで2点を追加。
ここで愛媛弓岡監督はビターソンを諦め、高見にマウンドを委ねます。
その高見に対して山保が放った打球はセンターへの飛球。これは犠牲フライでもう一点、とばかりに三塁走者に注目していたら、どうも捕球できていなかったようで、気がつけばさんぽは二塁に。何はともあれ高知がさらに1点追加です。
これで1死二三塁のチャンスが続くと、山本がレフト線ぎりぎりのフェアゾーンに飛球を落とし、走者2人が生還。高知がなんと10点のリードです。
直後の6回裏、高知は木谷に代えて加藤を2番手に送ります。ただ加藤は6回こそ抑えたものの、7回にはヒット2本と四球で無死満塁のピンチを招き、岩浪の遊ゴロ併殺の間に1点を失います。
8回表、愛媛は3番手に泊を起用。こちらは高知打線をきっちり抑えて反撃を待ちます。
8回裏、高知は加藤を下げて、3番手に送ったのがイ・ウォンジュン。本来先発の投手を2人送ったわけですが、NPBと比べると試合の少ない独立リーグ、しかもそれが雨天中止となると試合間隔が1週間以上空くこともあるわけで、登板機会を作るという点では理に適っています。
しかしこの日のウォンジュンは守備に泣きました。1死一三塁の場面では自らの正面にとんだゴロを二塁に送球したのが逸れてアウトが1つもとれず、さらにヒットとショート送球エラーでこの回3失点(自責点1)となりました。
そのまま4-10で迎えた最終回。高知のマウンドを託されたのは落合でした。ドリスはそもそも帯同していなかったようです。
その落合はヒット2本で2死一三塁のピンチを招くと、西原に対してはバットをへし折りながらもタイムリーを許し、愛媛に1点を返されます。
しかしその後はショートゴロで何とか凌いでゲームセット。高知が5点差で逃げ切りました。
最終スコア。6回までと7回からでは別の試合のようです。あと10点のボードが謎のフォントです。
本日のヒーローインタビューは二塁打に加えて2得点を挙げた海辺でした。
海辺は第2打席で死球を受けて、いったんベンチに下がる場面もありましたが、どうやら問題はなさそうで一安心です。
岩城橋を借景にしたヒーローインタビュー。あらためて、凄い球場に来たものです。
さて、戦い済んで高知に帰ります。まずは行きしなに乗ったフェリーで因島へ。向かう土生港は目の前に見えています。距離が短いので車両から離れることもなく、出航して間もなく向こう岸に着岸、すぐさま船を離れます。
因島からはしまなみ海道を渡って四国本土へ。距離が長いので、来島海峡SAで少し休憩します。
実は今まで渡ったことのなかったしまなみ海道。試合もバタバタしたとはいえしっかり勝って、良い遠征になりました。