山形鉄道フラワー長井線の起点、赤湯を出てすぐの宮内駅。ここが今回の旅の終盤ではいちばんの目的地となります。この駅の駅長にどうしても会うべく、スケジュールを調整してきたのです。
ホームを降りて駅舎に入ると、国鉄、いやそれ以前の歴史すら髣髴とさせる風格です。そんな中、異彩を放つのが「CM大賞受賞」の看板。知らない方には、何のことやら分からないかも知りません。
このそもそもの由来は、宮内駅の近くにある熊野大社。本殿裏に三羽のうさぎが隠し彫りされていて、見つけると願いが叶うと言われているのです。
ただ、うさぎと言えば、今や熊野大社の最寄りとなる宮内駅も外せないスポットとなっています。実は、駅長こそがうさぎさんなのです。
2010年に就任したのが、うさぎのもっちぃ駅長。休日の水曜日を除き、基本的に日中は駅長室で勤務しています。今回の旅を計画した時も、いつか必ず駅長に会えるようなスケジュール作りに腐心しました。
そして、いよいよ駅長室へ。
私にとっては5年ぶりの再会。もっちぃ駅長はお昼ご飯を食べた後か、休憩中のご様子です。
駅長室のケージの中には、ぬいぐるみのうさぎが2羽。帽子をかぶっているのは、もっちぃ駅長のぬいぐるみです。
宮内駅にはもっちぃ駅長のほか、駅員のぴーたーとてんがいて、こちらも3羽のうさぎになっていました。ただ、ぴーたーとてんは相次いでお月様に帰ってしまい、今は駅長が孤軍奮闘で駅を守っています。
駅長室にはもっちぃ駅長のグッズをはじめ、山形鉄道の関連商品が多種大量に並んでいます。人口も乗客も減り続ける中、苦しい経営が続く第三セクター鉄道にとって、鉄道事業外の収入はとても貴重なものです。
もっちぃ駅長と山形鉄道のタオルは、うちにもあります。今回は駅長の写真集が出たというので、他もろもろとともに購入しました。
グッズの棚の反対側にあった、ものっそ年代物の金庫。今も現役なのでしょうか。
近くにはこんなものも。流石に売り物ではなさそうです。
そして、でっかいうさぎの顔のかぶりものまで。
これ、覚えておられるでしょうか。4月1日に書いたエントリで登場した、あれです。
うさぎのかぶりものの隣には等身大立て看板。動物とむすめは鉄道キャラの定番です。山形鉄道も他聞に漏れず、鮎貝りんごさんという駅務係が勤務しています。
さらにはもっちぃ駅長が描かれたひょうたんも。結構リアルな絵ですね。
駅長は相変わらず休憩中。この間に駅の周りを見てみたいと思います。
宮内駅の正面。内装からすると、意外にも(?)モダンな作りです。
もっちぃ駅長が着物を着たイラスト。お正月の時のものでしょうか。
駅の玄関の両脇では、うさぎの石像もお出迎え。
駅の近くには、うさぎ以外の動物の像もあります。
駅舎の傍には、童謡「ないしょ話」の歌碑がありました。作詞者の童謡詩人、結城よしをが宮内の出身なのだそうです。
この歌はよしをが10代の頃に生まれたもの。その後よしをは徴兵され、1944年に若くして戦病死してしまいますが、母子の何気ない風景を歌った歌は、それから75年経った今も遺っています。
天気が良ければ、ここから熊野大社まで歩いても良いのですが、この日は空模様が怪しいことこの上なし。それに、駅長室にももう一度行っておきたいので、駅に戻ることにしました。
で、いきなり見たのがこちら。
そう言えば、山形在住だったという話を思い出しました。一発・一曲当てるって、凄いことなんですね、とあらためて実感です。
宮内家からの時刻表。一部区間を除けば、土讃線の普通列車よりも多いです。
のんびりモードの駅長。名残惜しくはありますが、次の列車に乗らないといけません。
駅長、また会う時まで、どうかお元気で。
なお、もっちぃ駅長と会いたい方、是非とも以下の心得を守っていただき、山形鉄道宮内駅へ。ただし最初の方に書いた通り、水曜日は原則お休みですので、お気を付けくださいね。
ちなみにこちらも。当然私もフォローしております(笑)
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