北海道・東北から南九州までやってきて迎えた旅行最終日の3日目の朝。この日は早起きして、朝食前に鹿児島市電の直通線に乗りに行くことになります。
鹿児島市電はその名の通り鹿児島市交通局が運営する路面電車で、基本的に1系統と2系統の2つが運転されています。1系統は鹿児島駅から鹿児島中央駅前経由を経由せず、郡元と郡元(南側)を通って谷山行、2系統は鹿児島駅から鹿児島中央駅前を経由して、郡元(南側)に行かずに郡元止まりです。なお郡元と郡元(南側)は正式には同じ停留所なのですが、ホームが離れているために便宜上別扱いになっているようです。
ただ、例外的に鹿児島駅から鹿児島中央駅前経由で谷山への直通便があり、これが唯一中郡から郡元(南側)への直通線を通ります。今回はこの直通線がターゲットです。この系統は区間便も含めて上り・下り両方運転されているのですが、本数が限られており、特に土日は朝と深夜に数本があるのみです。なのでスケジュールをどうするか悩んだのですが、朝起きたらまず電車に乗り、宿に戻ってから朝食にすれば何とかなることが分かり、昨夜のうちに鹿児島に乗り込んだわけです。
土曜の朝の鹿児島。電車の乗客はそこそこいますが、車通りは非常に少なくなっています。
そんな中、2系統の電車がやって来ました。この日は区間便しか利用できないので、まずはその始発の停留所となる神田(交通局)に向かうことにします。
電車は悠々と走り、神田までやって来ました。ここには最近移転したばかりの市電の車庫があります。ちなみに神田とかいて「しんでん」です。「かんだ」じゃないのか、という声が聞こえてきそうですし、間違える人は多そうですし、どうしてこうなったという気がしますね。
高知市神田「呼んだ?」
さておき、休みの早朝なので、車庫では多くの電車が休んでいます。直通便が出るまで少しだけ時間があるので、これは撮影せずにはいられません。ちなみに、撮影は隣接の公園から行っており、車庫には入っていません。勝手に入るのは流石に問題なので。
こちらは見るからにベテラン。側面の窓とドアはとさでん交通の600形にかなり似ていますが、正面は中央が大きな3枚窓で大きく異なります。
同じ形式で、犬の全面ラッピングが施された電車がありました。それにしても、こちらもとさでんと同じく600形なんですね。
一方で、最近の超低床電車も見ることができます。こちらもとさでんで言えば、ハートラムIIに通じる風貌ですが、こちらの方がかなりいかつい気がします。県民性の差でしょうか(待て
車庫から電車が出てきました。これが交通局始発の谷山直通便になります。標示幕を見ると系統番号が出ておらず、代わりに「郡元(南側)経由」の表示があります。
交通局を出た電車は、5分と経たずに中郡を通り、郡元の交差点にやって来ました。ここで2系統は左に折れ、すぐの郡元の停留所で折り返します。一方、こちらの直通便は右折して郡元(南側)の停留所に入り、そこから谷山まで南下していきます。
交差点の手前に、小さな器具箱のようなものがあります。左と右の表示があることから、ポイント操作に関わるもののような気がするのですが、使い方は分かりません。少なくとも、運転士が直接箱を触ることはありませんでした。
右折した電車は、直通線を通って郡元(南側)に到着。このまま谷山まで行っても面白いのですが、往復している間に朝食がなくなるのは悲しいので、ここから戻ることにします。
交差点を振り返ると、2系統が左折して終点の郡元に向かっています。2系統の電車は歩道橋の先の停留所で乗客を降ろすと、いったん奥に向かってから折り返し、線路を渡って鹿児島中央駅前から鹿児島駅方面に向かいます。
電車の手前で左に向かうのが、先程乗ってきた直通線です。これだけの距離の区間に乗るために、飛行機を乗り継いでやってきたのです。趣味とはそういうものです。
鹿児島駅方面へのホームにわたる間に、先程の電車が折り返してきました。鹿児島中央駅前方面に向け、しばし待機中です。
ホームにあったボタン。これもポイント操作用の機械のようですが、ポイントは自動操作も可能なようで、普段から使っているわけではなさげです。
1系統の電車がやって来ました。オーストラリアはパース市との姉妹都市提携をPRする電車です。
しばらく走って、宿の近くに戻ってきました。電車を降りて側面を見ると、大きく"Miami"と書かれています。車内の展示で、こちらも姉妹都市ということです。
いづろ交差点に戻ってきました。これにて旅の主な目的は達成。ただそれよりなにより、だいぶお腹が空いてきています。
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