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2018.09.16.四国サッカーリーグ第14節@春野球技場観戦記:高知ユナイテッドSC対FC徳島

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 2018年の四国サッカーリーグも大詰め、首位高知ユナイテッドSCがホーム最終戦に2位FC徳島を迎えます。高知は引き分け以上で優勝決定ですが、FC徳島は今季唯一の黒星を喫しているだけに、全く油断はなりません。

 

 

 まず、試合前時点でのおさらいです。この日は第14節、本来なら最終節ですが、第10節の全4試合が豪雨の影響で9月23日に振り替えとなったため、合わせて2試合残っていることになります。

 その上で、四国サッカーリーグ首位の高知ユナイテッドSCは、この時点で11勝1敗、勝ち点33を得ています。一方、高知を唯一上回る可能性があるのが2位はFC徳島で、9勝2分け1敗の勝ち点29。ただこの日は直接対決になるので、勝ち点差は高知が7、引き分けでも4となり、高知の優勝が決まります。一方、高知が敗れると勝ち点差は1に縮まりますが、その場合も9月23日に高知が勝てば優勝決定。徳島は自力で勝って高知の引き分け以下を願うしかありません*1

 というわけで、高知ユナイテッドSCにとっては圧倒的に有利な条件なのですが、なればこそホーム最終戦で優勝を決めたいところ。ただ前述の通り、今季高知は徳島に敗れているので、まったく楽観視ができません。

 

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 そんな大一番に臨む高知ユナイテッドSCの先発イレブン。試合が試合なだけに、見ている方も気合が入ります。

 

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 この日はFC徳島のキックオフで試合開始。序盤は一進一退でしたが、徐々に徳島の猛チャージが見られるようになります。

 

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 お互い攻め合いになる中、先制したのはFC徳島でした。前半10分、速攻から27番秋月がゴール右に流し込みます。その後も高知がゴールに迫ったかと思えば、徳島がボールを奪うやすぐに攻めに転じるなど、攻めの応酬が続きます。

 

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 そんな中での前半24分、高知が攻め上がって左からのクロス、流れたところを19番中林が捕らえて蹴り込みゴール。同点とします。

 

 

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 ところが前半31分、高知が再び攻め上がったところ、ボールをキャッチした徳島GK1番村山に高知13番村上がチャージ。村山がしばらく倒れ込むほどの当たりで、村上は一発退場となってしまいます。

 

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 同点で1人少なくなった中、ゲームプランを練り直す高知ユナイテッドSCの選手たち。数的に不利とは言え、受け身になっている場合ではありません。

 

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 すると前半39分、高知は左からの攻めでゴールラインぎりぎりのところを24番平田が切り返し、これを受けた23番ソウザ・パウロが落ち着いてゴール!逆に1点を勝ち越します。高知はこの後の徳島の攻めを何とかしのぎ、2-1で前半が終わります。

 

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 この日の高知は真夏日。試合も白熱しているだけに暑くてたまりません。プチグラスさんのプレミアムソフトクリームで、何とかクールダウンを図り、後半に臨みます。

 

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 その後半、先に得点したのは高知でした。53分(後半8分)、左からのクロスに23番ソウザ・パウロが頭で合わせたボールがゴール前に流れ、これを14番堀江がきっちり決めて3点目。緊迫した試合なだけに、高知の選手の喜びもひとしおです。

 他方、これで3点を取らなければならなくなった徳島。しかし、ここから怒涛の逆襲を展開します。

 

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 65分(後半20分)には赤星のシュートがゴール左に吸い込まれ、またも1点差に。ゴールの判定が出るや、徳島の選手はボールを取ってすぐさまセンターサークルに持ち込みます。

  この後も徳島は再三の攻めで高知を揺さぶります。高知が圧力をかけてきたところでサイドチェンジを図り、ノーマークの選手にボールを渡して決定機を作るのは一度や二度ではありません。これに対して高知は何とかしのぎ続けますが、攻めにつなげることができません。

 

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 そして72分(後半27分)、今度は9番廣井が頭で押し込んで同点。その廣井はゴールが決まった瞬間に倒れ込むほどで、徳島の奮戦ぶりが伝わります。

 ここから試合は再び一進一退。徳島が死に物狂いで1点を取りに行けば、追いつかれた高知も再び攻める場面を作れるようになり、展開がどちらに転ぶか全く分からなくなります。しかも、その後表示されたアディショナルタイムは4分。何が起きてもおかしくありません。

 

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 しかし、最後は高知が徳島の猛攻に何とか耐えてフルタイム。3-3の引き分けで試合終了、高知が四国サッカーリーグ連覇を決めました!

 ……なのですが、試合終了の瞬間、高知の選手もベンチも喜びを示すでもなく、中にはへたり込む選手もいるほどです。あまりの様子に、本当は負けたんじゃないかと思ったぐらいですが、場内アナウンスでようやくスコアが正しいことを確信できました。

 優勝したというよりも、やっと試合が終わったという疲労感の方がよほど漂う高知の選手たち。それだけこの試合がハードだったということですし、率直な話、徳島が怖かったということです。

 

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 ともあれ、優勝したことは事実。試合後はバックスタンドのサポーターを前に、選手が揃ってキャプテン横竹翔の挨拶と勝利(試合自体は引き分けですが)のラインダンス、そしてホーム最終戦ということで、サポーターと一緒に記念撮影も行いました。

 そして、高知ユナイテッドSCの戦いはまだ続きます。10月には全国社会人サッカー選手権に出場。32チームが最大5日間の連戦を経て頂点を争います。

 そして、11月には本当の戦い、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2018が控えています。JFLへの昇格枠2つを懸けて、各地方リーグの強豪12チームが激突する大会です。昨年1次リーグ敗退で終わった高知ですが、今季こそは是が非でも昇格の悲願を達成したいところです。

 ここからは死闘しかありません。ただ、まずはその場に立つ権利を確保できたことに、まずは安堵の思いです。

*1:徳島引き分け、高知負けの場合勝ち点は並びますが、第14節開始前時点で高知の得失点差が徳島を24上回っているので、これがひっくり返るほど高知が大敗しない限り、このケースで徳島の逆転優勝はありません