はりまや交差点の東側すぐにあるのがデンテツターミナルビル前停留所。すぐ近くのはりまや橋停留所と比べると、どこか地味な感じが漂う停留所です。
はりまや交差点東側、伊野方面行のホームの奥に、停留所の名前の元となったデンテツターミナルビルが建っています。もっとも、ターミナルビルと言っても、中に電車やバスの乗降場はありません。あくまでバス・電車の停留所の前にあるビルです。
バスターミナルがあるのは、ビルから少し東に行った先。電車通りの南側に、近年になってできた「はりまや橋観光バスターミナル」です。高速バス・空港連絡バスが乗り入れるほか、観光バスの拠点にもなっています。
もっとも、はりまや橋を名乗ってはいるものの、肝心のはりまや橋とは少し距離があり、空港連絡バスならむしろ北はりまや橋の方が最寄りとなります。バスによってはその旨運転士が案内することもありますが、知らずにターミナルで降りると、後からがっかりさせられることになります。
停留所に戻ってみましょう。電車道の北側、デンテツターミナルビルのそばにはバス停があり、こちらも高速バス・空港連絡バスや一般路線バスの乗り場になっています。
バス停の向かいには待合室とチケット売り場があります。ただ、こちらはデンテツターミナルビルではなくて、その隣のビルです。
そしてバス停はあくまでも「はりまや橋」。デンテツターミナルビル前という表示もありますが、あくまで添え物の扱いです。
たいていは鏡川橋か朝倉(高知大学前)、伊野行の電車が入る西行のホームに、桟橋車庫前行の電車がやって来ました。はりまや交差点で左に折れて、桟橋車庫前まで走った後、車庫に入っていったん休憩です。電車は700形701号車、他の電車なら窓の下に伸びる青色の帯状の塗装が、この車両だけなぜか入っていません。
そのホームですが、停留所には上り下り2つしかホームがないにもかかわらず、5番乗り場となっています。どうやら、はりまや橋停留所から通しで番号が振られているようです。
実際、西行のホームは長らくはりまや橋停留所のホームとされていて、今のホーム(2番乗り場)ができた時に、デンテツターミナルビル前の西行ホームに改められた経緯があります。ちなみにそれ以前は西行のホーム自体がなく、デンテツターミナルビル前は東行の電車だけが停まる停留所という扱いでした。
ただ、かつてはりまや橋停留所を名乗っていただけあってか、西行ホームは屋根がついていて、横断歩道まではスロープもあり、停留所としては立派な部類に入ります。
一方、以前からある東行のデンテツターミナルビル前停留所のホームはというと、道路とを隔てるボードこそあるものの、屋根もない吹き曝し。他の停留所なら壁に掲げられる駅名板はポールに固定され、どこか奇異な印象を与えます。
そしてこちらは6番乗り場扱い。バス停ともども、デンテツターミナルビル前は、どうにもはりまや橋停留所の添え物的印象が拭えません。
東行ホームから見てみると、はりまや橋停留所は目と鼻の先。西行の電車から桟橋線に乗り換えるなら、わざわざ交差点を渡ってはりまや橋停留所に行く必要はないぐらいです。実際、乗り換えの扱いははりまや橋とこちらの両方の停留所で行っていて、いよいよデンテツターミナルビル前の独立性が怪しくなっていきます。
西行ホーム手前にある交差点の信号。小さい交差点にしては珍しく、路面電車用の矢印信号が付いています。停留所を過ぎればはりまや交差点、ポイントもあるので、この辺りに来ると運転士はいろいろな信号にも目を配りながら運転しないといけません。
はりまや交差点を渡って、ごめんへの電車が向かってきます。会社統合後の新たな塗装をバックに、昔ながらの赤い行先表示板が目立ちます。
西行ホームを見ると、運転士の姿。実は、デンテツターミナルビル前は東西の電車が運転士交代を行う場所なので、運転士はこれから乗務する電車を待っているのでしょう。そして、こちらに入線した電車も、ここで乗務員交代になります。
はりまや橋停留所の付け足し的な印象が否めない、デンテツターミナルビル前停留所。ただ、こと電車の運用に関しては、ターミナルとは言わないまでも、拠点として重要な役割を担っているようです。